ミニコンポとは、音響機器の一種である。
コンポはコンポーネントステレオの意で、その名の通りフルサイズのコンポーネントステレオに比して小型のオーディオを指す。
主に音楽を再生して聴く為に使われる。
概要
当初は横幅がフルサイズコンポの8割程度のものがミニコンポと呼ばれた。アンプやプレーヤー、スピーカーをセットで組む事を前提にしたシステムコンポの一種である。
ターンテーブル、アンプ、AM/FMチューナー、カセットデッキ、スピーカーなどで構成される。製品によって組み合わせは変わり、また別価格でのオプションも存在した。一見するとセパレートスタイルであるがリモコン操作や電源を共有する為にリボンケーブルで接続されており、単品コンポの様に各々をバラバラにして使う事は出来ない。
バブル期には高機能化、高性能化が進みその時代のミニコンポはバブルコンポ、バブコンと呼ばれている。またそれと比較してバブルが弾けてから作られたミニコンポをデフレコンポと俗称する事がある。
アナログプレーヤーを積んでいる構造上、アナログレコードの幅より小さくする事が難しかったが、再生メディアの主役がアナログレコードからCDに移り変わるとその制約から解き放たれ横幅が小さくなったミニミニコンポ、加えて更に小型化されたマイクロコンポなどが登場した。現在ではそういった呼称が使われる事は少なく全てミニコンポと総称される。また人によってはミニも省き単にコンポと呼ぶ。
現在では再生メディアとしてはCDが主流で、一部の高価格製品はSACDの再生にも対応しているが数は少ない。iPodドックとしての機能を併せ持ち、接続する事でiPod内の音楽を再生出来る機種が多い。中にはパナソニックのD-dockシリーズの様に当初は自社のデジタルオーディオプレーヤーとの連動を売りにしていたのがデジタルオーディオプレーヤー分野から撤退した為に、iPodとの連動を強化する様になった例もある。
2000年代後半には、HDDを内蔵しそこに音楽を録音しておく事でCDを入れ替える手間を省いたHDDコンポが各社から発売されたが、ブームは短期間で収束し、2012年現在、HDDコンポをラインナップしているのはソニーのみとなった。
2012年頃からLAN接続し、NASに貯めたデータを再生するネットワーク機能を強化された製品が多くなっている。
ミニコンポの形は昔ほど画一化されておらず、様々な形状の製品が並んでいる。廉価な機種も多くラジカセとの線引きが曖昧になっている。廉価なミニコンポと比較的に高価なラジカセでは昔ほど音質に差が無い。
バブルコンポ
前述した様にバブル期に作られたミニコンポやミニミニコンポがこう呼ばれる。現在の小型化したミニコンポを見慣れた目にはかなり巨大に映り、価格も10万から20万ほど、或いはそれ以上と高価であった。それに見合ってグラフィックイコライザーやスペクトラムアナライザなど機能も豊富であった。
当時の若者が憧れるアイテムであり、高校生や大学生が入学祝に買い与えられたりアルバイトでお金を貯めて購入する定番であった。
コストがかかった作りである事やスピーカーが大きく余裕がある事から今日の廉価なミニコンポよりも音質で優れていると言う意見もあり、思い出や憧れを持つ世代からの人気は高い。但しその大きさからかバブルラジカセの様な蒐集家は少ない。
主なシリーズ
ROXY(ケンウッド)、private(パイオニア)、Radian(オンキヨー)、CREATION(ビクター)、コンサイス(テクニクス)、Liberty(ソニー)、STRASSER(アイワ)、E-COMPO(サンスイ)、Aurex(東芝)、ツインエディットコンポ(Lo-D)
ミニミニコンポ
横幅がフルコンポの半分ほどでありソニーのpixyが人気の火付け役となった。それ以前からもこのサイズのミニコンポを発売していたメーカーはあり、pixyが最初と言う訳ではない。
その後、各社もミニミニコンポを発売し、やがてそれまでのミニコンポに替わって主力製品となった。
主なシリーズ
pixy(ソニー)、TIFFANY(ヤマハ)、ALLORA(ケンウッド)、SELFIE(パイオニア)、ESSAY(オンキヨー)、MEZZO(ビクター)、HALFコンポ(パナソニック)
マイクロコンポ
更に小型化が推し進められアンプ、プレーヤー、チューナーが一体型となっている製品が多い。机の上に置いても邪魔にならないサイズである。
この時代はアイワが他社に比して廉価な製品を発売しており人気を博していた。
主なシリーズ
STRASSER(アイワ)、Qbric(ソニー)、Lip×Lap(ビクター)、Avino(ケンウッド)
ハイコンポ
ミニミニコンポやマイクロコンポなど小型化、低コスト化が進む中で、それらとは別の方向性として音質を重視したハイコンポと呼ばれる製品群が生まれた。従来のミニコンポとは大きく路線を異にしており、見た目にも単品コンポに近い高級感があった。省スペースである事やミニコンポの簡易な操作性を併せ持ち一時は各社から発売されており商品数も豊富だった。現在では流行も落ち着き種類も減っているが、それでもミニコンポの中で一定の勢力を保っている。
主なシリーズ
K's(ケンウッド)、PRESTA(デノン)、アルフ(サンスイ)、INTEC(オンキヨー)、FILL(パイオニア)、コンサイス・G(テクニクス)
現行製品
メーカー | 代表的な製品 | 備考 |
オンキヨー | INTEC | |
CRシリーズ | ||
FRシリーズ | ||
ケンウッド | Kseries | K'sの後継 |
ソニー | NETJUKE | |
デノン | efシリーズ | |
Mシリーズ | ||
Nシリーズ | ||
パイオニア | Zシリーズ | SACDの再生に対応した一体型 |
パナソニック | D-dock | |
ビクター | ウッドコーンコンポ | その名の通りコーンの材質に木を用いたスピーカーが特徴 |
ヤマハ | MCR-140、MCR-040 |
関連動画
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関連項目
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