とんねるずのみなさんのおかげですとは、1988年(レギュラー化)~1997年までフジテレビ系で放送されたバラエティ番組である。通称「みなさん」「おかげです」「みなおか」。
本記事では休止期間中に放送された「ラスタとんねるず´94」、「おかげです」終了後に後を継いだ「とんねるずの本汁でしょう!!」、「とんねるずのみなさんのおかげでした」もまとめて記述する。
とんねるず主演のバラエティ番組。この頃はコント主体で、そこにロケ企画等がたまに挿入されるスタイルだった。
当時人気のドラマから洋楽PVまで、様々なジャンルのパロディを駆使し人気を博した。
また、当時プロデューサーの石田弘、ディレクター(1989年以降プロデューサー兼任)の港浩一など、スタッフも頻繁に出演やモノマネをされ、当時の視聴者に強烈な印象を残した。
この番組のブレイクによって、とんねるずは時代の寵児にまで登りつめることとなる。
レギュラー化に先立つ1986年、「火曜ワイドスペシャル」の中で特番としてスタート。
冠レギュラー番組がどうしても欲しかったとんねるずが、当時フジテレビの編成局長だった日枝久(現・フジサンケイグループ総帥)に「俺達の番組をやらせてください!視聴率30%を取ります!」と直談判してスタートしたのはもはや伝説的なエピソードである。ちなみに、日枝が「もし取れなかったらどうする?」と質問すると、二人は「石田弘を箱根彫刻の森美術館に飛ばしてください!」と本人の承諾なしに勝手に言ってのけている。[1]
数回の特番を経て、1988年10月から念願のレギュラー番組として木曜21時にスタート。
当時裏番組には人気歌番組「ザ・ベストテン」(TBSテレビ)があった。
しかし、「おかげです」では初期の名物コント「仮面ノリダー」「保毛尾田保毛男」「~によくある風景(ノリ男・ノリ子が理不尽にいじめられるシリーズコント)」などが一気に人気を博し、レギュラー放送開始からわずか1年で「ベストテン」を終了に追い込んだ。
レギュラー放送1回目から、当時バラエティ番組ではまだ珍しかったステレオ放送で制作されていた。番組の初期のエンディングで石橋が「この番組は、意味なくステレオ放送」とコメントしていた。しかし当時は番組後半にゲストの歌を1曲放送する構成であったため、全く意味がなかったという訳ではない。
途中、1990年にとんねるずのドラマ撮影専念のため、1994年に番組企画での不祥事のため、それぞれ半年間休止している。1990年には「ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!」(後に土曜20時に移動して「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」となる)が、1994年にはロケ企画の不祥事が原因で番組スタッフが謹慎を余儀なくされたことから、別スタッフによる「ラスタとんねるず´94」(後述)が放送され、それぞれ別の人気を博した。
1997年、番組のマンネリ化と企画変更、そしてフジテレビの局舎移転を機に「おかげです」としては幕を閉じた。
最終回では引越し作業が終わり取り壊し直前となった廃墟のフジテレビ河田町旧局舎の中でとんねるずの二人が巡り、「テレビ-時々の神よ-」を歌いながら感謝と別れを告げるという粋な演出がなされた。
構成/秋元康 玉井貴代志 沢口義明 吉野晃章 遠藤察男 三谷幸喜 岩崎夏海 ほか
演出・プロデューサー/港浩一
プロデューサー→ゼネラルプロデューサー(後期)/石田弘
制作著作/フジテレビ
今は亡き名格闘技家のアンディ・フグやほぼ無名に近かったよゐこの濱口優などが出演した「ジャイアント将棋」、イギリスのブラックパロディ人形劇「スピッティング・イメージ」の日本版である「SPITTING IMAGE JAPAN」が人気を博した。
特に「SPITTING IMAGE JAPAN」では、本家を模して当時の有名政治家を模した人形(1体あたりの制作費・数百万円)を用いた人形劇コントや歌を披露し、強烈なインパクトを残した。
特筆すべきは、小沢一郎いじり。この当時から金への執着心や影の指導者ぶりを揶揄するコントを放送しており、現在見ても何ら違和感のない完成度の高さは必見である。
ちなみにこの番組が企画・放送された理由は、「みなさんのおかげです」の宜保タカ子企画で富士山麓の天然記念物生息地を爆破したり、ゴミを現地に棄てたなどの理由でスタッフが処分され、半年間の謹慎を余儀なくされたためである。港プロデューサーを初めとする「おかげです」の主要スタッフのほとんどが当番組に参加していなかったのはこのためである(石田弘はゼネラルプロデューサー名義で形式的に関与)。「おかげです」とは明らかに毛色の違う番組として視聴者に受け入れられ、前述のとおり番組は好評であったが、当初の予定通り半年間で放送は終了し、「おかげです」が再開された。
余談であるが、当番組のディレクターの中の1人に、後に「ハイパーメディアクリエイター」なる肩書きで世間を騒がせることなった高城剛が名を連ねていた。
この番組の目玉企画。石橋貴明(貴王)と木梨憲武(憲王)がそれぞれ将棋の駒に見立てた格闘家たちを操り、ゲームで勝敗を決するというもの。
競技のラインナップは勿論だが、参戦選手の豪華さと、本当にバラエティー番組か!?と思えるようなガチっぷりが売りだった。
