エールディヴィジ(Eredivisie)とは、オランダのサッカーリーグのトップディビジョンである。
概要
オランダでプロサッカーが始まったのは1954年だが、エールディヴィジが創設されたのは2年後の1956年である。下のカテゴリーのリーグには、2部リーグであるエールステ・ディヴィジがある。
所属クラブは18。優勝クラブは次年度のUEFAチャンピオンズリーグへの出場権を得る。4位~7位がヨーロッパ・リーグ出場枠を賭けてリーグ戦終了後に勝ち抜き戦形式のPOを行う。降格条件が少々特殊であり、最下位(18位)のクラブが自動降格、エールステ・ディヴィジ優勝のクラブが自動昇格の他に、16位と17位のクラブがエールステ・ディヴィジの8クラブと入れ替え戦を行うようになっている。
クラブレベルだとアヤックス、PSVアイントホーフェン、フェイエノールトが有名であり、毎シーズンこの3つのクラブが中心となり優勝争いを繰り広げている。実際この3大リーグは欧州の舞台でも結果を残した実績を持っている。しかし、1995年のボスマン判決以降は他国リーグの青田買いの対象となって人材の流出が相次ぎ、リーグの地盤沈下が深刻化する。そのため近年はUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグなどで思うような結果を残せておらず、国際大会での活躍が今後の課題になるとされている。
伝統的に若手起用に積極的なリーグであり、若手選手の育成システムは独自の進化を遂げている。特にアヤックスの下部組織は世界に目を向けてもトップクラスであり、ヨハン・クライフ、マルコ・ファン・バステン、エドガー・ダービッツ、エドウィン・ファン・デル・サール、クラレンス・セードルフ、ヴェスレイ・スナイデルなど世界的な選手を多数輩出している。また、ロマーリオ(PSV)、ロナウド(PSV)、ズラタン・イブラヒモビッチ(アヤックス)、ルイス・スアレス(アヤックス)といった国外のスター選手が若手時代に台頭する事例の多いリーグでもある。
2021年3月16日、ベルギープロリーグの総会でリーグ戦の将来について検討を行い、ジュピラー・プロ・リーグとエールディヴィジを統合して「BeNeLiga(ベネリーガ)」の創設に向けて全会一致で合意したことを発表している。
エールディヴィジのチーム一覧
2022-2023シーズン現在(太字は記事のあるチーム、*は昇格組のチーム)
- アヤックス・アムステルダム
- PSVアイントホーフェン
- フェイエノールト
- FCトゥエンテ
- AZアルクマール
- フィテッセ
- FCユトレヒト
- ヘーレンフェーン
- SCカンブール
- RKCヴァールヴァイク
- NEC
- フローニンゲン
- ゴー・アヘッド・イーグルス
- スパルタ・ロッテルダム
- フォルトゥナ・シッタート
- FCエメン*
- フォレンダム*
- エクセルシオール*
前年までエールディヴィジに所属していたヘラクレス、ヴィレムⅡ、PECズウォレはエールステディヴィジへ降格。
主なダービーマッチ
クラブ別優勝回数
優勝回数 | チーム | 優勝年度 |
---|---|---|
28回 | アヤックス | 1956-57,1959-60,1965-66,1966-67,1967-68,1969-70, 1971-72,1972-73,1976-77,1978-79,1979-80,1981-82, 1982-83,1984-85,1989-90,1993-94,1994-95,1995-96, 1997-98,2001-02,2003-04,2010-11,2011-12,2012-13, 2013-14,2018-19,2020-21,2021-22 |
21回 | PSVアイントホーフェン | 1962-63,1974-75,1975-76,1977-78,1985-86,1986-87, 1987-88,1988-89,1990-91,1991-92,1996-97,1999-00, 2000-01,2002-03,2004-05,2005-06,2006-07,2007-08, 2014-15,2015-16,2017-18 |
10回 | フェイエノールト | 1960-61,1961-62,1964-65,1968-69,1970-71,1973-74, 1983-84,1992-93,1998-99,2016-17 |
2回 | AZ | 1980-81,2008-09 |
1回 |
スパルタ | 1958-59 |
トゥエンテ | 2009-10 | |
DWS | 1963-64 | |
DOS | 1957-58 |
日本人選手
初の日本人選手は1982年と古く、望月達也がHCハーレムにアマチュア契約で入団し初出場も果たしている。
2001年に小野伸二が三大クラブの1つであるフェイエノールトに移籍し、日本人初ゴールやUEFAカップ優勝に貢献するなどインパクトを残し、エールディヴィジ史上最高の日本人選手と言われている。その後、多くの日本人選手がオランダでプレーしており、本田圭佑(VVVフェンロ)、吉田麻也(VVVフェンロ)、宮市亮(フェイエノールト)、板倉滉(フローニンゲン)、堂安律(PSV)などが活躍を認められ後に欧州5大リーグのクラブへ移籍している。
エールディヴィジでプレーしたことのあるおもな日本人選手一覧
※太字は2022-2023シーズン現在在籍中の選手(成績は2022年8月1日現在)
選手 | 所属チーム | 所属期間 | 成績 |
---|---|---|---|
望月達也 | HFCハールレム テルスター |
1982 - 1985 1986 |
3試合0得点 |
小野伸二 | フェイエノールト | 2001 - 2005 |
112試合19得点 |
藤田俊哉 | FCユトレヒト | 2003 |
14試合1得点 |
戸田和幸 | ADOデン・ハーグ | 2004 |
16試合0得点 |
平山相太 | ヘラクレス・アルメロ | 2005 - 2006 |
32試合8得点 |
本田圭佑 | VVVフェンロ | 2008 , 2009 - 2010 |
36試合8得点 |
吉田麻也 | VVVフェンロ | 2010 - 2012 |
54試合5得点 |
カレン・ロバート | VVVフェンロ | 2011 - 2013 |
69試合7得点 |
安田道大 | フィテッセ | 2011 - 2013 |
45試合0得点 |
高木善朗 | FCユトレヒト | 2011 - 2013 |
34試合1得点 |
宮市亮 | フェイエノールト | 2011 |
12試合3得点 |
ハーフナー・マイク | フィテッセ ADOデン・ハーグ |
2012 - 2014 2015 - 2017 |
137試合51得点 |
大津祐樹 | VVVフェンロ | 2012 - 2013 |
22試合1得点 |
ファン・ウェルメスケルケン・際 | FCドルトレヒト PECズヴォレ SCカンブール |
2015 2019 - 2022 2022 - |
48試合0得点 |
太田宏介 | フィテッセ | 2016 - 2017 |
26試合0得点 |
小林祐希 | SCヘーレンフェーン | 2016 - 2019 |
92試合3得点 |
堂安律 | FCフローニンゲン PSVアイントホーフェン |
2017 - 2019 2019 - 2020 , 2021 - 2022 |
106試合25得点 |
中山雄太 | PECズヴォレ | 2019 - 2022 |
79試合5得点 |
板倉滉 | FCフローニンゲン | 2019 - 2021 |
56試合1得点 |
中村敬斗 | FCトゥエンテ | 2019 - 2020 |
17試合4得点 |
菅原由勢 | AZアルクマール | 2019 - |
73試合5得点 |
前田直輝 | FCユトレヒト | 2022 - |
1試合0得点 |
斉藤光毅 | スパルタ・ロッテルダム | 2022 - |
- |
関連動画
関連商品
関連項目
- 1
- 0pt