『ワナビ』または『ワナビー』とは、アイドル性のある何者かに成りたいと渇望している人などを指すスラング。
want to be(~になりたい)を短縮した英語のスラング『wannabe』(ワナビ、ウォナビ、ウォナビー)をカタカナ表記したもの。
ただし『ワナビ』と『wannabe』は意味が全く同じというわけでもないようであり、単純に「ワナビはwannabeのカタカナ表記」と言うだけではなく、「『ワナビ』は『wannabe』を元にした外来語」だとも言えるかもしれない。
概要
広義に言えば「○○になりたい」と思っている人々は全て「○○ワナビ」であるとも言える。つまり「○○志望者」の類義語である。
ただしスラング・俗語であるので、もう少し俗っぽいニュアンスも併せもつ。例えば「○○になりたがっているが、まだまだ未熟である者」とか「成功した○○になれるのはほんの一握りの人間であり望みもほとんどないのに、非現実的なあがきをしている者」などと言った、嘲笑的な含意を持つ言葉として使用されることが少なくない。
また、例えば「志望校に入るために受験勉強をしている人」「専門技術の資格を取るために研鑽を積んでいる人」などなど、社会からいわゆる「堅実な努力」と見なされるような人々は、「○○志望者」であることは同じであるにも関わらず、「ワナビ」と呼ばれることはあまりない。
すなわち「一般的なコースから外れた何者か」になるために努力や試行錯誤をしている人を指して、冷笑するようなニュアンスのある言葉が「ワナビ」「ワナビー」であるとも言える。
半ば自虐的に「私は○○ワナビ」と自称する人は居るだろうが、その人に対して「あなたは○○ワナビなんでしたよね!」と言うようなことはやめた方が無難である。トラブルの元になるかもしれない。
作家ワナビ
インターネット上においては、「ワナビ」というカタカナ語は特に小説・ラノベ・シナリオ等の作家志望者を示した呼称・蔑称として使われることが多い。もちろんアイドルやミュージシャンや声優などなど、他の何かへの志望者においても用いられるのだが、2020年現在時点でのネット上での使用例としては作家志望者に対しての用例が突出している。
PCやワープロの普及によって、自分の作品を形にすることが容易になり、更に『小説家になろう』等の投稿サイトから数多くの作品が一般書籍化された事により、作家志願者が爆発的に増えた。
元々は投稿サイトやホームページで作品を投稿していて、その作品が審査員の目に留まり、晴れてデビューした者も数多くいる(橙乃ままれ氏、川原礫氏など)。
作家志望者と言えば聞こえはいいが、「趣味で書いている」と「仕事で書いている」は、全然別の違いがあり、プロの作家も生活のために、好きな作風を書けず、色々なモノを犠牲にしていることはワナビにも留意されたい。
趣味で書く人を果たしてワナビと呼べるのかどうかは暫し議論される点でもある。
なお、なぜ作家志望者を指す「ワナビ」のみが突出して用例が多いのかは不明。単純に、上記のような状況から「ワナビ」と表現できる人々が他の分野よりも突出して多いのだろうか。あるいは、作家のような「文字を使って創作活動を行う者になりたい人」はインターネット上において文字で情報発信する事も多いと思われ、そのために作家の「ワナビ」に関する用例が自然と多くなるのかもしれない。
英語としての「wannabe」
元の英語「wannabe」には、上記のような日本語スラングとしての「ワナビ」と同様の意味の他に、「まるで○○気取りだが、ぶっちゃけそうでもない人」というニュアンスもある。たとえば「wannabe gourmet」は「グルメ(gourmet)気取り」という意味になる。
また、一般的に非難されるような何かになろうとしている者について、その実現可能性などは問わず「それになりたい」ということ自体に批判的な立場からも使われる。例えば「terrorist wannabe」は「テロリスト(terrorist)志願者」を指す言葉であり、テロリスト志願者について懸念されるようなニュースを報じる時には大手ニュースサイトでも使用される。
関連動画
関連項目
- wanna
- スクールカースト (「主な階級」の節、「カースト階層」のうち「サイドキック」を説明している箇所を参照)
- 作家 / 小説家 / シナリオライター
- 小説
- ライトノベル
- ゲーム
- ネット小説
- 小説家になろう
- 8
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