ファイナルファンタジータクティクス(FINAL FANTASY TACTICS)とは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)から1997年6月20日にプレイステーション用ソフトとして発売されたシミュレーションRPGである。略称はFFTなど。
ミレニアムコレクション、PS one Books、アルティメットヒッツとして廉価版が再発売されており、ゲームアーカイブスでの配信も行われている。
2007年にはリメイク移植版である〝ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争〟が発売されている。詳細は後述。
概要
ファイナルファンタジーシリーズとしては雰囲気が独特であり、異色作と呼べる作りになっている。
続編としてファイナルファンタジータクティクスアドバンス、ファイナルファンタジータクティクスA2がある。また、同一の世界観を持つ作品としてファイナルファンタジーXII、ベイグラントストーリーがある。但し、これらの作品とのストーリー上での繋がりはほとんど無いと言って良い。
五十年戦争と呼ばれる長い対外戦争が終結した後のイヴァリースで、獅子戦争と呼ばれる内戦とその裏で活躍した主人公ラムザの挫折と成長と活躍、及びその親友であるディリータの栄光を描いた作品である。
雑記
ゲーム全般
シミュレーションRPGとしては比較的易しい部類の難易度だが、ゲームシステムを把握していない初心者が「FFだから」とプレイするには少々難易度が高い。計画的に自軍を育成をしないと敵を倒せず、初心者救済キャラが登場する場面までストーリーを進めるのが困難だからである。
特定のポイントで詰み易いシーンがある。特に三章終盤で主人公が一人で敵ボスと戦わなければならない場面は、主人公が敵ボスを倒せない状態で戦闘前にセーブをしてしまうと、予備のデータが無い場合はレベル上げが不可能となり、ほぼ確実に詰んでしまう。
ストーリー分岐などが無く、最終的に悲劇的な結末を迎えてしまう後味の悪さ等、ストーリー面では賛否両論ある作品である。
本作のEDについては発売以来解釈をめぐり長らく論争が続いていたが、2014年3月に発売17年の時を経て松野氏のツイッターにより真相が明かされた→https://twitter.com/YasumiMatsuno/status/446091811052724224/
ストーリー
- Chapter1 持たざる者 THE MEAGER
- 過去の回想。士官学校時代のラムザとディリータは、戦争後に野盗と化した元騎士団の者たちと戦いに参加するが、様々な事件から身分の違いが浮き彫りになり、ついには決別に至る。
- Chapter2 利用する者される者 THE MANIPULATOR & THE SUBSERVIENT
- Chapter1から一年後、名門ベオルブの名を捨て傭兵として活動していたラムザは、オヴェリア王女を誘拐するディリータの姿を目撃。様々な思惑が絡み合う中、オヴェリアの保護を求めドラクロワ枢機卿を頼るラムザ達であったが、その影では伝説の聖石〝ゾディアックストーン〟を狙う者達の陰謀が進行していた。
- Chapter3 偽らざる者 THE VALIANT
- ついに勃発した大規模な王位継承戦争〝獅子戦争〟。その裏で暗躍する何者かと、伝説上のおとぎ話でしかなかった聖石の真実が明らかになる。そんな中、聖石とルカヴィの真実を知ったラムザは、ドラクロワ枢機卿の暗殺犯として教会から〝異端者〟の烙印を押されてしまい、社会的に抹殺されてしまう。
- Chapter4 愛にすべてを SOMEBODY TO LOVE
- 獅子戦争が決着の様相を見せる中、聖石を巡る戦いといよいよ姿を現した黒幕達との決戦が始まろうとしていた。敵に攫われたアルマを救う為、ラムザは戦い続ける。
- 反して、王女オヴェリアと婚姻し下級身分からついに王にまで上り詰めたディリータであったが……。
ユニット
ジョブとアビリティ
戦闘
おまけ要素
主な登場人物
- ラムザ・ベオルブ
- 主人公。名門貴族ベオルブ家の末弟。後に異端者の烙印を押され、歴史から抹消される。
- ディリータ・ハイラル
