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邦画とは、
のことである。
1の概要
日本での公開を目的として日本国籍保持者あるいは日本の法律に従った法人が出資した映画。
実写の場合、制作費や技術力、映画を作るにあたっての制約などからか洋画と比べるとクオリティ(特にアクション部分)で妥協せざるを得ない場合も多く一部の人からは「邦画にはアニメ(ジブリ)以外駄作しかない」と思われているがそんなことはないと思うので食わず嫌いせず色々視聴してみることをお勧めする。
歴史
1898年に日本人が監督して作られた短編映画「化け地蔵」と「死人の蘇生」が現在まで続く邦画の原点である。制作会社は富士山のロゴでご存じの松竹である。日本で初めて公開されたのは前年の1897年に海外から輸入したフランス映画だったが、この「化け地蔵」と「死人の蘇生」という2本の作品は全国を魅了した。ただし、当時は無音映画が主流でありフィルムや撮影方法も極めて初歩的なものだったため現在はフィルムそのものは残されていない。更に2本とも恋愛やアクションでもなくホラー映画という事実。ちなみに音が無い代わりに活弁士と呼ばれる言わばオーディオコメンタリーの始祖的な人が脇で解説する手段をとっていた。
その後、順調に作品は増えていき1900年代には無音映画から台詞でストーリーが進められる時代劇を中心とした作品が次々と封切られた。しかし、明治から大正、昭和と変わるにつれて当時のご時世を反映した戦争映画が生み出され、日中戦争を描いた「上海陸戦隊」や「海軍爆撃隊」といった作品が公開された。前者はドキュメンタリー映画の様に本編の流れをナレーションで説明する作風である。一応時代的にはハリウッドで作られた西部劇を題材にした映画も話題を集めていたが、国交の変化により戦意高揚を目的にした作品が作られるようになる。
そして太平洋戦争が開戦してから1年目に史上初の本格的な特撮映画として「ハワイ･マレー沖海戦」が公開された。それまで実物を用意して撮影していたのをリアルなミニチュアで代用し恰も本物であるかのように感じさせる作品で、戦後も色々な面で影響を与えることになる。しかし、戦争映画がどんどん封切られたものの最終的に松竹や東宝などの撮影所が空襲によって焼失したり俳優が戦地に征くなどして本数は減った。こうして1945年に終戦を迎えると同時に進駐軍により映画の制作に過度な制限が掛けられるようになる。そして、戦争を生き残った俳優が次々と内地に帰還する。
戦後、次第に規制されていた映画の制作が段階的に解除されると、戦前から続く時代劇や戦争映画の制作が再開された。その中で話題だったのは1951年に封切られた「カルメン故郷に帰る」である。本作は邦画初のカラー映画として公開され以後の作品に大きな影響を残した。更に1954年にはSF映画のジャンルの1つである怪獣映画の代表作である「ゴジラ」が公開された。本作は着ぐるみを使った撮影方法が斬新だと話題を集め海外でも公開されるなど話題をさらったが、実際には後世の作品と違って1作目は戦争の悲惨さという当時の時代を色濃く反映したものである。
更に、邦画業界は活況を呈して戦前からの俳優の他にも戦後にデビューを飾った俳優が多く活躍し各映画会社が専属俳優を抱えるまでになった。1950年～1966年はある意味邦画の最盛期である。この時代はまだテレビの普及が進んでおらず、映像と言えば街頭テレビや映画館でしか観ることができなかった。
しかし、ハリウッド映画が本格的に台頭し始めると映画館における興行成績は伸び悩み邦画の斜陽期とまで言われるようになった。更に各家庭にはテレビが普及するなどして映画館にいかなくても映像が見られるという常識が出来てしまい、邦画の成績は年々低下した。ただし、この時代の邦画を見ると今と比べればあり得ない程の熱が入っており今の時代に見ても面白いという事実を忘れてはならない。
その後、1980年～1990年代にかけても話題作が続々と封切られ、映像の技術も進歩したため映画館は観客動員数はある程度回復した。ある意味2つ目の邦画が熱かった時代である。ところが、この時代になるとそれまで活躍していた監督や俳優が亡くなるか引退するかしたため、技術継承の流れになるはずだったがよりにもよって斜陽期と成績低下を理由に邦画はもう盛り上がらないという間違った考えや諦めというムードが後々重大な後遺症を残すことになる。
1990年代末から2000年代になると邦画の本数は増えに増えたが、それはあまり嬉しくない代物であった。例えばアニメや漫画の実写化やテレビドラマの映画化である。これらはそれまでの邦画と比べて熱を入れずに作られた感が否めず海外公開されるのもごく僅かという有様であった(ただし出来が良かった例はある)。更に、旧作のリメイクが断続的に行われたが、お世辞にも出来が良いとは言えない代物が散見された。更に俳優や撮影技術も年々低下していった。ある意味、この様な状況こそ60年代末期に言われていた邦画の斜陽期と言えよう。実際に質の低い邦画が増えた原因として様々な理由があるが、いずれも邦画の一時代を築いてきた人達からすれば絶句するようなものが多い。
2010年代に入ると邦画は最早純粋に楽しめるのがスーパー戦隊や仮面ライダーといった子供向けの特撮が主流になり、逆にそれ以外は盛り上がらない作品という体たらくであったが(一応海外でも注目された「おくりびと」があったが、やはり派手さがないものである)2016年にゴジラシリーズの最新作である「シン・ゴジラ」が公開され久々に迫力のある作品として話題を集めることになる。
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