THE KING OF FIGHTERS '97はSNKより発売された対戦型格闘ゲームである。
概要
KOFシリーズの4作目。今作を持ってオロチ編のストーリーが完結する。
『'95』のシステムを基にしたエクストラモード、『'96』のシステムを基にしたアドバンスドモードの2種類のゲージシステムをはじめ、超必殺技の暗転演出が追加されたり今でこそ基本システムとなった空振りキャンセル(以下空キャン)などが登場したのも本作が初である。
今作はテレビ中継とLIVE感をコンセプトにしており、BGMが環境音のみと非常にサイレントな仕上がりになっている。これは新キャラクターやボスステージのスプライトに容量が圧迫されてしまい、苦肉の策としてこのような仕様にした事が当時の公式ムックやゲーム雑誌で語られている。京やアテナなど一部のキャラクターとの対戦時のみ専用BGMがかかる。
ゲームバランスの面では、新導入された空キャンを絡めての永久など即死コンボが溢れており、稼動してすぐに判明した隠しキャラクター5人のうちの1人である暴走庵(ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ)があまりにも強すぎるせいで非常に劣悪とした対戦環境となっていた。そのため、当時の店舗大会などでは一部の空キャン永久や山崎の砂かけハメ、暴走庵は使用禁止となっていたケースが多い。詳しくは後述。
中国では広く普及しているタイトルであり、近年KOF最新作の国際大会で活躍している中国勢も『'97』勢が少なくない。対戦ツールとして完成度が高いとはいえないゲーム故にローカルルールが発達しているらしい。
2018年にはオンライン対戦機能を搭載した『THE KING OF FIGHTERS ’97 GLOBAL MATCH』がPS4/PSV/Steam(PC)の3機種で配信を開始した。
『'96』からの変更点
2種類のゲージシステムの導入
『'95』のシステムをベースにしたパワー溜めと瀕死時超必殺技が無制限に撃てるエクストラモードと、現在のKOFの礎ともなる『'96』のシステムをベースにした攻撃をする事でパワーゲージが自動で溜まるアドバンスドモードの2種類から選択が可能になった。
空振りキャンセルの導入
今でこそ当たり前の仕様になった空キャンも今作が初登場となる。この仕様の登場によって「とにかく上空から相手を組み伏せる」バッタ戦法一辺倒の戦い方から一転、地上戦での駆け引きが生まれ、ゲーム全体の立ち回り方に多大な変化をもたらした。
暗転の導入
こちらも本作が初登場。これによって、前作では完全に死に武装となっていた超必殺技がコンボに組み込めるようになり、ゲーム全体の火力が向上。ゲームスピードが劇的に速くなった。
参戦キャラクター
主人公チーム | ||
---|---|---|
草薙京 | 二階堂紅丸 | 大門五郎 |
餓狼伝説チーム | ||
テリー・ボガード | アンディ・ボガード | ジョー・ヒガシ |
龍虎の拳チーム | ||
リョウ・サカザキ | ロバート・ガルシア | ユリ・サカザキ |
怒チーム | ||
レオナ | ラルフ | クラーク |
サイコソルジャーチーム | ||
麻宮アテナ | 椎拳崇 | 鎮元斎 |
女性格闘家チーム | ||
神楽ちづる | 不知火舞 | キング |
キムチーム | ||
キム・カッファン | チャン・コーハン | チョイ・ボンゲ |
ニューフェイスチーム | ||
七枷社 | シェルミー | クリス |
'97スペシャルチーム | ||
山崎竜二 | ブルー・マリー | ビリー・カーン |
チームエディット専用 | ||
八神庵 | 矢吹真吾 | |
隠しキャラクター | ||
'94 草薙京 | ||
ボスキャラクター | ||
乾いた大地の社 | 荒れ狂う稲光のシェルミー | 炎のさだめのクリス |
ツキノヨル オロチノチニクルフイオリ |
ヤミノナカ オロチノチニメザメルレオナ |
オロチ |
主な強キャラ
テリー・ボガード
空キャン永久の代名詞。画面端での屈A→空キャンパワーチャージでお手軽永久ができる。
そもそも、そのパワーチャージが今作では良発生・強判定・当てて微有利という非常に高い性能のため画面端へ追い込む力も高く、ヒット後はライジングタックルやパワーゲイザーで追い討ちが出来るため火力も十分。空キャン永久が禁止された環境下においても高いポテンシャルを持っている。
山崎竜二
砂かけハメで数多くのプレイヤーにリアルに灰をぶっかけたであろうキャラクター。
砂かけハメは難しいと巷では言われているが、それは次回作『'98』の話であり、今作ではコマンド受付猶予時間の長さや簡略コマンドなどの仕様もあって練習すれば実践で使いこなせる程度には容易である。キャラ自身の性能は悪くはないが、砂かけハメが禁止されると他の純粋な意味での強キャラには一歩劣る。
ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ
上述した2名と異なり、性能だけでトップを張れる純粋な強キャラの1人であり、速い挙動と小ジャンプ級の軌道の通常ジャンプによる奇襲性がウリ。特にJC→近C→闇払いだけで全キャラを固められるという驚異的な固め性能と、崩しの屑風というえげつのない攻めの択で多くのプレイヤーにトラウマを植えつけた。
ブルー・マリー
緩い挙動ながら崩しに使えるM.スパイダーをはじめ、優秀なコマンド投げと打撃技の双方を持ち合わせている万能キャラ。後の作品でM.スパイダーとバックドロップ・リアルが派生専用技になったのは大体今作のせい。また、バーチカルアローの派生技であるM.スナッチャーが特殊追撃判定(なんでも判定)のためこれを絡めての火力が高く、通常技も優秀なものが揃っているため性能自体が非常に高い。
M.ダイナマイトスウィングの2HIT目のみを当て、その直後に投げ属性の技を使用する事でノックバックが消失する通称浮遊バグが存在するが、狙って出せるものではなくプレイヤーの手で回避もできるため禁止になる事はない。
関連動画
関連項目
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