速水龍一とは、森川ジョージのボクシング漫画『はじめの一歩』の登場人物である。
概要
インターハイ三連覇を達成し無敗のまま鳴り物入りでプロデビューした。ルックスもイケメンで学生時代からマスコミのインタビューを受けており女性ファンも多い。マスコミを前にしてビッグマウスを連発し、相手を舐めるようなファイトをすることから一見才能に胡座をかいた傲岸な傲慢の様に見えるが、その実は低迷する日本ボクシングをメジャーにするために、自らカリスマになるべく基礎練習を地道に繰り返す努力家でもある。ただしアニメでは速水の日本ボクシングを盛り立てるという夢や練習熱心な様子がカットされたために単なるイヤミなエリートとして描写された。
本編では単行本五巻で初登場。東日本新人王の準決勝で主人公の幕の内一歩と対戦した。宮田一郎と共に優勝候補筆頭だったが、一歩のカウンターブローによって足を殺されてしまい、そのまま殴り合いの持ち込まれ1RKO負けしてしまった。その後はヴォルグの練習の解説役だったり、一歩のスパークリングパートナーが登場したときに「音羽ジムの速水相手に判定までいった奴だ」などと比較対象にされたり(なお一歩はその相手から1Rでダウンを奪っている)、カラオケのイメージビデオに登場したりと、良い扱いとはいえない存在と成り果てた。
しかしそれでも流石というべきかジュニアフェザー級に転向してランキング一位を奪取。チャンピオンの真田一機がベルトを返上した際に、同じく一歩に新人王の時に負けてジュニアフェザー級2位だった小橋健太と王座を奪って対戦。新人王の時に小橋は「勝てる糸口さえ見つからなかった」と言っていたのだが、その後差は縮まったのか試合は実力伯仲の接戦となる。最終的に小橋のワンツーパンチが速水のアゴを貫き8RKO負けを喫する。
その後、小橋が引退する時点で速水も引退していることが判明し、人知れず現役ボクサーを退いていた。天才ともて囃されたデビューから一転し結局大成することができなかった速水は、ボクサーの輝かしい成功だけでなくそれに隠れた挫折をテーマにするはじめの一歩において読者に印象を残した。
ファイトスタイル
豊富な練習量を背景にした華麗なアウトボクサー。足の速さとハンドスピードは当時の宮田一郎をも上回っていると評価されている。とりわけ左右の高速連打、通称「ショットガン」は速水の代名詞にしてサンデー(得意)パンチである。新人王二回戦で見せた27連発のショットガンはベテランボクシング記者の藤井をして見えなかったと言わしめた。ボクシングにおいて目の前に対峙している対戦相手ならともかくビデオですら見えないパンチというのは極稀であり、アニメやゲームでは原作通り見ることすらできないパンチを連発している。リアルなボクシングが中心であった初期のはじめの一歩において珍しいトンデモボクシング技である。
基本的にはアウトボクサーであるがインファイトも高いレベルでこなす応用力も持っている。インファイターを相手にするのを得意とし、一歩に負ける前まではインファイターと対戦した場合のKO率は100%。左のショートアッパーで飛び込んできたインファイターを迎撃してしまうのである。しかし一歩に負けた際の後遺症でアゴが極めて弱くなっているという弱点も持っている。
ファイトスタイルのモデルは元ジュニアライト、ライト、ジュニアウェルター級世界チャンピオンのヘクター・カマチョ。恐ろしいスピードのジャブとコンビネーションを武器にして世界の頂点に立ったボクサーである。
関連動画
関連項目
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