1943 ミッドウェイ海戦とは、1987年にカプコンより販売されたアーケードゲームである。
ジャンルは縦スクロールシューティング。2人プレイ可能。マイナーチェンジ版の1943改についても記述する。
概要
カプコンの19XXシリーズ第二弾。太平洋戦争におけるミッドウェー海戦を舞台に、P-38ライトニングを操縦し日本海軍を倒していくという自虐的な内容。
前作の1942の宙返りシステムやサイドファイターシステムに加えて、ショットガン、3way、オート等多彩な武装、メガクラッシュシステムやエネルギーなど新しい要素を沢山追加した。
システム
1942では残機制だったが、今作はエネルギー制となっている。
時間経過で少しずつ減っていき、ダメージを受けると大幅に減る。時間経過では0で止まるが、ダメージによってエネルギーが尽きた場合は撃墜されてゲームオーバーとなる。
エネルギーの最大値は最初は64だが、3ステージクリアする毎に8ずつ増加し、最終ステージで104になる。
メガクラッシュボタンを押すと、エネルギーを消費して全体攻撃を行う。弾消しも出来るので緊急回避に使える。
ショットとメガクラッシュの同時押しで、1942で使えた回数制限の付いた宙返りも可能。
途中アイテムを取得する事で、特殊ショットを使用出来るようになる。アイテム1個につき使用時間は20秒で、最大64秒まで延長出来る。この時間が切れると通常ショットに戻る。種類については後述。
ちなみに2人プレイ中に互いの自機を重ね合わせると、両者のエネルギーを平均化する事が出来る。
ステージ構成
全16面構成。攻撃目標、撃破報告の際には艦種は表記されない。
背景を灰色にしているボスは「1943改」では登場しない。
ファミコン版では三国志の武将の名前に差し替えられている(亜也虎以外)。
「亜也虎」は3機でそれぞれデザインが違っている。(1回目は連山、2回目はオリジナル、3回目は富嶽がモデルとなっている。)
ステージ | ボス | ファミコン版 |
---|---|---|
1 | 重巡「利根」 | リカク(李傕) |
2 | 空母「加賀」 | カク(賈詡) |
3 | 超大型爆撃機「亜也虎」I | |
4 | 戦艦「扶桑」[1] | カクシ(郭汜) |
5 | 空母「赤城」 | キョシュウ(許攸[2]) |
6 | 大型爆撃機編隊「大飛龍」 | ガンリョウ(顔良) |
7 | 戦艦「伊勢」 | チョウコウ(張郃) |
8 | 空母「飛龍」 | ロシュク(魯粛) |
9 | 超大型爆撃機「亜也虎」II | |
10 | 戦艦「陸奥」 | カユウ(華雄) |
11 | 大型爆撃機編隊「大飛龍」 | ブンシュウ(文醜) |
12 | 戦艦「山城」 | チョウジン(張任) |
13 | 空母「蒼龍」 | リジュ(李儒) |
14 | 超大型爆撃機「亜也虎」III | |
15 | 戦艦「長門」 | リョフ(呂布) |
16 | 戦艦「大和」 | トウタク(董卓) |
ファミコン版はトウタク撃破後に、撃破したのはトウタクではなくトウビン(董旻。董卓の弟なので史実艦だと武蔵ポジションだろうか??)の囮艦隊だったと判明。プレイヤーはトウタク艦隊との最終決戦に再度出撃する…といった妙にこった造りになっている。
16面 戦艦「大和」
このステージで難易度が急上昇し、道中が長くなりまた敵の攻撃が激しくなる。回復アイテムも最低限しかない。
そしてこの作品のラスボスである戦艦大和は護衛艦艇・護衛戦闘機が非常に多く、大和にたどり着く前に墜落する事もしばしば。
しかもアーケード版だとコンティニュー出来ないという鬼な設定であり、当時のシューター達を大いに苦しめた。
武器やアイテム
- POW
エネルギーを8回復する。
ショットを撃ち込むと「POW→ショットガン→POW→3WAY→POW→オート・・・」と特殊ショット(順繰り)と交互に変化し、2周させるとエネルギータンクになり変化が止まる。 - 特殊ショット
ショットガン以外は、撃ち込みで変化しない単独アイテムとしても出現する。- ショットガン
前方5方向に敵弾を相殺出来る弾を発射する。単発で、弾が小さく、射程距離も短い為に使い勝手が大変悪く、ぶっちゃけマイナスアイテムと考えて良い。
続けてもう1個取るとパワーアップし、射程距離は改善される。 - 3WAY
通常ショットに加え、斜めにもショットを同時に発射する。取り敢えずこれを使っておけば問題ないと言えるほど、ゲーム全体を通して頼れる存在。 - オート
セミオート連射を搭載し、ボタン長押しで8連射する。弾が大きく弾速も速い為、ショット自体の使い勝手も意外に良好。 - シェル
