ウィーグラフ・フォルズ

ウィーグラフ・フォルズとはファイナルファンタジータクティクスに登場するキャラクターである。

経歴

ウィーグラフ・フォルズ [Wiegraf=Folles] 年齢：32歳 職業：ホワイトナイト→魔人 誕生日：処女の月1日（8月23日）

骸騎士団団長（ホワイトナイト）
　⇒骸旅団頭目（ホワイトナイト）
　⇒神殿騎士団（ホワイトナイト）
　⇒ゾディアックブレイブ（魔人）

生涯

五十年戦争末期に平民からの義勇兵として結成された骸騎士団団長に就任。
貴族主体の騎士団に引けを取らない獅子奮迅の活躍を見せる。
しかし五十年戦争は、敗北同然の和平条約にて終戦を迎える。

敗北により恩賞無く捨てられた骸騎士団は、骸旅団として貴族の圧政に苦しむ民を解放する為に活動を行う事となる。

そんな中、転機を迎える事件が発生する。
部下の暴走による、エルムドア侯爵の拉致監禁事件である。
その事件を通し、妹ミルウーダを亡くし、終生の宿敵である異端者ラムザと最初の戦いを繰り広げる。

その後骸旅団は志半ば壊滅する。
しかし、捨てる神あれば、拾う神あり―――
その崇高な理想を神殿騎士団に認められる事となり、その武勇を奮う場所を再び得る。
オーボンヌ修道院における聖石ヴァルゴ奪取任務では、イズルード撤退の為、殿となってラムザの前に立ちはだかる。
見事イズルードを逃がす時間を稼ぐが、戦いにて力及ばず落命する事となる。

―――その時、ゾディアックブレイブとして所持していた「聖石アリエス」がウィーグラフの願いを聞き入れ、魔人ベリアスとして復活する。

魔人として覚醒した代償として、その理想を失ったウィーグラフは聖天使アルテマ復活の為、その力を奮う事になる。
リオファネス城にて3度目のラムザとの戦闘では凄絶な一騎打ちを繰り広げた。
しかし魔人の力を発揮してもなおラムザに及ばず敗北し、2度目の死を迎えることになる。

その気高い理想、貴族打倒の執念、アルテマ復活の使命は果たされる事なく歴史に埋もれる事となったが、弱者解放の為戦った高潔な姿（と、プレイヤーを絶望に追い込んだ戦い振り）は多くの人の記憶に残される事となった。

評価

傑物ウィーグラフ

骸騎士団は平民出身者が構成員である。
当然、戦における定石なと知りようが無い。
にも拘らず、五十年戦争では活躍をしている。
この烏合の衆と言っても過言ではなさそうな骸旅団を率いたウィーグラフの統率力は驚異的である。
またエルムドア侯爵誘拐事件の黒幕をダイスダーグと見破り、その思考を上回る一手、イグーロス襲撃ダイスダーグ暗殺を仕掛けている。
軍師として名を馳せるダイスダーグにとってすら想定外であったようで、暗殺は未遂に終わったが手痛いダメージを与えた。

これら出来事は決してサラリと流すわけには行かない特筆すべき出来事である。
恐らくは兵法、戦術、計略、統率、武術と言った各種戦いに必要な知識を、少なくとも貴族以上の環境で習得する機会の無かったハズのウィーグラフが、ここまで戦果を挙げたのは奇跡に近い。
もし畏国が五十年戦争に勝利していたら、『ウィーグラフ立志伝』として語り継がれてもおかしくない程の神懸り的な戦果である。

革命家ウィーグラフ

五十年戦争の敗北の代償―――
奪える領土も、賠償金も畏国は一切無い為、各地の領主は戦争に掛かった経費を自己負担せねばならなかった。
つまり敗北のツケは、重税、増税によって平民から搾取されていた。
当然、平民で構成される骸騎士団に対する恩賞など有る訳が無かった。
反貴族主義に走るのは時間の問題であった。

ウィーグラフは民の解放を掲げ、各地で戦果を挙げたが、戦力差は明確で次第に仲間を失い、骸旅団は消滅。
神殿騎士団に身を寄せてなお、打倒貴族の執念は失っておらず、一度目の絶命の瞬間までその志は折れる事は無かった。

現実見る事のできぬ理想主義と笑う事無かれ。

成果の量の大小は問題ではない。
理想を掲げ、実際に行動を起こし、貴族社会に確かな楔を打ち込んだ行動は、間違いなく歴史を動かしている。
平民出身の王の誕生はウィーグラフの理想に対する一つの答えではなかろうか？

理想は理想と諦めなかったウィーグラフの信念は評価されて然るべきではないだろうか？

余談

疫病神ウィーグラフ

【所属先の結末】

• 骸騎士団⇒五十年戦争敗北により解体
• 骸旅団⇒北天騎士団の攻撃により壊滅
• 神殿騎士団⇒異端者ラムザの一団との戦闘により壊滅
• ゾディアックブレイブ⇒異端者ラムザの一団との戦闘により壊滅

【戦いの結末】

• 骸旅団vsアカデミー仕官候補生⇒敗北
• 神殿騎士団vsラムザ率いる異端者一団⇒敗北、戦死
• ウィーグラフvsラムザ⇒敗北
• 魔人ベリアスと魔界の僕vsラムザ率いる異端者一団⇒敗北、戦死

ウィーグラフの理想と才能は高く、凄く高く評価するが、どうにも運に見放されているような気がしてならない。
所属先は例外無く壊滅し、戦跡も0勝4敗とFFTワースト記録だ。（ゲームだから、と言う突っ込みは無しで…）
何か致命的に足りていないモノがあると思われる。

もっと勝ち馬を嗅ぎ付ける嗅覚があれば、運命は違ったかもしれない。

例えば、骸旅団壊滅後、最初にウィーグラフに接触したのが神殿騎士団では無く、ディリータだったら…？
ある程度、お互い歩み寄りは必要だろうが、利害は一致しているハズなので、違った結末があっただろう。
しかし、結果として二人は出会わなかった。
この辺りの実力や才能でもカバー出来ない運の無さがウィーグラフの限界か。

鬼神ウィーグラフ

風車小屋で、オーボンヌ地下図書館で、リオファネス城で、ウィーグラフの聖剣技により散った命は数限りない。
最低でも瀕死、相性次第では即死も十分ありえるこの必殺剣は数多のプレイヤーを葬ってきた。

特にリオファネス城の一騎打ちはFFT最高難所としてウィーグラフの武勇を轟かせている。
勿論育て方次第ではあるが、普通に育てて対処方法も知らない場合は正に鎧袖一触になる可能性が高い。

それでも鎧袖一触で済めばまだマシで、直前でセーブをして、リオファネス城入場前のデータが残ってない場合は、ゲームが詰んでしまう可能性が非常に高い。

• ラムザ
• プレイ時間
• プレイヤーの心
• データ

FFTに数々の強敵、難敵は居れど、4点を同時に葬り去る程の敵はウィーグラフを除いて存在しない。
平民ながら五十年戦争を戦い抜き、命散るその瞬間まで、権力に抗い続けた執念と武勇は伊達ではないのだ！

関連項目

• ミルウーダ・フォルズ
• ファイナルファンタジータクティクス
• 黒本（FFT）