シーヴァ

シーヴァ(Shiva)とは、1995年に日本で生まれた牝馬でイギリス調教の元競走馬である。
馬名はヒンドゥー教の創造と破壊の神から。

主な勝ち鞍
1999年:タタソールズゴールドカップ(GI)、アールオブセフトンステークス(GIII)
2000年:ブリガディアジェラードステークス(GIII)

概要

父*ヘクタープロテクター、母*ランジェリー、母父Shirley Heightsという血統。

*ヘクタープロテクターは、現役時スタブロス・ニアルコスと社台の創業者である吉田善哉の所有ということもあり、競走馬引退後に社台スタリオンステーションに繋養されていた。
その後ニアルコス氏が*ヘクタープロテクターと交配するために*ランジェリーを社台グループに預託し、ノーザンファームで誕生したのがシーヴァである。

しかし日本でシーヴァが誕生後にニアルコス氏が死去したため、競馬に関する事業を引き継いだ家族によってイギリスに移動してデビューとなった。

デビューは3歳の5月とかなり遅い時期で、日本で短期免許で騎乗したこともあるキーレン・ファロン騎手を背にして初戦に挑み勝利した。

しかし2戦目は4歳4月と1年近い休養期間を挟むことになった。復帰戦はニューマーケット競馬場のGIIIアールオブセフトンSになった。スタートで後手を踏んで折り合いも欠くなど散々なレースをしたが、残り200mで先頭に立ち押し切って勝利を収めた。

3戦目は1999年からGIに昇格したカラ競馬場のタタソールズゴールドカップ(タタソールズ金杯)に出走した。昇格したこの年はヨーロッパの名馬デイラミも出走していたが、これを下して見事に勝利した。この勝利によって日本産馬として初の海外GI勝利を挙げたが、2020年現在においてもあまり知られていない。

その後はチャンピオンステークス(GI)でアルボラーダの2着となったり、5歳時のエクリプスステークス(GI)ではサキー・*ファンタスティックライトといった強豪に先着しジャイアンツコーズウェイの3着に健闘したりしていたものの、勝てたのはブリガディアジェラードS(G3)の1勝にとどまり、通算成績10戦4勝だった。

引退後は繁殖牝馬としてアメリカにわたり、キングマンボやストームキャット等ど交配をしたが目立った馬が出ず、2014年に誕生した産駒が最後になっている。

不遇な扱い

シーヴァは前出の通り日本産馬として初の海外GI勝利を成し遂げた馬なのだが、それが取り上げられることはあまりない。

いくつか要因があるのだがあげると、

• 元々海外の生産者がたまたま日本に繁殖牝馬を預けて誕生した馬で、誕生後イギリスに持って行った馬がたまたまG1を勝った
• 前年の1998年に米国産・日本調教のシーキングザパール、タイキシャトルが欧州でGIを勝って大きく取り上げられ、1999年もエルコンドルパサーの遠征の話で盛り上がっていた
• タタソールズゴールドカップがこの年から昇格したばかりで、GIとしてなじみがなかった
• 現在のようにネット等で世界の競馬の情報が手に入る事もまだ少なかった

等がある。

一応プレイステーション版のウイニングポスト4等で、タタソールゴールドカップのレースの説明を見ると、シーヴァが日本産馬として初めて海外GIを勝ったという文面は見れたりする。

しかし不遇な点はあるもののGIを勝ったという歴史は変わりなく、細々とはいえ語り継がれていくだろう。

血統表

*ヘクタープロテクター Hector Protector 1988 栗毛	Woodman 1983 栗毛	Mr. Prospector	Raise a Native
			Gold Digger
		*プレイメイト Playmate	Buckpasser
			Intriguing
	Korveya 1982 栗毛	Riverman	Never Bend
			River Lady
		Konafa	Damascus
			Royal Statute
*ランジェリー Lingerie 1988 鹿毛 FNo.4-m	Shirley Heights  1975 鹿毛	Mill Reef	Never Bend
			Milan Mill
		Hardiemma	*ハーディカヌート
			Grand Cross
	Northern Trick 1981 栗毛	Northern Dancer	Nearctic
			Natalma
		Trick Chick	Prince John
			Fast Line
競走馬の4代血統表

クロス：Northern Dancer 5×3(15.63%)、Never Bend 4×4(12.5%)、Prince John 5×4(9.38%)、Native Dancer 5×5(6.25%)、Princequillo 5×5(6.25%)

• 全兄にGIIを2勝したリムノス。
• キングマンボ産駒の半妹にライトシフト(英オークス)、その産駒に2017年カルティエ賞最優秀古馬ユリシーズ(エクリプスS、英インターナショナルS)。
• キングマンボ産駒の半妹（ライトシフトの全妹）にストロベリーフレッジ、その産駒にクロスオブスターズ（ガネー賞）。

関連リンク

1999　Tattersalls Gold Cup (G1) - Shiva (YouTube)

EQUIBASE Horse Profile Shiva (JPN)

関連コミュニティ

関連項目

• 競馬
• 海外競馬
• 競走馬の一覧