通常ショットの倍の威力を持つミサイル弾を撃つ。緩めのフルオート連射も付いてるが、弾速と弾の横幅で劣るため多数の敵機の相手をするのは不得手。 - レーザー
隠し武器。正面に高速のツインレーザーを撃つのだが、すべての敵を1発で倒せる(大型機も1発で次の段階に移る)という超威力を誇る。
- ショットガン
- エネルギータンク
エネルギーを24回復する。 - サイドファイター
隣に飛行機が着き援護攻撃してくれる。2度被弾すると失われる。 - 弥七
エネルギーを全回復。 - 佐吉
現在使用している特殊ショットの使用時間を全回復。 - 招き猫
画面中をワープしているが、上手く取るとレーザーを使用出来るようになる。
1943改
1988年に出されたマイナーチェンジ版。勿論正式名称は『1943改 ミッドウェイ海戦』。
音楽も渋めのもので一新し演出面での強化もされているが、ステージ数が減った事、難易度も大きく下がった事でヘビーユーザーからの評判はよくなかった。ライトユーザーからの評判は評価は異なるも概ね良好であり高難易度のSTGが多い当時、STG離れするユーザーもこのゲームを機に復帰していたりしている。
敵の攻撃だけなら寧ろ前作より激しくなっているのだが、それ以上に自機の性能も上がっており、特にショットガンが異常に強い。これさえ持ち込めば大和も楽勝?で倒せる程。ただし敵の配置を覚えていないと横からの敵の体当たりを食らってエネルギーを消耗したり、肝心の大和戦でもショットガンだけでは押し負けるのでメガクラッシュとの併用は必須である。
ステージ(改)
全10ステージで、1943のステージ構成のうちボス名のセルの背景が灰色になっているものは改では登場しない。
ステージによって夕方や夜になったりして、演出面ではより多彩になっている。
エネルギー最大値は2,4,6,7,9ステージクリアで増加。ステージ10は例によってコンティニュー不可。
武器(改)
- 3WAY
それなりのセミオート連射が追加され、長押しで6連射する。が、それだけであり、どいつもこいつも火力が上がっている1943改の特殊武器の中ではどう見ても見劣りしている。 - シェル
威力が通常ショットの3倍になり、ツインミサイル弾となった為に横幅も改善。凄く扱いやすくなっているのだが… - レーザー
なんと普通に登場する。流石に前作程の威力は無いがそれでも通常ショットの3倍と強力で、スーパーシェルの出番を掻っ攫っていった。
初期状態ではポテロング黄色だが、続けてもう1個取ると紫色になり、その威力に磨きがかかる。
濃い黄色をした更に強力なレーザーも存在するが、こちらは招き猫で獲得する隠し武器である。 - ショットガン
重ね取りパワーアップは無くなったが、最初から強化時相当の射程距離を発揮。更に弾がポテコリング状になっており、弾のサイズも拡大され当てやすい。そして威力も通常ショットの倍あるので硬い敵相手でも意外と困らず、駄目押しにフルオート連射を搭載し、単発ながら安定した連射を実現。勿論弾消しは健在。
…と、ぶっちゃけ今作の低難度化の主犯とも言える超スペックに変貌している。 - サイドファイター
特殊武器ではないが、今作ではこれもPowのローテーションで出現する。但し敵機にぶつけると1回で消えてしまう。
なお、武器使用時間も前作から増加しており、1個に付き28秒、最大時間は80秒である。
移植
- ファミコン版
上述の通りボスとして登場する戦艦の名前の大半が「呂布」や「董卓」と言った三国志の武将に変わっており、「ミッドウェイ海戦」というサブタイトルも削除され、「ヴァルハラ沖海戦」という設定になっている。 - セガサターン版、プレイステーション版
1998年。「1942」「1943改」とともに「カプコンジェネレーション 第一集」に収録されている。 - PS2、PSP版
「カプコンクラシックスコレクション」に1942、1943改とともに収録されている。 - 携帯アプリ
ステージが大幅に削除され、全6ステージ構成となっている。
関連動画
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関連項目
脚注
- *少なくともアーケード版のゲーム内では「桑」の字が「搡」となっている。
- *江戸時代に訳されたものが誤記→吉川英治の小説→(光栄のゲーム?)→天地を喰らう(RPG)→本作へというルートで伝播してしまったとみられる。
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