きまぐれスタジオ美水かがみギャラリー幸手とは (キマグレスタジオヨシミズカガミギャラリーサッテとは) [単語記事]

きまぐれスタジオ美水かがみギャラリー幸手［ーよしみずかがみぎゃらりーさって］とは、かつて埼玉県幸手市北三丁目に所在し、漫画『らき☆すた』を主題とした、幸手市商工会が運営していた伝説的ギャラリー兼交流施設であった。2009年 3月28日開館、2011年 1月10日閉館。

概要

『らき☆すた』の作者である幸手市出身の漫画家、美水かがみの旧宅を改装し、作中に登場する「泉こなたの家（泉家）」を再現した、ギャラリー兼交流施設。泉家自体がこの家をモデルにしているため、忠実に再現できている。このため一部報道では「究極の聖地」と呼ばれたことも。

同作の舞台は主に埼玉県東部であるが、もともと幸手市には久喜市鷲宮の「鷲宮神社」、春日部市の「春日部共栄高校」に匹敵する「聖地」と呼べる場所がなかった（せいぜい、OPや作中に出てくる「権現堂堤」ぐらい）。そうした中、美水家が2008年 5月にさいたま市に転居、これまで住んでいた家が空き家となった。そこで美水の母（アニメ後期提供クレジットバックの写真で、美水家の愛犬「チェリー」にパンチされているご婦人。通称チェリーママ）が、幸手市に貢献・恩返ししたいということで「この家をファンのために開放できないか」と幸手市商工会に打診。観光の目玉となるものを渇望していた幸手市商工会もこれを受け入れることで、プロジェクトが始まった。当初は2009年 9月末までの期間限定で運営される予定だったが、好評を博したため期間が延長された。しかし、建物の都合で惜しまれつつも2011年 1月に閉館となった。

展示内容は美水家の監修や協力を得ているほか、市内の商店や春日部共栄高校からも協力を得ている。さらに巡礼に訪れたファンからも意見や協力を受けていたのも特徴。また、前述のような経緯から美水母がオープン時に案内をおこなっており、以後も休日にはちょくちょく訪れて案内をしたり、差し入れをしたりしていた。

一般住宅としてもかなり立派な作りになっており、それを見るだけでも価値はあった。事実、近隣住民に開館に当たって説明会を開いたところ、いつの間にやら住宅見学会になっていたとか。

なお、泉家の住人（そうじろう・こなた・ゆたか、並びに故人であるはずのかなた）が2010年元日付で幸手市に特別住民登録され、同年1月3日より特別住民票の交付が行われたが、住所は本ギャラリーの所在地とされていた。

施設案内

開館日時・料金

※2009年 12月当時のデータを記す。

開館日：毎週土・日曜日、祝日（長期休暇期間には別途運営日を設定）
開館時間：11:00～16:55（1時間の入れ替え制、各時間20名まで入場可）
入場料（いずれも税込み）
- 1時間券：420円（市内取扱店）/630円（ギャラリー）
- 1日券：840円（市内取扱店）/1050円（ギャラリー）
- 小学生未満の幼児は無料
入場券販売箇所：ギャラリーまたは市内の商工会加盟店舗で販売

館内施設

1階：こなたの部屋（旧・美水かがみ自室）、ゆたかの部屋（旧・美水かがみ姉自室）、美水かがみギャラリー（旧・美水かがみ親自室）、展示用トイレ（使用不可）
2階：そうじろうの部屋（旧・美水かがみ祖母自室）、リビング（ネットスペース）、売店（軽食・特産品の販売）、女性用トイレ、浴室
3階：コミュニティスペース、男性用トイレ、供食コーナー

開館時期の関係上、原作では現在泉家にホームステイしている設定となっているパティの部屋は無かった。こればかりは仕方ないか。なお、室内は全面禁煙であった。

こぼれネタ

上述の通り、こなたの部屋は美水先生の自室を元にしている。こなたの机は美水先生が実際に原稿を書くのに使っていた机だそうな。この机を含め、館内には美水家が使っていた家具等がそのまま現状保存のまま使われていた。
1階のトイレは「そうじろうが用を足しているのをゆたかが目撃して固まる」というシーンを再現するため、扉は開放されたままになっていた。
この他、館内にはいろいろと小ネタが満載。浴室の棚にティモテ（初代のそれの空容器）があったり、リビングにゆい姉さんが使ってたロデオボーイがあったり。
1階のギャラリーには美水先生が描いた同人誌も展示されていた。またチェリーにまつわる物や写真が展示された「チェリーちゃんコーナー」もあったとか。
基本的に展示物に触れることはできなかったが、1階のトイレの便座に座れたほか、リビングのロデオボーイを使うことができた、そうじろうの部屋にある丹前を着ることができたなど、一部体験できることもあった。ちなみに丹前は、商工会女性部の方が作られた物。
そうじろうの部屋には仏壇があり、かなたさんの遺影も。拝むことができた。
リビングにはネット接続されたノートパソコンが5台設置されてあり、自由に使用可能であった。と思ったら2chの各種らき☆すた関連スレッドがブックマークされてあったり、Janeがインストールしてあったんだが。入れた奴自重。ここのスレにも開館当時の記念カキコがあったりする。
3階はコミュニティスペースとなっており、飲食物の販売が行われていたり、くつろぐことが可能であった。おなじみの落書きノートもありました。巡礼写真を貼れるコルクボードもあった。
ここからほんのちょっと歩くと、アニメのオープニングでこなたが踊っている、権現堂堤へつながるあぜ道がある。ここでの記念写真撮影は、2013年春現在でも背景はアニメ放映当時のそれとあまり変わっていない。
一部の展示物は、市内のシネコン施設「シネプレックス幸手」に設置されたミニギャラリーにて、引き続き展示されている。
ギャラリー終了後中にあった家具類は、すべて競売された。なおロデオボーイはチェリーママが使うということで、競売対象から外されていた。
チェリーママ来訪時はギャラリーの運営スタッフ（地元商工会青年部）がママを取り囲んでだべってしまうため、一般客がママと話すことはできなかった。