『三國志』とは、コーエーから発売されている歴史シミュレーションゲームのシリーズである。
陳寿が書いた歴史書については、『三国志』の記事を参照。
概要
1985年に第1作がPC-88で発売された後、2016年までに13作が発売された。パソコン(以下、PC)だけではなく、様々な家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機に移植されている。かつては、『信長の野望シリーズ』、『蒼き狼と白き牝鹿シリーズ』と合わせて、「歴史三部作」と呼ばれていた。
古代中国の後漢末~三国時代を舞台としている。プレイヤーは、その時代の君主の中から1人を選び、ゲーム上に存在する全都市の支配(天下統一)を目指す。1人プレイ専用ではなく、複数人によるマルチプレイも可能である。また、作品によっては、一般武将や在野武将でプレイすることもできる。
ゲームで行えるコマンドは、強大な兵力を作り支配都市を増やす軍事、優秀な人材を確保する人事、兵力や人材を養うための内政、一時的に敵を減らす外交、敵を弱体化させる計略、以上5つに大別される。このうち、ゲーム進行のメインとなるのは、軍事、人事、内政であり、これら3つを行う合間に外交や計略を行っていくことになる。
武将の能力値や設定は、基本的に小説『三国志演義』(以下、演義)に準拠している。初期の作品では、『演義』の影響が強く、不当な扱いを受ける武将が多数いた。90年代の作品から、正史『三国志』の評価を部分的に取り入れるようになり、そのような武将に対して、能力値の上方修正が行われるようになった。
第1作~第5作の特徴
三國志 1985年
MSXを含む当時の主力パソコンの多くに発売。ファミコンにも移植される。PC-98版は復刻版として現在でもWindowsでプレイ可能。リメイク版としてスーパーファミコンの『スーパー三國志』、Win/Mac版の『三國志リターンズ』などが存在する。SFC版には、一騎討ちモードなどの追加要素が存在する。
- 全58国、武将数255名、シナリオ数5。
- 『信長の野望』より先に配下武将が登場した。
- 武将の能力は、武力、知力、カリスマ、運勢の4つ。運勢があるのは、初代だけである。
- 君主の能力が全体的に高い。ゲームでの袁術(武力95、カリスマ95)や董卓(武力91、カリスマ96)は、カリスマ性溢れる名君である。
- 武力90の猛将郭図、知力87の智将龐徳(ホウ徳)。
- 武将が焼死するほど火計が強力。
- 住民反乱で武将が死亡する。
三國志II 1989年
PC88SRなど多くのパソコンで発売。Windows、FC、SFC、MDなどで発売された。一部の機種には、貂蝉脱衣イベントが存在する。SFC版は、一騎討ちのグラフィックが追加され、武将の顔グラが描き直されている。
- 全41国、武将数352名、シナリオ数6。
- 外交や登用の使者を出す度に馬がマップを駆け巡る。
- 小説『吉川三国志』の影響を受けている。夏侯惇の読みが「かこうじゅん」であったり、小説のオリジナルである楊平、芙蓉姫、弓腰姫が登場する。
- 武将の能力は、武力、知力、魅力の3つ。マスクデータ(義理、人徳、野望、相性、寿命)が初登場した。
- マスクデータがランダムで決定される仮想モードが初めて実装された。
- 新君主を作成できるようになった。
- 一騎討ちを行えるようになった。本作の一騎討ちは、数字が減少するだけのシンプルなものである。
- 計略コマンドが強化され、駆虎呑狼の計や二虎競食の計、埋伏の毒などが実行できるようになった。
- 各勢力に信用度パラメータが存在し、他勢力への行為が信義にとるかどうかで上下する。君主との相性値によって頻繁に武将の忠誠度は低下するが、高い信用度はこれを大きく軽減する効果がある。
