Su-47(キリル文字表記:Су-47)とは、ロシアのスホーイ社が製造した試験型戦闘機(技術デモンストレーター)である。愛称はBerkut(ベルクトまたはベルクート。キリル文字表記Беркут)。イヌワシを意味する。また、NATOコード「ファーキン(firkin:食品や飲料を入れておく小さめの樽)」が与えられている。
当項目では、その前身にあたる"S-32"、"S-37"についても記載する。
概要
原型は旧ソ連時代の1980年代初頭、アドミラル・クズネツォフ級重航空巡洋艦の艦載機として構想されたSu-27KM戦闘機である。アメリカの空母に比べて小型なクズネツォフ級は搭載スペースに乏しく、当初搭載を予定していた小型のMiG-29艦載型では能力的に不足だと考えられたため、スホーイは大型戦闘機の翼を効率よく折りたたみ、空母への搭載数を増やす方法として前進翼機を発案した。これがSu-27KMであるが、名称とは異なりSu-27K(艦載型フランカー)とは直接の関係を持たない新規設計機である。
後にスホーイ設計局は空軍の新戦闘機プロジェクトである「MFI」(多機能前線戦闘機)計画に対し、Su-27KMを転用した陸上機S-32を提案する。しかしソ連崩壊前後の政治・財政的混乱によってSu-27KMはキャンセル、S-32もMFI計画自体がご破算となる。そのため、民営化されたスホーイはプライベートベンチャーの技術デモンストレーターとしてS-37の開発を継続し、試作機1機が製造され、1997年に初飛行を行った。2000年にはSu-47に形式名が変更された。
機体形状は大型の前進翼にカナード翼を持ち、通常の水平尾翼も有する「スリーサーフィス」と呼ばれる平面型をとっている。あくまでも技術実証機ではあるが一応の兵装搭載能力は持っており、兵装は機体内部に格納されるとされる。Su-47はF-22などと同じく第五世代ジェット戦闘機として開発されたとも主張されるが、一般的な「第五世代ジェット戦闘機」の特徴としてあげられるステルス性に関して言えば、前進翼やカナード翼はステルス性を損なう形状であるし、スホーイ側も最初からステルス機としては考えていない。第四世代機(Su-27)から設計を一新した新型機という意味で「第五世代機」と主張されることはある。
エンジンはソロヴィヨーフ設計局製のD-30ターボファンエンジンを2機搭載している。MiG-31と同一のエンジンである。
ただ、今後はサトゥールン製のAL-37FU推力偏向装置付ターボファンエンジン2機に交換される予定。
エンジン両脇にあるテイルコーンの長さは左右で異なっている。中身は後方警戒レーダーと言われている。
愛称の発音・カタカナ表記について
英表記:Berkut 露表記:Беркут は、正しくは「ビェールクト」「ベルクト」「ベールクト」と読むらしいが、「ベルクート」は正しくない発音と言われている。では、何故「ベルクート」という発音が広がってしまったのかというと、おそらくはエースコンバットシリーズによる影響ではないかと思われる。
登場作品
- エースコンバットシリーズ
3以降の作品全てに登場している。5,X,X2ではS-32も登場する。3では「Su-43 ベルクト」という架空の番号を与えられていた。
04ではS-37Aという名称で登場し、F-22ほどではないが若干のステルス性も持つ機体となっている。
X,X2でもS-32・Su-47両者とも若干のステルス性を持っている。(ただし、レベル的にはXFA-27やMiG-1.44と同一レベル。F-22やF-117には負ける。) - H.A.W.Xシリーズ
初代では敵エース「パカル隊」の乗機として登場する。もっとも僚機からは「間抜けな名前」「うちの婆ちゃんにだって勝てない」と散々な評価だった。もちろん全機撃墜できる。
2ではあるステージのカットシーンでSu-47が襲いかかってくる場面があり、「ステルスだ どこから来やがった」という台詞がある。またフレアによる回避を行う敵機の一つで、ミサイルによる撃墜は若干難しい。
シリーズを通してステルス性を持つ機体となっているほか、初代では推力偏向機構を持っている。 - サイドワインダーシリーズ
- エアフォースデルタシリーズ
初代から登場。
初代ではジャケット表紙を飾るなど主役機に近い扱いである。
ブルーウイングナイツではジョン・ランダルおよびアルベルト・ウンガーの使用機として登場している。
関連動画
関連項目
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