彼女が好きなものはホモであって僕ではないとは、浅原ナオトの青春小説である。
概要
本作は「カクヨム」にて2016年10月に連載されたのち、大幅な加筆修正を経て2018年2月にKADOKAWAから書籍化された。ゲイである男子高校生と、腐女子のクラスメイトの交流を通し、性的マイノリティに対する偏見の存在や、「普通の幸せ」の意味などを問いかける作品になっている。
2019年にNHKでドラマ化、さらに2021年には映画化もされているが、タイトルに蔑称ともとれる「ホモ」が使われているためか、どちらもタイトルが変更されている(ドラマ版は「腐女子、うっかりゲイに告る。」、映画版は「彼女が好きなものは」)。作者の浅原自身も同性愛者であるが、タイトルに敢えて「ゲイ」ではなく「ホモ」を使用したことについては、「同性愛者をバカにしている人たちがこの本を手にすることで、マイノリティについて考えてくれることを期待する意味を込めてこのタイトルにした」と述べている。
また、2019年からは後日譚となる「続・彼女が好きなものはホモであって僕ではない」がカクヨムにて連載開始。これとミスター・ファーレンハイトの壮絶な過去を描いたスピンオフ作品があわせて「彼女が好きなものはホモであって僕ではない 再会」のタイトルで書籍化されている。
作中では純の好きなバンドとしてQUEENが登場しており、また原作やドラマではQUEENの曲名がチャプタータイトルになっている。どうせなら映画のエンドロールもQUEENの曲ならよかったのに。。。
あらすじ
男子高校生の安藤純はゲイであることを隠して生活しており、人知れず歌舞伎町のラブホテルでパートナーの誠さんと体を重ねる日々を送っている。そんな彼はある日、同じクラスの三浦紗枝が書店でボーイズラブ漫画を購入しているところにばったり鉢合わせ、腐女子であることを隠している紗枝から「誰にも言わないで」と口止めされる。これをきっかけに2人は行動をともにすることが多くなり、紗枝は純がゲイだと知らぬまま好意を寄せるようになる。
主な登場人物
- 安藤純【テレビドラマ…金子大地/映画…神尾楓珠】
- 男子高校生。同性愛者ではあるが、一方で普通の家庭をもつことにも憧れをいだいている。QUEENのファン。
- 三浦紗枝【テレビドラマ…藤野涼子/映画…山田杏奈】
- 純のクラスメイト。小5の頃からボーイズラブ漫画が好きないわゆる"腐女子"で、中学生の頃はそれがきっかけで同級生たちから無視されていた。美術部。
- 佐々木誠【テレビドラマ…谷原章介/映画…今井翼】
- 純のゲイパートナー。妻子持ちの身だが妻を愛することができず、家族には内緒で純と関係を持っている。
- ケイトさん【テレビドラマ…サラ・オレイン ※映画版登場せず】
- 純と誠が常連のカフェバー「'39」のイギリス人オーナー。レズビアン。
- 高岡亮平【テレビドラマ…小越勇輝/映画…前田旺志郎】
- 純のクラスメイト。幼馴染だが純がゲイであることは知らない。紗枝のことが好き。
- 小野雄介【テレビドラマ…内藤秀一郎/映画…三浦りょう太】
- 純のクラスメイト。亮平の親友でクラスの人気者。彼女がいる。
- ミスター・ファーレンハイト【テレビドラマ…小野賢章(声のみ)・込江海翔/映画…磯村勇斗】
- ネット上で純と知り合った大学生。純と同じくゲイであり、またHIVに感染している。純と同じくQUEENのファン。
- 純の母親【テレビドラマ…安藤玉恵/映画…山口紗弥加】
- シングルマザー。純との親子関係は悪くなく、息子の幸せを心から願っている。純の父親とは10年前に離婚した。
関連項目
関連リンク
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