- 戦争では、守備側が有利。攻撃側は最大で5部隊なのに対し、守備側は10部隊も出撃できる。この不利を計略で打破するのが重要。
三國志III 1991年
テーマは、「従来のシリーズからの脱却・変革」。音楽は、向谷実が担当。
PC-98、SFC、メガCD、PCエンジンなどで発売された。メガCD版とPCエンジン版には、黄巾の乱のシナリオがある。ただし、張角ら黄巾賊は登場しない。NDSで発売された『三國志DS』は、本作のリメイク作で、能力や武将数の増加、ショートシナリオの追加などが行われている。
三國志III事件が起き、次作からパワーアップキット(以下、PK)が発売されるようになった。
- 全46都市、武将数532名、シナリオ数6。
- 諸葛亮死後のシナリオが初めて登場した。
- 魏や呉の武将の再評価が行われ、楽進、李典、曹真、全琮(全ソウ)、丁奉らの能力が上がった。
- 様々な新要素が導入され、シリーズの基礎が作られた。
- 攻略対象が国から都市に変更され、都市間は街道によって結ばれるようになった。
- 新君主だけではなく、新武将も作成できるようになった。
- 武将の能力に陸戦指揮能力、水戦指揮能力、政治力が加わった。戦争時の部隊の強さは、武力ではなく指揮能力に依存する。
- 武将の身分が、軍師、将軍、武官、文官の4つに増えた。軍師、将軍になるには、一定の能力値が必要。
- 公式初の女性武将(貂蝉)が登場した。配下に加えるには、特殊なイベントを起こさなければならない。
- 場所にもよるが、野戦を行えるようになった。官渡や赤壁などの古戦場が初めて登場した。
- 弩、強弩、軍馬、闘艦などの兵器が初めて登場した。
- 一騎討ちのグラフィックが強化され、戦っている場面を見ることができるようになった。
三國志IV 1994年
PC-98、SFC、PS、SSなどで発売された。PCPK版では、『信長の野望・天翔記』の武将と『水滸伝・天命の誓い』の好漢を使うことができる。NDSで発売された『三國志DS2』は、本作のリメイク作で、チャレンジシナリオやチュートリアルが追加されている。
- 全42都市、武将数454名、シナリオ数6。
- 全体的な武将数は減少したが、三国時代後半の武将が増加した。
- 内政が大幅に簡略化された。
- 南蛮、山越、烏丸、羌といった異民族が外交相手として登場する。後の作品と違い、異民族を滅ぼすことはできない。
- 新兵器として連弩、衝車、発石車が登場した。それらの中では、連弩が非常に強い。
- 武将の能力は、統率力、武力、知力、政治力、魅力の5つ。
- 武将の再評価が行われ、郭淮、于禁、徐盛、韓当、張嶷、廖化らの能力が上がった。
- 武将ごとに特殊能力(全24種類)が付与された。特殊能力の最多保持者は諸葛亮(21個)、最少は夏侯楙(0個)。武将が実行できるコマンドは、持っている特殊能力により左右される。
三國志V 1995年
Windows、PS、SS、PSPなどで発売された。NDSで発売された『三國志DS3』は、本作のリメイク作で、新しい兵器や特殊能力が追加されている。
- 全47都市、武将数500、シナリオ数7。
- 音楽は名曲が多く、評価が高い。
- 歴史イベントが大幅に増えた。
- 張角ら黄巾賊が初めて登場するようになった。IIIとは違い、全機種に黄巾の乱のシナリオがある。
- 内政と訓練の簡略化、戦争の短時間化により、テンポが格段に良くなった。
- 1ターンに出せるコマンドの回数は、名声により決定される。名声が一定まで増加すると回数が増え、減少すると回数が減る。
- 武将の能力は統率力が撤廃され、勇名と経験が加わった。武将の強さに影響する勇名は、比較的簡単に上げることができるため、お気に入りの武将を鍛えて強くすることが可能である。
- 特殊能力(全32種類)は、戦争中に使用するものだけになった。どんな武将でも6つまで習得できる。
