草薙京とは、SNKの格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS」(以下KOF)シリーズの登場キャラクターである。
『KOF'94』~『'98』の主人公。以降もシリーズに皆勤している他、『カプエス』、『ネオジオバトルコロシアム』など色々なゲームに客演している。
概要
『餓狼伝説』のテリー・ボガード、『龍虎の拳』のリョウ・サカザキと肩を並べるSNKの看板キャラクター。
草薙流古武術という、草薙の一族の血を引く者のみが使う特殊な炎を使って攻撃するというまったく新しい格闘技の使い手である。草薙家はオロチと戦う三種の神器の一角であり、草薙の剣の力を持ち、「祓う者」の役割を担っている。
同じく三種の神器の一角であり、家同士の因縁がある八神庵からはその命を執拗に狙われており、非常に鬱陶しがっている。『'97』からは追っかけ弟子の矢吹真吾までも登場しており、ストーカーライバルや愉快な仲間達には事欠かないようである。
性格
自信家で倒した相手に皮肉を言ったりするなど口の悪いところはあるが、主人公らしく熱いところもあり、やるときにはやる男。嫌いな物は「努力」だが、そう言いつつ『'96』のストーリーではゲーニッツに敗れた屈辱を晴らすために“無式”を習得するなど、努力をしないわけではない。
趣味は詩作だが、一方で技名にR.E.D.KicK(レインボーエネルギーダイナマイトキック)とつける卓越したネーミングセンスを持つ。また高校を留年している為、『MIA』で登場した溝口誠に親近感を持たれている。留年しているからといって別に頭が悪いわけではないようだ。むしろ、武者修行だのネスツによる拉致だの、その辺のせいです。
生い立ち
三種の神器の一角を担う“祓う者”であり、草薙の剣の力を持つ草薙一族。草薙一族の先祖は1800年前にその力を以ってオロチを破っている。
京はその草薙一族の末裔であり、現当主。家族に父であり草薙家前当主の草薙柴舟、母の草薙静、親戚に従兄弟の草薙蒼司と草薙葵がいる。京は15歳の時に父・柴舟を超えてあっさり草薙家の当主になった、という過去がある。但し京は父が草薙家の使命から逃れるためにわざとそうしたのではないかと疑ってもいる(それほど使命が億劫だと言う事でもある)。
その父親の柴舟とはストーリーや掛け合いで何度か関わっている。『'94』ではルガールに負けて血まみれになった親父を発見したものの、ルガールとの戦いのため放置。ルガールの自爆により沈没する船から救出できなかった。『'95』ではルガールに気まぐれで救出・洗脳され中ボスとして立ちはだかった親父と再会。やむなく親父を倒し、つかの間の感動を得た後にルガールを倒すも、またしても親父を放置。一応フォローなのか「親父があの程度で死ぬわけが無い」とは言っている。実際、草薙親父(柴舟)はやっぱり生きており、いつの間にか自力で脱出していたりする。このとき親父はオロチとの戦いを予感して京に「強くなれ」と気にかけているなど、美しき親子愛が垣間見えた。
しかしその後の『'96』『'97』でのオロチとの戦いは京ばかりが担い、親父は『'98』での再登場まで一切登場しなかった。『'96』ではゲーニッツとの決戦の舞台(の背景)にもいたのだが、戦闘時には他の観客共々消えてしまっている。
そのせいで京は機嫌を損ねたのか、久々の対面となる『'98』では親父からの掛け合いを一方的に無視。『'98』のギャグ小説では静とのノロケ話をしたばかりに親父仲間に見捨てられ、実の息子の京にはこれまでの不満を洗いざらいブチ撒けられた挙句、完膚なきまでにフルボッコにされた。いとあはれ。
ストーリー上の活躍
オロチ編
『'94』では日本チーム(大門五郎、二階堂紅丸)の1人として出場。エンディングの「2度目の留年が決定する」描写はある意味衝撃を与え、これ以降も年号が進むたびに留年回数も加算されるなど散々ネタにされた。
『'95』ではルガールを倒し、彼が求めたオロチの力を改めて知る。
『'96』では大会前に野試合でゲーニッツに敗れ、再び修行して最終決戦奥義「無式」を習得、再戦の末ゲーニッツを倒す。但しその無式は『'97』まで未実装となった。この大会での活躍を目にした真吾が後に弟子入りしている。
『'97』ではオロチを倒し、使命を果たす(草薙京、八神庵、神楽ちづるで組んでラスボスを倒すと…)。
ネスツ編
『'99』ではオロチ戦直後にネスツに拉致され、監禁。草薙京のクローンが大量生産される。
後に脱出に成功するも、実験の影響で全力で炎が出せなくなり、無式が使えなくなってしまった。アーケードでは隠しキャラ扱いだが、この設定のためか性能まで弱体化している。それまでの学ラン姿から私服にコスチュームチェンジしているが、スタッフによればこの服は脱走の際にパクったらしい。
『2000』では通常キャラだがチームを組んでいない。八神庵、草薙京、他2名でチームを組むと特殊エンドになり、京の彼女「ユキ」が回想で現れる。ちなみに、庵ストーリーではユキが庵に助けられている。
『2001』では日本チームが復活。大門、紅丸と再びチームを組む。4人目はついでのように矢吹真吾である。
アッシュ編
『2003』では神楽ちづるの誘われ正式に三種の神器チームを組むが、裏にはちづる(と庵)の力を奪う陰謀があり、彼女から力を奪ったアッシュ・クリムゾンに憤る。
『XI』ではちづるの頼みにより真吾、庵とチームを組む。だが、オロチの封印が解けかかったことで庵が暴走、真吾共々叩きのめされ、隙をつかれてアッシュに庵の力を奪われる。
