荊州四英傑とは、三国志に登場する人物たちの総称である。
作中に登場する用語では無く、そもそもそうした言葉が無かったために便宜上創作された言葉で、同様のものに「荊南四君主」などの呼ばれ方がある。
概要
赤壁の戦いで敗れた曹操軍が北に撤退した後、主力部隊がいなくなって空白地同然になってしまった荊州南部の四郡を預かる太守たち。
正史では劉備に降伏した事のみが記され、彼らの人物像は判然としない。
小説『三国志演義』ではこのチョイ役たちを大いに加筆・脚色し、劉備軍が連戦連勝する活躍シーンを描き出したり、後に劉備軍の将として活躍する人物を登場させるきっかけにしたり、物語を彩る一幕に作り替えた。
さらに三国志がシミュレーションゲーム『三國志』の題材となるにあたって、彼らは赤壁の戦い近辺の時代からスタートした時に劉備軍にやられる格好のかませ役として初心者プレイヤーの最初の相手となり、あるいは極めて不利な状況を覆して劉備・孫権・曹操を打倒し中国全土を統一する超上級者プレイヤー向けの最難関君主として活躍するのである。
メンバー
顔ぶれは以下の四名。より詳しい解説はそれぞれの記事にて。
並び順はおおむね二種類に大別でき、
「劉度・趙範・金旋・韓玄」で記載される場合は劉備軍にやられた順番、
「韓玄・金旋・劉度・趙範」で記載される場合は『三国志演義』でのダメ君主ぶりの順番である。
韓玄
荊州四英傑のラスボスであり、最弱キャラであり、最低の暴君であり、ゆえに最高のネタ要員である。
そのため荊州四英傑で連合軍を組む企画ではたいてい総大将となり、コーエーの三國志シリーズで彼を君主に天下を統一するのは難易度的にもネタ的にもチャレンジ精神を呼び起こされる事が多い。
老将黄忠・叛将魏延を配下に持ち、彼らは引き抜きの格好の対象に。特に魏延。
金旋
降伏を勧める部下・鞏志の進言を無視して張飛に正面から挑んで当然惨敗。
勝手に降伏を決めた鞏志に射殺され首を献じられた。
このあまりにも悲惨すぎる経緯のため、張飛と同等かそれ以下の知力にされてしまう事が多い。
劉度
万夫不当のネタ猛将、邢道栄を配下に持つ。こいつのネタ度が強烈すぎて本人は全く目立たない。
単に「部下に迎撃を命じたら負けたので降伏した」でしかなく、そのために三國志シリーズでは荊州四英傑では比較的マシな能力値を与えられる事が多い。
趙範
部下のザコ二名が趙雲に挑んで敗退、降伏を決めるが兄嫁を趙雲に勧めたためボコられる。
その後部下二名は殺されるが本人は降伏を許されたため、趙雲の潔癖さを示すエピソードの一端に使われただけの形となって、本人のネタ度は実は高くない。
劉備の前で「最初は善意でやっただけなのにどうしてここまでされるのか分かりません」と弁解する場面を与えられ、劉備もそれに「娶せてもらえるというのなら良いのではないか」と理解を示しており、彼は悪人では無く、気持ちの行き違いの不幸な犠牲者だったという比較的良い扱いを受けている。
そのためか三國志シリーズでは荊州四英傑の中では高水準の能力値に設定されている事も。
関連項目
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