- 各武将は、2~4種類の陣形(全12種類)を持つようになった。特殊能力と陣形は、戦争時の使い勝手に大きく影響する。
第6作~第10作の特徴
三國志VI 1998年
テーマは、「天の時、地の利、人の和」。音楽は、つのごうじが担当。
- 武将数520、シナリオ数7。
- 短時間で遊べるショートシナリオと戦術シミュレーションが追加された。
- 戦争はセミオート。プレイヤーは、各部隊に3日分の命令を与えて経過を見守る。
- 一騎討ちはコマンド制で、武将に直接指示を出せるようになった。
- 武将の能力値が、時の経過とともに変化する。
- 各武将は「王佐」、「覇権」、「割拠」などの夢を持つ。夢に反したコマンドをやらせ続けると、武将の不満が溜まり、出奔したり憤死したりする。また、武将同士で派閥を作り、派閥抗争をすることもある。
- 君主の主な仕事は、武将と会見して不満を減らすことと、夢に合わせた最適なコマンドを実行させることである。
三國志VII 2000年
Windows、PS2、PSPなどで発売された。これまではプレイヤーが操作するのは一つの勢力であったが、本作は一人の武将を操作して三国時代の世渡りを体感していくシステムとなっている。
- 武将数520、シナリオ数7。
- 君主だけでなく一般武将、在野なども選択可。
- プレイヤーが天下を統一しなくても、クリアできるようになった。
- エンディングの種類が多く、分岐条件も複雑。
- 武将の能力値は、成長することを考慮して、低めに設定されている。
- PK版には戦術シミュレーションとよばれるシナリオが計20個用意されている。
三國志VIII 2001年
- 基本的にはVIIと同じだが、より奥深くしたもの。
- 全体マップは評定でのみ表示される小さなもの。
- シナリオは無印の時点で184年黄巾の乱から234年の第1次北伐までの1年ごと、実に51本もある。PKではさらに孔明死後から蜀滅亡までの241年、249年、263年の3本およびIfシナリオ、CS版などでは「英雄集結」シナリオも追加されている。
- 戦闘が非常に長くなってしまい、だれやすいのが欠点。
三國志IX 2003年
多数のプレイ動画が上げられており、ニコニコ動画では、最も人気がある作品と思われる。
- VIIやVIIIと異なりプレイヤー武将は君主のみ。
- マップは広大な1枚絵が使われている。
- 「戦略フェイズ」と「進行フェイズ」の2つに分かれて進めていく。準リアルタイム制のようなもの。
- 戦争は進行フェイズ中に自動で行われ、自分で動かすことは出来ない。武将数名を配置して構成される「陣」が戦争の基本単位となり、配置する武将の組み合わせによって特技の発動率が変化し戦局を大きく左右する。
- ソースネクストからUSBメモリ版も出ているが、こちらは一部サービスが使えない上にPKが使えない。
- 劉禅が「3594」の語呂合わせステータスにされたのはここから。
三國志X 2004年
第11作~第14作の特徴
三國志11 2006年
WindowsとPS2で発売。タイトルナンバーがアラビア数字に変更された。
- プレイヤー武将は再び君主のみ。
- マップもIXと同じく戦争と内政が一体となった一枚マップ制に。
- 内政には「箱庭内政」が導入され、PKでは「吸収合併」という、簡素なパズル的要素も追加された。
- マップ表示が3Dになっているため、通常のプレイはさておき、プレイ動画として録画する際にはある程度のスペックが要求される。
- 糞藝爪覧(ふんげいそうらん)という伝説の武将が存在する。
三國志12 2012年
三國志13 2016年
Windows、PS3、PS4、XboxOneで発売される(ちょうど30周年の日に発売を狙っていたが案の定延期された)。のちにPS VITAとNintendo Switch版もPK同梱で発売される。
- 三國志X以来の、登場武将すべてをプレイヤーにできる「全武将プレイ」に。
