亡命とは、
- 政治的経済的な理由や迫害、失脚によって外国へ逃亡すること。「共産圏から亡命する」
- 転じて、同業の別の組織に追いやられたりそこに居づらくなった結果移籍すること。「結局この大学にはなじめなかったし大学院はもっとランクの高い大学へ亡命する」
概要
なにやら「命を亡くす」と字面は書いてあるが、ここでの「命」とはライフではなく戸籍、名籍のことであり、その国の戸籍を捨てて外国へ逃れること。
政治的な迫害、革命による失脚、極度の経済的な貧困や飢餓、政府による弾圧、宗教的な迫害、その国の政治体制が気に入らないなどの理由により、他国へ逃亡すること。
古くは百済や高句麗が滅亡した際にその国の国民や王族が日本に亡命してきた例などがあり、大阪の百済という地名は百済からの亡命者が住んでいたことに由来している。最近では、時折北朝鮮から逃亡して韓国に逃れたり、外国の大使館へ逃げ込んだりする「脱北」がたまにニュースになっている。
中には本当に困窮したり、迫害されて命の危険がある
のような例もあるが
・・・のような「それってホントに正当な亡命か?」「保護する必要あるか?」というような亡命もある。このため、偽装難民の問題や亡命者の受け入れによって治安が悪化したり、多数受け入れる羽目になったり、亡命者に混じって活動家が入り込んだり、そもそも「その国が他国に侵攻したりしたのはその国の国民にも責任があるではないか。だから亡命など許すべきではない(ロシアなど)」という意見や問題もあったりする。
著名な亡命
- 高句麗人や百済人が祖国を滅ぼされ日本へ亡命(7世紀)
- 名誉革命によるジェームズ2世のフランスへの亡命(1689年)
- フランス革命に伴う貴族や聖職者の亡命(1789年)
- ロシア革命によりロシア人が多数亡命(1917-1922)
- アルベルト・アインシュタイン、ナチスに追放されアメリカへ亡命(1933年)
- 李承晩、アメリカへ亡命(1960年)
- 共産主義者がよど号ハイジャック事件を起こし北朝鮮へ亡命(1970年)
- イディ・アミンが失脚しサウジアラビアへ亡命(1979年)
- レバノンがテルアビブ空港銃乱射事件を起こした活動家岡本公三の亡命を受け入れ(2000年)
- 脱北者が中国の日本総領事館へ亡命目的で駆け込むが、中国の警備員にボコボコに殴られ拘束(2002年)
- 東京オリンピックに出場していたベラルーシ人選手がポーランドへ亡命(2021年)
- チェルパン・ハマートヴァがロシアによるウクライナ侵攻に抗議して亡命(2022年)
- マリーナ・オフシャンニコワがロシアで反戦を訴えた結果フランスへ亡命(2023年)
- 中国の活動家権平が韓国へ亡命(2023年)
- 中国の活動家陳思明がカナダへ亡命(2023年)
- ジャリエル・ロドリゲス投手亡命(2023年)
- ペドロ・レビーラ外野手亡命(2023年)
亡命政府(亡命政権)
祖国の滅亡や敗北によって亡命した人々が亡命先で政府を作ったりして抵抗運動をしたりその国の存続を主張する場合もある。そのような政権、政府を亡命政府とか亡命政権と呼ぶ。
著名な亡命政権
- 代(春秋戦国時代)
- 蜀
- 後梁(南朝)
- 東晋
- 南宋
- 南明
- 中華民国
- チベット亡命政府
- 東トルキスタン
- 自由朝鮮
- チェチェン・イチケリア共和国
- 西パプア共和国
- ニカイア帝国
- トレビゾンド帝国
- 自由フランス
- 西サハラ
- ビアフラ国
- 南カメルーン共和国
その他
- 「田代、田代、田代ちゃんと亡命しろ~♪」という韓国語版キューティーハニーOPの空耳がある。
- 謎のアフリカ人男性に「アフリカに亡命しないか」「このままだと怒った日本人に殺される」「監督を辞めてアフリカで農業をしよう」とアフリカへの亡命を勧められる監督がいるらしい。
関連動画
関連静画
関連項目
- 難民(国際問題)
- 戦争
- 脱北
- よど号ハイジャック事件
- キューバ
- 北朝鮮
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