パイオニア(英語: pioneer)とは、 |
パイオニア株式会社 (Pioneer Corporation) とは、カーナビなどを製造する日本のメーカーである。
概要
往年のロゴ |
キリスト教の伝道師の父を持つ、ラジオ輸入商社社員の無線技術者松本望がアメリカ製のダイナミック・スピーカーの音質に感銘を受け、昭和12年(1937年)に国産初のダイナミック・スピーカー「A-8」を独自開発・販売をした。そのA-8の商標「パイオニア」が商標としての「パイオニア」の始まりである。翌昭和13年(1938年)「福音商会電機製作所」を創業し、それが後の音響機器メーカーとしてのパイオニアとなった。
レーザーディスクのパイオニア
音響機器の企業であるものの、エンターテインメント重視な方向性に歩み寄ることが多く、レーザーディスク(LD)を規格を開発・機器を販売、LDカラオケ機器やLDゲーム機器を販売を展開、VHDカラオケ陣営と熾烈な戦いを繰り広げたり、アニメや洋画のレーザーディスクやビデオソフト販売のイメージが強い。
インターフェイスと音質と重量級(?)を追求するパイオニア
AppleがPower PC互換機路線を展開していた時には、内蔵スピーカーの音質に拘ったMac OS搭載互換機を開発販売した時期もあった。
過去にセルラーおよびIDO(現:KDDI)や、J-PHONE(現:ソフトバンクモバイル)向けに携帯電話機供給も行っていた。
音響機器メーカーらしく音質がいいと言う評判だったが、それだけには留まらない。
特に日本の携帯初で全面タッチパネルを搭載したJ-PHONE向けのDP-211は、付属のペンで手書き入力も可能で、またオプションのカーオーディオに取り付ければハンズフリーにも対応するという、1998年当時として時代を先取りした画期的な商品であった。当時は「今時のPDAっぽい操作性の良さがある」と説明されていた。[1]
また、その後継機のDP-211swは携帯初の文字メッセージサービス(旧スカイウォーカー、現スカイメール)対応機種である。タッチパネル上でのQWERTY配列によるローマ字入力を実現しているが、当時としては打ちにくいとする人が大半だったため上級者向けとされていたが、今となっては「AppleのiPhoneはまるで昔あったパイオニアの携帯」と言う声もあるとかないとか。
DVDが登場する前のLD全盛期には音質・画質を追求してLDプレイヤーがどんどん大きく重くなり、ハイビジョンLDプレイヤーHLD-X9は17.0kgの重量級プレイヤーとして登場した。その伝統を受け継ぐブルーレイディスク(BD)プレイヤーBDP-LX91は14.3 kgとこれ又破格の重量級である。[2]
後付け可能な市販品のGPS方式カーナビゲーションシステムでは文字通りのパイオニア、先駆者のメーカーである。
現在はもっとパイオニア!
今でも電話機を売ったり、ちょっと壊れやすそうで斬新なデザインのヘッドホン売ったり、PC向けBD,DVDドライブを売ったり、CDJ機器売ったり、車載用AV機器(カロッツェリア)を売ったり、NECからプラズマテレビ事業譲渡を受け、高品質・高画質なKUROシリーズがマニアから好評を博せども採算が合わず、撤退、技術者は松下に移籍したりしたけれども、 色々な意味で先駆けている、時には先駆け過ぎる、まさにパイオニアな会社である。
なお、音響機器事業からは現在は撤退しており、今ではカーナビなどの車載機器を手がけている。音響機器事業はオンキヨーの手によって継続されたが、2022年5月に倒産したことで消滅した。
DJ機器については2015年にPioneer DJに分割され、現在はノーリツ鋼機傘下のAlphaTheta(アルファシータ)として存続している。
関連会社
- フクイン
- パイオニアと同じ創業者が設立した「福音印刷」。カタログなどの印刷及び出版企業。
現在もパイオニアのカタログやマニュアルを印刷している。 - パイオニアマイクロテクノロジー
- 半導体などの事業。
- 東北パイオニア
- パイオニアの出資で山形県天童市に設立した会社。2007年に完全子会社化。
- パイオニアコミュニケーションズ
- 電話機器生産企業。
- インクリメントP
- カーナビのソフトウェア開発など。「MapFan Web」を運営している。
かつてはパイオニア発売のゲームソフト開発を担当していた。 - その他は
- こちらを参照
かつての関連会社
- ワーナーパイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)
- 1970年に、アメリカのワーナー・ブラザーズと、日本のオーディオ機器メーカーのパイオニア、日本の芸能プロダクションの渡辺プロダクションの共同出資で、レコード会社「ワーナーブラザーズパイオニア株式会社」を設立。
1972年に、「ワーナー・パイオニア」に社名変更する。
1978年に、渡辺プロダクションが資本撤退、1990年にパイオニアも資本撤退(パイオニアLDC改組に伴い)。
ワーナーブラザーズグループの100%子会社となり、「株式会社ワーナーミュージック・ジャパン」となる。
現在のワーナーミュージック・ジャパンの規格品番がWP(Warner Pioneer)は、その名残り。 - パイオニアLDC(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)
- かつての映像ソフトメーカー。
1981年に、パイオニアが「レーザーディスク株式会社」として設立。
1989年に、「パイオニアLDC株式会社」へ社名変更。
2003年、全株を電通に譲渡し、「ジェネオンエンタテインメント」に社名を変える。
2009年、アメリカのNBCユニバーサルの傘下となり、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンと合併し、「ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン」に社名を変更。
2013年にNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンに社名を変更。
関連動画
関連項目
外部リンク
脚注
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