世界の中心で愛を叫んだけもの (The Beast that Shouted Love at the Heart of the World) とは、ハーラン・エリスンによる短篇SF小説、及びそれを収録した短篇集である。
概要
短篇について
おれは世界中のみんなを愛してる。ほんとうだ、神様に誓ってもいい。おれはみんなを愛してる、おまえたちみんなを!
初出はGalaxy 1968年6月号。日本ではSFマガジン1972年4月号に浅倉久志訳が掲載された (同号の特集はエリスンであり、他にも「聞いていますか」、「サンタ・クロース対スパイダー」が訳出された)。1969年のヒューゴー賞短篇部門を受賞。
短篇集について
上記の表題作を中心に15作品を収録した短篇集。1969年 Avon Publicationsから出版された。浅倉久志・伊藤典夫による邦訳版は1973年ハヤカワSFシリーズの一冊として出され、1979年にハヤカワ文庫SFに収められた。文庫版は現在でも書店で入手可能。
- 収録作品
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- 世界の中心で愛を叫んだけもの (The Beast that Shouted Love at the Heart of the World)
- 101号線の決闘 (Along The Scenic Route)
- 不死鳥 (Phoenix)
- 眠れ、安らかに (Asleep : With Still Hands)
- サンタ・クロース対スパイダー (Santa Claus vs. S.P.I.D.E.R.)
- 鈍いナイフで (Try a Dull Knife)
- ピトル・ポーウォブ課 (The Pitll Pawob Division)
- 名前のない土地 (The Place with No Name)
- 雪よりも白く (White on White)
- 星ぼしへの脱出 (Run for the Stars)
- 聞いていますか? (Are You Listening?)
- 満員御礼 (S.R.O.)
- 殺戮すべき多くの世界 (Worlds to Kill)
- ガラスの小鬼が砕けるように (Shattered Like a Glass Goblin)
- 少年と犬 (A Boy and His Dog)
タイトルについて
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』最終話のサブタイトル「世界の中心でアイを叫んだけもの」、および片山恭一のベストセラー小説『世界の中心で、愛をさけぶ』の元ネタとして知られている。ガイナックスはオリジナル作品の最終話のサブタイトルにSF小説のタイトルを引用するのが通例である (『ふしぎの海のナディア』→ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』、『天元突破グレンラガン』→フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』など) が、『エヴァ』監督の庵野秀明は本作は読んだことがなかったとインタビューで発言している。
片山恭一の方は、元々は『恋するソクラテス』というタイトルの予定だったのが、編集者の助言により『世界の中心で、愛をさけぶ』となったという。編集者は本作を知らず、『エヴァ』から孫引きしたとまことしやかに言われているが、実際のところは定かではない。そしてセカチューが大ベストセラーになったのにつられて本作もリバイバルヒットするかと思われたが、とりたててそんなことはなかった。ちなみに内容はこれっぽっちも被る部分が無いので、タイトル以外はブームに乗っかりようが無かったという面もある。
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関連項目
- SF
- 小説作品一覧
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 世界の中心で、愛をさけぶ
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