プリメイラ・リーガ(Primeira Liga)とは、ポルトガルのサッカーリーグのトップディビジョンである。正式名称はプリメイラ・リーガであるが、日本ではスーペルリーガ(SuperLiga)と呼ばれることが多い。名称についての詳細は後述。
現在は、スポンサーシップによりリーガ・ポルトガル Betclic(Liga Portugal Betclic)の名称が用いられる。
概要
海外プロサッカーリーグ | |
---|---|
Liga Portugal Betclic | |
基本情報 | |
加盟国 | ポルトガル |
大陸連盟 | UEFA |
創設 | 1934年 |
参加チーム数 | 18チーム |
最多優勝 | ベンフィカ |
リーグレベル | 第1部 |
下位リーグ | リーガ・ポルトガル2 |
プロサッカーリーグテンプレート |
1934年創設。1938年から1999年まで、カンペオナート・ナシオナル・ダ・プリメイラ・ディヴィゾンもしくはプリメイラ・ディヴィゾンという名称が使われていたが、1999年には統括組織のLPFPが全国リーグ(1部・2部)を管理下に置き、カンペオナート・ナシオナル・ダ・プリメイラ・リーガもしくは単にプリメイラ・リーガという名称に変更された。
所属クラブは18であり、シーズンを17位、18位で終えたクラブがセグンダ・リーガ(2部)へ自動降格する他に、16位のクラブがセグンダ・リーガ3位のクラブと残留&降格プレーオフを行う方式になっている。
クラブとしては、ベンフィカ、ポルト、スポルティングCPが有名であり、ポルトガル国内ではこの3クラブをトレス・グランデス(3強、ビッグスリーの意)と呼ぶ。リーグタイトルもこの3クラブが独占しており、創設からこの3クラブ以外が優勝したのはたった2シーズンしかなく、3クラブがタイトルを奪い合う状態が続いている。
リーグのレベルとしては5大リーグに次ぐレベルの高いリーグと位置付けられているが、2012年のUEFAランキングでは1990年以来初めて、歴史的な「5大リーグ」の一角であるフランスのリーグ・アンを追い抜き、第5位となるなどリーグの評価は高まっている。
また、他の欧州のリーグと同様にEU加盟国の国籍を持つ選手の制限はないが、ポルトガル国内においてブラジル人労働者はポルトガル人と同じ権利を有するためブラジル人選手にも制限はない。そのため、ブラジル人選手の在籍が多いというのがリーグの特徴となっている。なお、EU外の国籍の選手は登録は6人、一試合に登録できる人数は4人までとなっている。
日本では、2022-2023シーズンよりDAZNで放送されるようになった。
スーペルリーガと呼ばれる理由
プリメイラ・リーガが日本ではスーペルリーガと呼ばれる理由については諸説あるが、基本的には2002年にガルプ・エナージアというスポンサーがネーミング・ライツを取得した後、スーペルリーガ・ガルプエナージアと命名したことが発端だとされている。これは所謂スポンサー名を冠するリーグ名であり、現在使われているリーグ名で言えばリーガ・エスパニョーラをリーガBBVAと呼ぶようなものである。そのスーペルリーガという名称も2002年から2005年までの3年間しか使われなかったため、厳密にいえば現在ポルトガルにスーペルリーガというリーグはない。
では何故日本ではスーペルリーガと呼ばれ続けるのか。その理由としてスーペルリーガと呼ばれていた2002年頃に日本では2002 FIFAワールドカップでのサッカー人気の爆発、そして同時に日本人選手の移籍などがあったため、スーペルリーガをスポンサー名と関係ないリーグ名だと間違え報道してしまったことが原因だと考えられる。
またスーペルリーガという名前のリーグにはセルビア・スーペルリーガ、デンマーク・スーペルリーガが存在し、こちらはスポンサー名を冠していない名称なので注意が必要である。
2024-25シーズンのプリメイラ・リーガのチーム一覧
(太字は記事のあるチーム)
チーム | 本拠地 | 前年度順位 | 備考 |
---|---|---|---|
SLベンフィカ | リスボン | 2位 | UEFAチャンピオンズリーグ出場 |
スポルティングCP | リスボン | 1位 | UEFAチャンピオンズリーグ出場 |
カーザ・ピアAC | リスボン | 9位 | |
CFエストレラ・アマドーラ | アマドーラ | 14位 | |
GDエリストル・プライア | エストリル | 13位 | |
FCアロウカ | アロウカ | 7位 | |
FCポルト | ポルト | 3位 | UEFAヨーロッパリーグ出場 |
ボアヴィスタSC | ポルト | 15位 | |
SCブラガ | ブラガ | 4位 | UEFAヨーロッパリーグ予選出場 |
ヴィトーリアSC | ギマランイス | 5位 | UEFAヨーロッパカンファレンスリーグPO出場 |
モレイレンセFC | ギマランイス | 6位 | |
リオ・アヴェ | ヴィラ・ド・コンデ | 11位 | |
AVSフトゥボルSAD | アヴェス | ※3位 | 昇格組 |
ジル・ヴィセンテ | バルセロス | 12位 | |
FCファマリカン | ファマリカン | 8位 | |
SCファレンセ | ファロ | 10位 | |
CDナシオナル | フンシャル | ※2位 | 昇格組 |
CDサンタ・クララ | ポンタ・デルガダ | ※1位 | 昇格組 |
※はセグンダ・リーガでの順位。
前年までプリメイラ・リーガに所属していたポルティモネンセ、ヴィゼラ、シャウヴェスはセグンダ・リーガへ降格。