- 前作で武将が減った分、今作で大幅に追加・再登場した。PK版では女性も多く追加された。
- 「信長の野望・創造」と同様の3Dマップによる都市内政と3D会戦の戦闘に。
- 武将同士の関係性がゲームを左右する「絆」システムの採用。絆を深めると義兄弟になったり、結婚できたりする。
- PK版では「威名」システムが追加。「侠客」「商人」の威名を使えば、在野身分でもシナリオクリアすることが可能。
- PK版ではイベントを自作できる編集機能が登場。自作イベントのオンライン交換も可能。
三國志14 2020年
Windows、PS4で発売される。のちにNintendo Switch版もPK同梱で発売される。
- プレイヤー武将は再び君主のみに。
- 三國志IXや三國志11と同様の戦争と内政が一体となった一枚マップ制に。
- 都市は城だけでなく複数の地域から構成され、各地域ごとに収入が得られるため、地域を奪って相手の収入を減らすこともできるようになった。
- 兵站の概念が生まれた。兵站が切れると士気が低下するほかに状態異常にもなるため、いかに兵站を維持するかも重要になっている。
- 内政は各地域に担当官を任命する形式に。誰も任命しないと治安や開発度が低下するため、特に武将数が少ない末期シナリオでは黄皓や岑昏のような能力の低い武将でもいないよりはマシということも。
- PK版では異民族やユーラシア諸国との交易、地の利システムが追加。イベント自作機能も前作に引き続き追加される。
三國志プレイ動画について
三國志はコーエーから発売されている『信長の野望』シリーズ、『太閤立志伝』シリーズと合わせてニコニコ歴史戦略ゲーの本流である。ニコニコ動画では信長の野望シリーズと同様、プレイ動画が多く上げられている。そのなかでも人気なのは三國志9、それに三國志11が続く形となる。
当然の事ながら、三國志は1回クリアするだけでも相当の時間を必要とするものであり、それを動画化するに当たってはマイリストを使った連載シリーズという形を取ることになる。
ちなみに08年12月末の時点で、三國志プレイ動画は単発で終わったもの・削除されたものも含めると300シリーズを突破している。 詳細は以下のマイリストや関連項目にある歴史戦略ゲーwikiの投稿史を参照。
ニコニコ動画の三国志プレイ動画では大きく。『普通にプレイ』『キャラ差し替え』『iM@S架空戦記シリーズ』の三種類に分けることができる。以下にそれぞれの概要を述べる。
普通にプレイ
普通にプレイとはキャラ差し替えなしで既存武将プレイか、あるいはゲーム内の既存グラで作った新規武将プレイのこと。(アニメ色のない三国志プレイ動画)
γ時代に隆盛を誇った一群。数多くのネタプレイや伝説を作ったシリーズである。主なシリーズに「三國志Ⅳで中国征服してみる」(通称イナゴ)、「劉備でプレイ」などがある。キャラが既存であるためプレイで魅せなくてならず、ネタプレイも多く存在する。特にイナゴはお前はほんとに人間か!?というほどのプレイ内容を誇った。
iM@S架空戦記シリーズ(後述)などのような架空キャラが混ざらない、普通のプレイ動画の需要は決して少なくないが、どうしても再生数やコメ数が伸び悩む傾向にあるようだ。
キャラ差し替え
アニメ・ゲームキャラ差し替え三國志プレイとは、 何らかの理由で三国志の時代に流れ着いてしまったキャラたちが何者かによる『三国統一すれば帰れるよ』という情報に従って中華大陸を征服していくシリーズである。
普通にプレイに比べて、キャラ同士の掛け合いなどの会話パートが入り、よりストーリー性が重視される傾向にある。もちろんネタプレイも多数存在している。
参戦作品は多岐におよび型月、うたわれるもの、ランスなどもともと戦闘向きの作品や、戦争から縁遠いはずのARIA、マリア様がみてる、あずまんが大王なども参戦している。その中でも最大の出演数を誇るのはやはりニコニコゆえだからか、東方である。