『XIII』では再び日本チームを結成。無関係の黒幕を倒した後は「どうしてこいつらの面倒までみなけりゃならない」と苛立ちをぶちまけている。ちなみにキム・カッファンとの掛け合いで結局高校を卒業していない(休学したまま復学していない)ことが判明した。
現シリーズ
『XIV』では、ラスボスのバースの復活によりオロチが不完全に顕現、今にも消滅しそうなオロチを容赦なく再封印する。まともに協力し合う三種の神器が初めて描かれた。
担当声優
その他
- カプエスではライバルキャラとされるリュウと掛け合いがある。
- 「KOF京」では大阪に住んでいる設定だが、大阪弁は喋らない。ちなみにこのゲームでは京の母親の草薙静、京の従兄の草薙蒼司、蒼司の妹の草薙葵の3人の血縁者が登場している。
- ネオジオポケットの「頂上決戦最強ファイターズSNK VS.CAPCOM」でアテナと組んでクリアすると「りゅうねんコンビ」というエンディングになる。またリュウと組むと「さいきょうファイターズ」のエンディングになる。
- SNK第2スタジオでプロデューサーを務める山本圭氏をモチーフにしてデザインされたらしい。
性能
『'94』『'95』では地を這う飛び道具の闇払い、対空技の鬼焼き、空中に飛びながら回し蹴りを放つ朧車を持つ波動昇竜タイプのキャラクター。
『XII』と『XIII』(表版)はこちらの性能に戻っている。
『'96』以降は闇払いが削除され、打撃技の荒咬み、毒咬みからの派生技で近距離でラッシュをかけるテクニカルなキャラクターに変化した。
- 『'95』では浮かせ技の二段蹴り七拾五式・改が追加されたが、この技で超お手軽な即死連続技を持っており、それを差し引いてもガーキャン有利なシステムと弱強すり替えバグの恩恵を受けた結果ラスボスのオメガ・ルガール以上の性能を得てしまい、バランスブレイカーになってしまった。
- 『'97』では強力な超必殺技「最終決戦奥義・無式」が追加された。
- 『'98』では屈B→屈A→無式と繋がり大凡4割ほど奪えるお手軽コンボを習得し、その他の技の性能も良く最強キャラの一角に返り咲いた。エキストラモードだとフロントステップから奈落落としが直接決まり(当然中段判定)、ガークラ→奈落落とし×nと実質永久連続技となるが、大会では禁止される事が多い。リメイク(アレンジ)版の『'98UM』ではフロントステップから技が出せなくなり不可能になった。
- 『'99』では超必殺技の発生が遅くコンボに組み込みづらくなり、以前と比べ爆発力は落ちてしまった。
- 『2000』では火力が向上し、技の発生も早くなるなど強化された。
- 『2001』『2002』では通常技の隙が大きく、火力も非常に低い。特に『2002』ではどこキャンの恩恵を受けるにも関わらず最弱キャラに落ち込んだ。
『2002UM』では火力の向上や隙の減少で改善している。 - 『XI』では『'96』の性能に加えて「闇払い」が復活し、飛び道具も使えて派生も出来ると強化を受けた。
- 『XIII』家庭用ではDLCキャラクターとして『'96』以降の仕様でネスツ編コスチュームの「ネスツスタイル京」が配信された。しかし無式はあるが「百八拾弐式」や「轢鉄」等が無く、性能自体はほぼオロチ編の仕様となっている。
- 『XIV』では『'96』以降の仕様に戻った。初めて荒咬みに下段判定の派生が追加され、八錆の中段判定が生かせるようになった。
クローン・その他
『'96』で技のラインナップが大きく変化したため、『'97』では『'94』性能、『'98』では『'95』性能というように裏性能キャラクターが多く登場した。以下は設定上別人であるキャラクター。
京-1
『'99』と『2002UM』に登場。ネスツに作られた京のクローン。通称メロ。性格は落ち着いている。性能的には『'95』の京に近いが、琴月が無く技の隙がでかい。趣味は「技のアレンジ」で、本家の京にないオリジナル技や、見た目は同じでも性能が大きく異なる技を持つ。『'99』では弱キャラだが、『2002UM』で火力がアップした。
京-2
同上。通称ホキ。性格は生意気。性能的には『'96』以降の京に近い。ネスツのミスで「R.E.D.KicK」を「R,E,Dキック」と間違って覚えている。趣味は「技のコピー」で、持ち技は本家の京とほぼ同じ。『'99』ではオリジナル技すらないが、『2002UM』では超必殺技1つとMAX2にオリジナル技が追加された。
クローン京、KUSANAGI
『2002(UM)』と『2003』に登場。『2002』がクローン京が正式名称(ディスプレイネーム及び通称がKUSANAGI)で『2003』はKUSANAGIが正式となっている。『2002UM』では上記2名もいるためかクローン京(KUSANAGI)となっている。
目が赤く、性格も獰猛。『2002』では「AKIRA」の登場人物である金田少年のオマージュが見られるところが結構ある。『2002』では上記2名と同じく京のクローン。『2003』および「KOF SKY STAGE』では「神楽ちづるの生み出した幻影」という設定。
立ち回りが安定しやすい『'95』タイプだが、当て身の鵺摘みがあるため防御面も充実しており扱いやすい。初出の『2002』では別人設定にも関わらず通常京と択一の裏キャラクターだったが、『2002UM』では通常京とチームを組める。
関連動画
関連項目
- THE KING OF FIGHTERS
- エス・エヌ・ケイ / SNK
- 八神庵
- K´
- K9999(草薙京の9999番目のクローン)
- アッシュ・クリムゾン
- 二階堂紅丸
- 大門五郎
- 矢吹真吾
- 神楽ちづる
- 格闘ゲーム
- 主人公
- 格闘ゲームのキャラクター一覧
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