ハイアールとは、家電事業をメインとする中華人民共和国の企業の一つである。
中国語ではハイアールグループで「海爾集団」「海尔集团」と表記。英語表記は「Haier」。
主に冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ、テレビ、エアコンなど家庭用の電気製品を中心としたビジネスを展開している(商業向けの加熱・冷却システムも取り扱っている)。
2011年にパナソニックの子会社であった三洋電機の家電部門を買収・事業譲渡された。これにより日本の家電企業の技術や特許、ノウハウを手に入れ、本格的に日本でのセールスを開始することとなる。
2016年、アメリカの企業ゼネラル・エレクトリック(GE)家電部門を買収。買収額は56億ドルで、この買収によりアメリカを代表する企業の技術やノウハウも手に入れている。ただし、GEの名称はこれまでどおり使われ、サポート設けられるとしており、プレジデント兼CEOは「短期的には買収による変化に気づくことはないだろう」としている。[1]
日本においては、日本法人として2002年にハイアール・ジャパンを設立しており、それとは別で子会社として2016年にアクア株式会社(AQUA)を設立している。ちなみにアクアは元・三洋電機の家電販売部門を源流としており、同社が販売していた製品の名前がそのまま社名およびブランドになっている。現在は日本だけでなくアジアの複数の国に展開するグローバル企業となっている。
2002年ごろから、パナソニックの子会社となっていた三洋電機との提携はあったが、2011年をもって正式に事業譲渡となる。これによって三洋の技術情報や特許関連はハイアールに移管され提携での資本関係は解消、パナソニックも三洋との合併を控えていたため重複事業を解消するかたちとなった(パナソニック的には重複している事業の解消という思惑もあったようで、両方の利害が一致した形となる)。[2] [3]
パナソニックの元役員によると本当は三洋の白物家電を完全にリストラすべきだったが、売却にしたのは「三洋社員たちへの温情が根底にあったため」としている。 [4]
ハイアールは三洋のブランドであった「AQUA」を2012年より販売開始、三洋の家電部門は吸収された後に「ハイアールアジア」など様々な名前に変遷しており、2016年に「アクア株式会社」となっている。2012年4月には、日本国内における市場シェアで「ハイアール」と「アクア」合わせて5位に達した。しかし、海外で完成した製品を日本に持ち込んで販売する形式をとっているため、円高などの為替状況しだいでは逆に赤字に陥るケースもある。 [5] [6]
ハイアールに切り替わったあとは大幅に業務が様変わりしたようで、離れていく社員も少なくなかったとされる。とくに、海外企業に買収されたということもあり、上司も多く切り替わったことで社内公用語も自然と英語・中国語になり、メールの方にも英語や中国語が急増し、慌てて語学の勉強を始める社員も多かったという。 [7]
また、ハイアールでは徹底した成果主義をしいているため、30代・40代の若い幹部が非常に多い。
「移籍してすぐ、メール処理だけで1日が終わってしまうようになりました。なぜなら、毎日大量の中国語と英語のビジネスメールが入ったからです。三洋時代はひたすら洗濯機を開発していて、ドメスティックそのものでした。あわてて語学学校に通いましたよ。さらに、東京から大阪に出張するかのように頻繁に中国に出張があり、消耗度は半端でない」
「三洋やパナソニックと比べ、ハイアールは幹部が30代や40代とみな若い。そんな若い連中を相手に、部門を超えてプレゼンをやることもある。慣れない英語を使うわけだが、若い中国人幹部から英語で厳しい指摘を受ける。時々中国語も混ざって、これが怒鳴られているように聞こえるから、キツイ」
「ハイアールは成果主義を徹底している。『できません』とは口が裂けても言えない空気がある。個人的には、パナソニックに売られたように、成果が出せなければまた捨てられるのではという恐怖はいつもある」
三洋電機からハイアールに移籍した50代管理職
「君らはパナソニックに捨てられたんやぞ。それが分かってへんのか」
「もうここは三洋じゃないんだ」
ハイアール・アジア(2016年時点)では、アジア各地のニーズを調査して日本に送り、日本の商品開発チームはその一つ一つのニーズに基づく商品を開発して出すという形式をとっている。ハイアールに変わってから意思決定のスピードは日本企業とは段違いであり、日本企業では2年かかっていたものがハイアールではわずか半年で製品化されるようになった。 [9]
「いまの会社になってから、海外の方をよく見るようになって、我々の技術を使って、どうすれば最適な設計ができるか、提案することによって、我々の存在価値も上がってきています。」
スピードが速いんです。(以前の会社では)当然、社員がいて主任がいて課長がいて部長。
根回しして段階踏んで決裁を取るまでに一か月かかるとか。
今はもう今日言って、明日からって感じかな。 そのスピードにびっくりしましたね。
負けますわ。あのスピード感には、日本メーカー。」
近年は、日本でのCMなども出すようになっており、日本におけるシェアも向上してきている。
2018年には大型白物家電・ブランド別での世界販売台数シェアにおいて、9年連続で世界No.1を達成したことを発表している。 [10]
また、現在の日本の家電量販店で販売されているプライベートブランドの白物家電は、実は製造をハイアールが手掛けているなど、すでに日本が気づかない身近なレベルで浸透してきている。
評価しない社員に対しては海外企業としてはっきりクビを告げるなどの解雇通知も行うだけでなく、退職を勧奨したあと改善部署と呼ばれる退職を宣告した社員を送る異動先(いわゆる"追い出し部屋")も設けて、自己申告や自己都合による退職を迫っているなども行っているとされる。
ただ、メディアからの問い合わせに対しては、「定年退職や自己都合で辞める人はいるが、リストラの事実はない」として、これを否定している。[11]。
「社内にあなたの仕事はありません。社外で探して下さい」
掲示板
6 ななしのよっしん
2020/05/31(日) 23:47:07 ID: Cmz8Xj0l+c
ハイアールのAQUAが出てきた頃は中華風情が…とか思ったものだが
今やシャープ、東芝家電部門も中華だし
個人的には気にしなくなってきている
7 ななしのよっしん
2020/12/14(月) 20:19:00 ID: q5JMPMM+BK
日本製品の白物家電は一年に一回使うかどうかっていういらん機能が多すぎるんだよな
シンプルで安いハイアールに海外市場が取られてしまうのはしょうがない
8 ななしのよっしん
2024/01/20(土) 16:26:11 ID: KXcAhg3qGj
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最終更新:2024/12/19(木) 23:00
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