この項については後に詳しく記述。
iM@S架空戦記シリーズ
アイドルマスターのキャラを登録したシリーズ。他のジャンルとの重複あり。
キャラ差し替えの中でもアイドルマスターのキャラを差し替えているとそれは三国志動画であると同時に、別のカテゴリであるiM@S架空戦記シリーズにも分類されることになる。むしろiM@S架空戦記側に比重が置かれ、三国志動画関連のスレなどではあまり話されることはない。こちらでは動画のうp主同志の交流も非常に盛んである。通常の差し替え系と違ってアイマスという共有できるものがあるせいだろう。
また、通常のキャラ差し替えシリーズ以上に物語重視のものが多く、ゲーム画面を舞台装置としてのみ使っている場合も存在する。もちろん、きっちり戦争している動画も多数存在している。現在ではiM@S架空戦記は三國志のみに留まらないジャンルなので詳細はそちらの項目参照。
ちなみに、三國志プレイ動画、およびその周辺では架空戦記=iM@S架空戦記という意味で使われることが多いので注意が必要。
三國志系のiM@S架空戦記で有名なのはやはり先駆けとなった「閣下で三国統一を目指してみる」(通称:閣下三国志)「曹操がプロデュース業を始めたようです」(通称:17歳)あたりだろうか。特に閣下三国志はiM@S架空戦記の中でも先駆けである。
キャラ差し替え動画の変遷について
いまや三国志動画のメインともいえるこのシリーズの変遷を大きな影響を与えた動画と共に振り返ってみる。
その先駆けとなったのは07年6月の「ひぐらしのなく三国志」(通称:ひぐ三)。「ひぐらしのなく頃に」の部活メンバーが三国志世界にて元の世界に戻るために戦うシリーズ。このシリーズではキャラ同士の会話や敵とのやり取りが挿入され(紙芝居と呼ばれる)、ゲームプレイパートと同じくらい、あるいはそれ以上に会話パートを楽しみにする視聴者も現れ始めた。そのような人の期待にあわせる形でこれ以降のシリーズでは紙芝居を入れるのはもはや常識になった感がある。
「ひぐらしのなく三国志」に続いて大きな転換を与えたのが7月の「新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~」(通称:ニート三国志)である。「複数の作品が三國志ゲーム内でクロスオーバー」「プレイヤーの分身ともいえる無能キャラが君主」「紙芝居の多用とそれにあわせたゲーム展開」「敵側が有利になる逆チートの導入」「東方キャラの登場」など、後のシリーズに与えた影響を上げていけば切りがない作品である。 はじめてこの系統の動画を見る人にもぜひ見ていただきたい作品でもある。
2007年夏は、ひぐ三やニート三国志の影響を受けて、シリーズは増え続けていたがその陰ではまた多数のシリーズが討ち死にしていった。しかし、一度動き出した流れをとめることはできず、様々な試みも行なわれていった。その例として三國志はここまで改造できるんだということを見せてくれた「FFT三国志Ⅸタクティクス」、多数の登録キャラを出して混沌としているのに既存の武将が主力だった「劉度が歴史を修正するようです」、ドMの頂点を極めし「魏国が東方勢にもっこもこ」などが生み出されていった。しかし、そのような中で関☆羽を生み出してしまった「八雲藍変態記」の悲劇は忘れてはならない。
さて、多数のシリーズが出揃う中で東方キャラを登録したシリーズも増えていった。数多くいる東方キャラの中で、一番目立った働きをしたのは主人公である霊夢や魔理沙でも、最強クラスのステータスを設定されたラスボスでもなく、⑨として登録されていたはずのチルノであった。いつしか『チルノには数値に現れない補正のようなものがある』というのが視聴者の間でひそかな噂として広まっていった。最初にこの現象が確認された「霊夢の旅日記~三国志Ⅹ暴走録~」ではプレイヤー勢力・曹操軍と並ぶ三大勢力にまで成長したほどである。