- ラムザの幼馴染。下層身分の出身だったが、ラムザの父バルバネスの計らいで共に士官学校に通う。後に英雄王として歴史に名を残す。
- ダイスダーグ・ベオルブ
- ラムザの腹違いの長兄。弟ザルバッグにその地位を譲るまでは北天騎士団団長を勤め、それ以後は主君ラーグ公の軍師となっている。
- ザルバッグ・ベオルブ
- ラムザの腹違いの次兄。現在の北天騎士団団長。聖騎士の称号を持つ、厳格な武人。
- アルマ・ベオルブ
- ラムザの妹。ラムザとアルマは他の兄達とは腹違いであり、特に年の近いラムザと仲が良い。献身的な性格。
- バルバネス・ベオルブ
- ベオルブ四兄妹の父親。五十年戦争の英雄で天騎士の称号を持つ。物語開始前に病死している。
- オヴェリア・アトカーシャ
- 王女として獅子戦争で本人の意思とは別に重要な役割を担い、後にディリータと結ばれる。過去に修道院に居た頃はアルマと仲が良かった。
- アグリアス・オークス
- オヴェリア護衛の任を務める聖騎士。聖剣技を使う事が出来る。一部のファンからはヒロインの呼び声が高い。
- アルガス・サダルファス
- 没落貴族の出身。自家の再興を志しており、己の歪んだ願望や主張を隠そうとしない性格。
- ウィーグラフ・フォルズ
- 反貴族組織〝骸旅団〟のリーダー。夢に破れた後は力と権威に魅入られ神殿騎士団に入る。彼とラムザの一騎打ちのシーンは様々な意味で印象深い。
- ミルウーダ・フォルズ
- ウィーグラフの実妹。平民出身ゆえに貴族に対する憎悪を己の言動に強く出す。
- ムスタディオ・ブナンザ
- 機工都市出身の青年で、発掘された銃を使った狙撃を得意とする。
- サブイベントでは豹変したラムザに(間接的ではあるが)うっかりやっつけられたと言うしょーもないシーンもある。
- ガフ・ガフガリオン
- ダークナイト。暗黒剣を扱う。元は騎士団に所属していたが、現在は傭兵団を率いる。傭兵時代はラムザの上司に当たる。「○○なンだよ!」と言った独特な語尾が特徴。
- シドルファス・オルランドゥ
- 雷神シドと恐れられる剣聖。ラムザの父バルバネスとは友人だった。聖剣エクスカリバーを振り回し、聖剣技・暗黒剣・剛剣全てを扱う〝全剣技〟のアビリティを持つ、本作のバランスブレイカー。FFシリーズ最強シドとしても名高い。
- オーラン・デュライ
- 占星術士でシドの養子。後に〝デュライ白書〟として戦いの真実を記すが……
- 実は養父に負けず劣らず隠れたバランスブレイカーだが、戦闘ではゲストユニットとして一度登場するのみである。
- ヴォルマルフ・ティンジェル
- ミュロンド・グレバドス教会の神殿騎士団団長。教皇フューネラルによって結成された〝新生ゾディアックブレイブ〟のリーダーである。
- メリアドール・ティンジェル
- ミュロンド・グレバドス教会の神殿騎士であり、ヴォルマルフの娘。剛剣を使いこなすが、パーティーへ加入する時期、剛剣の性能の問題等で若干影が薄い。
- メスドラーマ・エルムドア
- 五十年戦争の英雄の一人であり、〝銀の貴公子〟〝銀髪鬼〟と称された侯爵。プレイヤー達を別の意味で翻弄することになる。
- 歴史学者アラズラム・J・D
- プレイヤーと共に、イヴァリースの隠された歴史書〝デュライ白書〟を読み解いていく歴史学者。イヴァリースの現代に生きる人物であり、本作のストーリーは彼と共にプレイヤーが読み解いた歴史の真実である。ベイグラントストーリーにも名前が登場する。
等多数。
ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争
2007年5月10日にPSP用ソフトとして発売された。2011年にはiOS、2013年にはAndroidなど各種スマートフォンへの移植もしている。
グラフィックの見た目に著しい変化は無いが、ハードの変更に伴い画面が16:9の比率に調整された。
新規のアイテム、ジョブ、イベント、ムービー等が追加されており、FF12からバルフレア、FFTA2からルッソがゲスト参戦している。
ユニット数の最大が16から24になる等の細かい仕様の変更がされている他、通信対戦や共同戦線といった新モードが追加されている。
関連動画
実況動画
制限プレイ動画
プレイ動画
その他
関連商品
関連項目