虚構王アンフォームド・ボイドとは、アニメ「遊☆戯☆王ゼアルⅡ」に登場するカードである。
概要
皇の鍵の中で行われた試練で、影の巨人が使用したランク4のモンスター・エクシーズ。相手ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、相手フィールド上のモンスター・エクシーズの攻撃力の合計分、このカードの攻撃力をアップさせる効果、このカードが攻撃する場合、相手モンスターの破壊無効効果を無効にする効果を持つ。
遊馬とのデュエルで登場。
「バブル・ブリーダー」3体をオーバーレイ・ユニットとしてエクシーズ召喚した。
その後、遊馬が「No.6 先史遺産-アトランタル」と「No.61 ヴォルカザウルス」を展開した際、このカードの効果を発動、その攻撃力の合計5100分を吸収し、その後アトランタルを攻撃して破壊した。
フィールド魔法「オーバーレイ・ワールド」に守られたこのカードを破壊する手段のない遊馬とアストラルは守勢に出たが、影の巨人は再びこのカードの効果を発動、ヴォルカザウルスの攻撃力を吸収し、攻撃力7600となってヴォルカザウルスを攻撃、破壊した。
遊馬はもう後がなかったが、アストラルがNo.96を解放したことで、「No.96 ブラック・ミスト」がエクシーズ召喚される。「バトル・リスタート」と組み合わせて2度もブラック・ミストの力を使用されたことでこのカードの攻撃力は1900、ブラック・ミストの攻撃力は5800となり、ブラック・ミストの一撃を受けて撃破された。
影の巨人のライフは0となり、役目を終えた巨人は消え、遊馬たちはアストラルの真の記憶へと向かう扉の前に立った。
影の巨人の説明では、攻撃力吸収の効果は「相手ターンに1度」としか説明されていないが、ブラック・ミストの攻撃力を吸収していないことから、後述のOCGと同様に相手メインフェイズにしか使用できないものと思われる。
攻撃力を吸収する効果を使用した際は、中央にある赤い穴からモンスターの姿をとり込み、左右の目玉がいくつも集まってそのモンスターの姿となる(ただし、モンスターの色が異なる)。攻撃の際は、吸収したモンスターの姿が、そのモンスター本来の攻撃方法で総攻撃を仕掛ける。
OCG版
「コレクターズパック ZEXAL編」(2013年8月10日発売)でOCGに登場。
エクシーズ・効果モンスター
※「コレクターズパック ZEXAL編」収録のカード(CPZ1-JP041)による
ランク4/光属性/水族/ATK 0/DEF 0
レベル4モンスター×3
相手のメインフェイズ時に1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力・守備力は、
相手フィールド上のエクシーズモンスターの攻撃力を合計した数値分アップする。
破壊無効を無効にする効果は削除されたが、これは元々アニメ版ナンバーズの戦闘破壊耐性に対処するためのもので、OCG版ナンバーズにはこの耐性が存在しないため、変更は妥当なものだろう。それ以外はほぼそのままOCG化された。
効果は相手のエクシーズモンスターの攻撃力の合計分を攻守に加算するもの。
当然、相手がエクシーズモンスターを使用していなければ意味がない。また、1体しかいない場合は相打ち分の攻撃力しか得られないため、2体以上いるときに効果を使いたいのだが、相手に2体もの展開を許すような劣勢の状況下で、こんなカードを出している余裕はあまりない。さっさとそれらモンスターを除去するなどしなければ、一気に攻め込まれて敗北が待っているだろう。
また、折角このカードを出しても、攻撃力上昇は相手ターンまで待たなければ使えない。実質出したターンは何もできないことになる。わざわざ1ターン捨てて攻撃力上昇を待っているよりは、「No.91 サンダー・スパーク・ドラゴン」などで邪魔なエクシーズモンスターを一掃してしまったほうが手っ取り早く、相手に猶予を与えないため確実。
仮にうまく攻撃力を上げられたとしても、効果で破壊するなどして対処された場合は全て水の泡となってしまう。
効果を相手に知られずにプレイできるアニメならともかく、全てつまびらかにしなければいけないOCGでは、このカードを出した時点で効果は丸わかりであるため、不意を突いて攻撃力を吸収するなどという手段も不可能であり、相手はさっさと効果で除去するか、それができないならエクシーズ召喚せず、素材モンスターでこのカードを攻撃したメインフェイズ2にエクシーズ召喚するだろう。
相手に除去されず、相手フィールド上にそれなりに高い攻撃力のエクシーズモンスターが(できれば2体以上)存在する状況であれば使いようはあるが、なんら耐性のないこのカードを守るのは容易ではない。このカードにしかできない芸当というものもなく、同じ素材からいくらでも汎用性の高いエクシーズモンスターが呼び出せるため、わざわざこのカードを採用する意義はほぼないと言ってよいだろう。
破壊耐性は「エクシーズ・トライバル」などで得るにしても、肝心の攻撃力のほうは、相手にせっせとエクシーズモンスターを並べてもらわない限り、どうしようもない。最悪「薔薇の刻印」等で自分から相手にエクシーズモンスターを渡すという手もあるが、そんなことをするくらいならこのカードを相手に送りつけてやったほうがいい。「No.30 破滅のアシッド・ゴーレム」のような相手に渡してメリットのあるカードならまだましかもしれないが、このカードと共存させるのは困難だし、そのメリットもあまりない。
このカードを使いこなすという試練を乗り越えれば、試練は汝を強くするであろう。多数は乗り越える前に打ち砕かれそうだが。
光属性・水族というかなり珍しい組み合わせ。「異形の従者」以来約11年ぶりである。
英語名では「虚構王」に当たる部分が削られた「Unformed Void」となっている。
アニメ版の「RR-ライズ・ファルコン」は特殊召喚された相手モンスターの攻撃力合計分だけ攻撃力を上昇させるという、このカードのほぼ上位互換となる効果を持っていた(しかも自分のターンに使え、特殊召喚されたモンスターへの全体攻撃持ち)。OCGでは1体分しか上昇できなくなり弱体化したが、それでも効果の即効性や豊富なサポートから、実用性はこのカードと比べるべくもない。
あまりにもあんまりな能力のためか、ネットの一部では「ボイド様」と呼ばれることもあり、逆にネタとしての人気を得てしまった。ただし、いわゆる「産廃」扱いなので人を選ぶネタであり、使用には要注意。
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