クラブ別優勝回数
優勝回数 | チーム | 優勝年度 |
---|---|---|
38回 | ベンフィカ | 1935-36, 1936-37, 1937-38, 1941-42, 1942-43, 1944-45, 1949-50, 1954-55, 1956-57, 1959-60, 1960-61, 1962-63, 1963-64, 1964-65, 1966-67, 1967-68, 1968-69, 1970-71, 1971-72, 1972-73, 1974-75, 1975-76, 1976-77, 1980-81, 1982-83, 1983-84, 1986-87, 1988-89, 1990-91, 1993-94, 2004-05, 2009-10, 2013-14, 2014-15, 2015-16, 2016-17, 2018-19, 2022-23 |
30回 | ポルト | 1934-35, 1938-39, 1939-40, 1955-56, 1958-59, 1977-78, 1978-79, 1984-85, 1985-86, 1987-88, 1989-90, 1991-92, 1992-93, 1994-95, 1995-96, 1996-97, 1997-98, 1998-99, 2002-03, 2003-04, 2005-06, 2006-07, 2007-08, 2008-09, 2010-11, 2011-12, 2012-13, 2017-18, 2019-20, 2021-22 |
20回 | スポルティング | 1940-41, 1943-44, 1946-47, 1947-48, 1948-49, 1950-51, 1951-52, 1952-53, 1953-54, 1957-58, 1961-62, 1965-66, 1969-70, 1973-74, 1979-80, 1981-82, 1999-00, 2001-02, 2020-21, 2023-24 |
1回 | ベレネンセス | 1945-46 |
ボアヴィスタ | 2000-01 |
日本人選手
2002年に廣山望がブラガに移籍し、ポルトガルの1部リーグでプレーした初の日本人選手となる。その後、相馬崇人(マリティモ)、田中順也(スポルディング)がプレーしているが、日本人選手の成功例はなかった。
2017年にポルティモネンセに加入した中島翔哉が10得点12アシストという成績を残したことがきっかけとなり、以降ポルトガルでプレーする日本人選手が飛躍的に増えている。特に中島の成功例に加え、現役時代に浦和レッズで活躍したロブソン・ポンテがGMを務めるポルティモネンセは積極的に日本人を獲得するようになり、権田修一、安西幸輝などが所属している。
プリメイラ・リーガでプレーしたことのあるおもな日本人選手一覧
※太字は2022-2023シーズン現在在籍中の選手(成績は2022年8月1日現在)
選手 | 所属チーム | 所属期間 | 成績 |
---|---|---|---|
廣山望 | SCブラガ | 2002 - 2003 | 8試合0得点 |
相馬崇人 | CSマリティモ | 2009 - 2010 | 27試合2得点 |
田中順也 | スポルディングCP | 2014 - 2016 | 20試合5得点 |
中島翔哉 | ポルティモネンセSC FCポルト |
2017 - 2019 , 2021 - 2022 2019 - 2021 , 2022 |
84試合16得点 |
権田修一 | ポルティモネンセSC | 2019 - 2020 | 15試合0得点 |
安西幸輝 | ポルティモネンセSC | 2019 - 2021 | 54試合1得点 |
前田大然 | CSマリティモ | 2019 - 2020 | 23試合3得点 |
食野亮太郎 | リオ・アヴェFC GDエストリル |
2020 - 2021 2021 - 2022 |
2試合0得点 |
西村拓真 | ポルティモネンセSC | 2020 | 54試合1得点 |
藤本寛也 | ジル・ヴィセンテ | 2020 - | 126試合7得点 |
守田英正 | CDサンタ・クララ スポルティングCP |
2021 - 2022 2022 - |
106試合11得点 |
中村航輔 | ポルティモネンセSC | 2021 - 2024 | 52試合0得点 |
川崎修平 | ポルティモネンセSC | 2021 - 2023 | 0試合0得点 |
田川亨介 | CDサンタ・クララ | 2021 - | 39試合7得点 |
小川諒也 | ヴィトーリアSC | 2022 - 2023 | 6試合0得点 |
渡井理己 | ボアヴィスタFC | 2022 - 2024 | 28試合1得点 |
邦本宜裕 | カーザ・ピアAC | 2022 - 2023 | 24試合1得点 |
新井瑞希 | ジル・ヴィセンテ | 2022 | 8試合0得点 |
小久保玲央ブライアン | ベンフィカ | 2022 - 2024 | 0試合0得点 |
相馬勇紀 | カーザ・ピアAC | 2023 - 2024 | 50試合7得点 |
三竿健斗 | CDサンタ・クララ | 2023 | 17試合0得点 |
福井太智 | ポルティモネンセSC FCアロウカ |
2024 2024 - |
11試合1得点 |
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