ボクシング界からは渡辺二郎、渡嘉敷勝男、輪島功一、井岡弘樹ら、現役時代世界王座を戴冠した選手が参戦、ついには当時現役世界王者の薬師寺保栄も登場した。 プロレス業界からは藤原喜明、佐山聡、橋本真也、ザ・グレート・サスケらがラインナップ。女子プロレスからも豊田真奈美、井上貴子ら現役スター選手が参戦した。
芸人枠も抜かりはなく、当時ほぼ無名に近かったよゐこの濱口優は少林寺拳法初段、和泉修は学生時代ボクシング部でインターハイ優勝経験者という強者。
中でも対局のカギを握るのは格闘家枠。アンディ・フグや角田信朗、サム・グレコら、後のK-1を彩る事になる大物格闘家が多数参戦。
特にフグ対角田戦は、正道会館館長・石井和義とフジテレビによるK-1のデモンストレーションを兼ねた試合となった。
当初の予定通り94年9月に番組は終了となるのだが、最終回にはこれまた豪華な顔ぶれが揃い、中でも、
ジェラルド・ゴルドー、当時設立されたばかりの新興格闘技団体UFCの強豪選手
マイケル・トンプソン、初期のK-1で活躍した極真空手の猛者
スタン・ザ・マン、キックボクシング界におけるタイトル7つを総なめにし、「キックボクシング界のマイク・タイソン」と呼ばれた男
と、錚々たる顔ぶれで、中でも空手とキックボクシングのスーパースター二人によるアンディ・フグ対スタン・ザ・マン戦は、当時としては夢のカードだった。
当時はバブル崩壊直後でありながら、制作予算がまだ潤沢な頃で、さらに設立直後のK-1にとって最大のアピールの場となった事が重なり、K-1を軸にした後の格闘技ブームに貢献する事になる。
現在ではほぼ無かったことにされている黒歴史。わずか3か月で終了した。
主な企画としてはフジテレビのあるお台場に模擬競馬場を作り芸能人が競馬の腕を競う「ダービーキッズ」などがあった。時には現役のJRA騎手も参戦しており、細江純子もその一人だった。
また、番組名物だったコントはこれにリニューアルされたことを機に完全に消滅した。
1997年から2018まで放送された「おかげです」の実質的後継番組。
「おかげです」末期にすでに放送されていた「食わず嫌い王決定戦」を番組のメインコーナーとしそこに様々な企画が挿入されるスタイルとなっていた時期が一時あったが、以降は非コントのお笑い企画を主軸に展開した。
「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」が評判を呼び、河本準一(次長課長)の「お前に食わせるタンメンはねぇ!」や博多華丸の児玉清のモノマネはこの企画で注目を浴びたのを機に広がった。
また、野猿や矢島美容室といった歌企画も展開し、これらの楽曲もヒットに導いている。
全盛期は毎週視聴率20%超えを連発していた人気番組であったが、2010年代に入って以降は企画のマンネリ化とフジテレビ自体の番組製作力の低下が重なり視聴率が低迷。演出スタッフにおいても番組プロデューサーが演出を兼務する体制から、外部スタッフであるマッコイ斎藤に委託する体制に変更されたあたりからも、制作力の低下が垣間見られた。晩期は毎週視聴率が1桁というのが珍しくなくなり、番組制作費に見合う結果が出せなくなり「お荷物番組」と揶揄されるようになる。
2010年代半ばに入ると、ゴシップ誌で度々番組打ち切り報道が噂されるようになり、その度にフジテレビ側が否定するという光景が珍しくなくなっていった。
そして、2017年秋。ついに噂が現実のものとなる。
2017年11月3日、一部スポーツ新聞が「おかでした」の番組終了が報じた。
同時に報じられた「めちゃ2イケてるッ!」の番組終了が報道後すぐに番組内で正式発表を行った一方、「おかげでした」では番組でしばらくこの件が触れられることはなかったので、一部で再びガセネタかと疑われたが、12月7日放送の番組最後のパートにて、エクゼティブプロデューサー[2]となったダーイシがフジテレビの関連会社である共同テレビの社長となった小港の社長室を訪れるというコント形式で正式に2018年3月で番組を終了することを発表した。
重要回となった12月7日放送回であったが、番組視聴率は5.3%(関東地区)という寂しい結果となり、図らずも番組の役目が終わったことを証明してしまった。その後の放送では北の国からのコントを復活させたり、ムダベスト10やモジモジ君などのかつて人気だったコーナーをファイナルとして放送した。
2018年3月22日に最終回を迎えたが特番は組まれず通常通りの1時間枠での放送となった。最終回ではさいごのうたばんとして放送。野猿など過去の歌関連の映像を公開したり、「おかげです」レギュラー放送第1回のゲストであった松田聖子を呼びトークを繰り広げた。番組の最後にはとんねるずが一部の歌詞にバラエティ番組やフジテレビの今後への懸念を滲ませた替え歌の「情けねぇ」を歌唱。歌い終わった後「バーーイ! センキューー!」の掛け声と共に「おかげです」レギュラー放送開始から29年半の歴史に幕を閉じた。
なお、最終回の視聴率も9.7%(関東地区)と二桁には届かず、寂しい結果となった。
「おかげでした」終了後、石橋のみ出演の「石橋貴明のたいむとんねる」を同年4月から2020年3月まで月曜23時台に放送した。
後番組には坂上忍がMCを務める「直撃!シンソウ坂上」が放送開始した。
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最終更新:2024/12/05(木) 10:00
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