概要
世界三大奇虫とは、サソリモドキ(ビネガロン)、ヒヨケムシ、ウデムシの3匹を指す。
3匹とも昆虫ではなく蜘蛛に近い生物であり、その特徴的な見た目から不名誉な称号を与えられている。ともに完全な肉食性で、小型の昆虫や節足動物、トカゲ、ピンクマウスなどを食す。
見た目はアレだが人間に害を成すような生物ではなく、無理やり掴んだりしなければ何もしてこない。ペットとして日本に持ち込まれており、奇蟲ファンの間では飼育が盛んに行われている。もし実物を見たいのであれば、爬虫類や蟲を扱うペットショップに行ってみると良い、サソリやタランチュラと一緒に置いてあったりする。また、日本の一部地域には実際にサソリモドキが生息している。
なお、サソリモドキとウデムシは飼育が容易で、繁殖方法も確立しつつあるが、ヒヨケムシに関しては長期飼育が難しいとされる。そのため値段も可愛くない。
見た目がとにかく奇怪なので、一般人が目撃したらそれこそ悲鳴があがり、マスコミがギャーギャーと騒ぎ立てるレベルである。また外来種でもあるため、飼育する際は絶対に逃がさないよう注意しなければならない。(国内産サソリモドキも例外ではない)
ウデムシ
3種の中で 最も奇抜な姿をしていながら、最も特徴の無い生物。世界中の熱帯に生息するが、日本には分布しない。カニムシモドキとも言われるが、一般人にはそもそもカニムシがポピュラーでは無いので、この名前で言われたところでピンとは来ないだろう。「某魔法メガネ青年の映画に出てきたあの蜘蛛みたいなヤツ!」と言った方が良いかもしれない。
強大な鎌状の蝕肢で昆虫を捕えて食べる。クモの姿をしたカマキリとでも思っていただければ良いかもしれない。見た目こそフェイスハガーのようだが、性格は極めて大人しく臆病。害虫を捕食してくれるため、いわゆるアシダカ軍曹のような益虫としての一面も持っている。
飼育も容易であり、十分な高さのあるケージでペア飼育すれば殖やすことも可能。
サソリモドキ(ビネガロン)
3種の中では最も日本人になじみのある種。ヨーロッパ、オーストラリアを除く世界各地の熱帯、亜熱帯に生息。日本の一部地域にも分布。特徴は長い鞭のような尾と短い鋏である。
サソリのように刺してくることは無いが、危険を感じると酢酸、カプリル酸の混合物を噴射する。この匂いがお酢(ビネガー)のようであるため、ビネガロンの名を持つ。ちなみにかなりの強酸であり、素手で触ったり舐めたりするのはご法度である。
その他の生態は湿潤系サソリに似ており、夜間に獲物となる昆虫や小動物を捕食する。酸にさえ気をつければウデムシと同じく飼育は容易であり、湿度と温度にさえ気をつければこちらも繁殖が可能。
ヒヨケムシ
3種の中で最もアグレッシブな種。世界中の熱帯、亜熱帯に分布する。日本にはいない。イラク戦争時、アメリカ兵が発見したことで一躍有名になった。
サソリとクモを足して2で割ったような姿で、巨大な鋏角が最大の特徴。そのあまりに奇抜な見た目と動きの速さに恐怖した兵隊により、「人のハラワタを食う」「ラクダを襲って食べる」「キーキーと鳴く」「時速30キロで走る」などという誤情報が流れた。
実際には自分から人を襲うような種類ではなく、威嚇こそするものの最終的には逃げてゆく。なお威嚇してもまだ突いたりしていると、自衛のため巨大な鋏角で噛みついてくるので注意。もっとも捕食の際は攻撃的な性格をしており、昆虫の他にネズミやトカゲ、小型の鳥なども襲って食べてしまう。タランチュラとはお互いに食い合う仲であるとされる。
時速30キロだとか50キロだとかは流石に言いすぎだが、アシダカ軍曹に負けないくらい速く走る。これは、他のクモ綱には見られない発達した気管を持つからかもしれない。
飼育方法が確立されておらず、なかなか長生きしないと言われている。また咬まれると吐き気や発熱を伴うため、取扱には注意が必要。なにより物理的にかなり痛そうである。
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関連項目
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