そして9月に入り、その噂が真実となって現れたのが「チルノ放浪記」である。
放浪記において、チルノは武力は中の上、知力は下の下レベルのキャラでしかない。しかし、君主として自分の何倍もの強さを誇る東方ラスボス勢やうたわれるもの勢を次々下していったのである。ここにおいて「チルノ補正」「チルノ=カリスマ君主」が完全に確立した。
11月になると、さらに混沌具合を増した「劉度が歴史に挑戦するようです」
出オチ顔芸サムネに定評のある「君主は陶濬」
そのむちゃくちゃさが“ふりーだむ”の一言で片付けられてしまう「呂布の逆襲」
セルフコメント字幕他演出に定評のあった「フカヒレの野望」などが続く。
ところで、チルノ補正が視聴者に広まる中でそれにあわせるかのように別の噂も広まっていった。その噂とは「レミリアにはマイナス方向の補正が存在する」というものである。先に上がっている「チルノ放浪記」や「君主は陶濬」においてチルノが補正を全開にしている中、レミリアは能力は一流なのに全く活躍できなかった。視聴者の中には「レミリアはチルノにカリスマを奪われた」という認識が広まり、以降もお嬢様涙目の展開が続くことになる。
そんな中、その逆補正を打破しようとレミリアが主人公の新シリーズ「~最近のお嬢様にカリスマが足りない・・・と思う~」が開始された。
しかし、このシリーズにおいてもやはりチルノ補正のほうが目立ってしまい、レミリアとうp主は涙目になったとかならないとか。この時期において『レミリア逆補正』も完全に確立してきた。以降現在に至るまで『チルノ補正』と『レミリア逆補正』は猛威を振るい続けている。
また、単語として認知される程ではないが、キャラクターが活躍する状況に応じて「○○補正」というコメントが散見される。これは補正といったある種の「意外性」を孕むものに限らず、性能を鑑みるに妥当であっても使われる。
ある種お約束のようなものである。代表的なのは紅美鈴の「地元補正」。これは彼女のキャラクター的に、性能が手駒として使いやすいものになりやすく、安定した活躍をする事から。彼女が中華服を纏い渾名が「中国」である事が「地元」の由来。他にも蓬莱山輝夜が拠点を守り活躍すると「自宅警備員の本気」といった趣旨のコメントが付けられ、活躍の度合いによってはタグが付けられる事もある。これは彼女が「自宅警備員(NEET)」という二次設定が由来。他にも類似する補正は状況に応じて使われている。
07年12月から08年1月にかけてはまた別の方向からのアプローチも始まった。
よく練られたアツいストーリーに定評のある「幻想三国志」
弱小武将が力を合わせて闘う姿が涙を誘う「軍師黄皓の憂鬱」
改造の度合いがすさまじい「なのはさんが幻想郷に迷い込んだ様です」
全シリーズの中で最大のダメージインフレを引き起こした“テラふりーだむ”「呂布の復讐」
国民的RPGを題材とした「ドラゴンクエスト三国志Ⅸ」などは覚えておきたいところである。
2月から3月にかけても新シリーズは続々開始されたが、4月に入ると季節の変わり目だったせいかHDDの討ち死にが多発した。そのまま打ち切りになるシリーズもあったのは非常に残念であった。
この時期にはじまった作品の中で注目すべきはちりも積もれば粗大ごみ「101匹阿斗ちゃん」あたりか。
個別記事があるシリーズ
関連用語
関連リンク
- ニコニコ動画 歴史戦略ゲープレイ動画まとめwiki
ニコニコにおける三国志・信長の野望その他プレイ動画のまとめサイト - iM@S架空戦記補完wiki
- iM@S架空戦記紹介wiki
三国志を含むiM@S架空戦記まとめwiki(三国志以外のゲームもあります)
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