ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!とは (ウッチャンナンチャンノヤルナラヤラネバとは) [単語記事]

ウッチャンナンチャンのやるならやらねば！とは、1990年～1993年にフジテレビ系で放送された幻の人気番組である。通称「やるやら」。

概要

そもそもは、先行して1990年 4月～9月に放送された「ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば！」という番組がルーツにあたる。
この番組は、当時すでに人気番組となっていた「とんねるずのみなさんのおかげです」がとんねるず主演のテレビドラマ「火の用心」（日本テレビ）の撮影のため半年間休止せざるを得ない状況になり、その穴埋めとして当初から半年間の期間限定で始まった。
しかし、すでに「夢で逢えたら」で注目を浴び始めていたウッチャンナンチャンの冠番組ということで人気となり、「おかげです」復帰後も番組名を変えて継続が決定。「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば！」に改題され土曜 20時に移動し放送することとなった。

土曜 20時はかつて「オレたちひょうきん族」が放送された名門枠であったが、裏番組「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」（TBSテレビ）によって後番組は低迷し、一刻も早い立て直しが急がれていた時間帯であった。
この番組では映画やテレビドラマなどを元ネタにしたパロディコントを中心に番組を構成。元々映画専門学校出身で映画マニアとして知られたウンナンのふたりが体当たりで演じるコントや、数々の人気キャラクターが受けて、期待に答えるように「ごきげんテレビ」を1992年に打ち切りに追い込むまでの人気番組に成長した。

特に、内村はマモー（元ネタは「ルパン三世ルパンVS複製人間」の同名の悪役キャラ）、南原はナンチャンをさがせ！（元ネタは当時大人気となっていた絵本「ウォーリーをさがせ！」）で人気を博した。
マモーは、レギュラー出演者のちはる演じる手下のミモー（こちらは番組オリジナル）と共にリリースした曲「マモー・ミモー情熱の嵐」でオリコンシングルチャート最高2位という大ヒットを飛ばし、「ナンチャンを探せ！」は最終的にある繁華街で実際に出演者たちが隠れている南原を探す大規模ロケにまで発展する人気を博した。

その他、ウンナンの二人がチャゲ&飛鳥に扮したパロディコント「CHAKE and YASU KA 栄光の軌跡」では、最終回で本物のチャゲ&飛鳥と対面し、チャゲアスのライブにウンナンの二人が乱入する演出までなされた。なお、このパロディコントがきっかけで当番組の音声がモノラルからステレオ放送へ変更された。

また、ウンナンの二人と専門学校時代の同級生である出川哲朗もこの番組にレギュラー出演しており、全身を黒く塗った「ボボ出川」（元ネタは往年の外国人プロレスラー・ボボ・ブラジル）として登場していた。

人気絶頂の最中の1993年、この番組は突如打ち切りとなる。

同年6月23日、人気コーナー「やるやらクエスト II」をフジテレビ屋上で収録中、ゲストとして参加していた香港のロックバンドBEYONDのメンバー黄家駒（ウォン・ガークゥイ）がセットから転落、頭部を強打して重体になる事故が発生した。（内村も一緒に転落して軽傷を負っている）

その2日後（6月25日）の放送は、番組冒頭のオープニングに「先日番組収録中に事故があり、皆様にご心配をおかけしましたことをおわび申し上げます。負傷されたウォン・ガークゥイさんの一日も早い回復をお祈り申し上げます。」というテロップを表示し、通常通り放送された。

しかし、その5日後の6月30日に黄家駒が死亡。これに伴い、フジテレビは「やるやら」の打ち切りを決定した。

7月10日、本来「やるやら」が放送される予定だった土曜 20時は別番組に差し替え。その番組冒頭で露木茂（当時：フジテレビアナウンサー）による番組打ち切りに至る経緯の説明と謝罪文の読み上げが行われ、「やるやら」は闇に葬られることとなった・・・

1998年～1999年に放送された内村光良主演のコント番組「笑う犬の生活」の副題として、「YARAN EVA！」が追加されている。これは、志半ばで打ち切りとなった「やるやら」のリベンジを果たしたいという願いが込められている。

2009年 12月25日、約17年の沈黙を破り、DVD-BOXとして発売。その宣伝番組として、ウンナンとちはるによる座談会形式の回顧番組「ウッチャンナンチャンのやるやらフォーエバー」が放送された（関東ローカル）。

2015年、内村が司会を務めるコント番組の「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」（NHK) において名物コントの「宇宙人総理」の中にマモー・ミモーが登場。内村の演じるマモーのみならず、ミモーも「やるやら」で演じたちはるが当時のメイクを施し出演して話題となった。