「撃つな、ラリー!!」
マット・ヒーリィとは、機動戦士ガンダム戦記に登場する人物である。
地球連邦軍第三独立機械化混成部隊第三小隊(通称デルタ小隊)を率いる小隊長で、階級は中尉。
PS2専用ソフト「機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles」の主人公という扱いだが、ゲーム内では主人公に関する描写は一切なく、漫画・小説版で初めて顔や詳細なキャラクター像が描かれた。ゲーム内では自由に機体が選べるが、漫画版以降の作品では陸戦型ジムと陸戦型ガンダムを搭乗機としている。
漫画版では敵味方問わず兵士の命を助けようと努力する人物として描かれる。後年の作品はこの漫画版を基準とすることが多い。こうした思想を抱くに至った背景には、開戦直前にシドニーで知り合ったサイド3出身地質学者との友情と死別があり、ジオン兵もまた戦争に巻き込まれた被害者であるという考えを持つ。
心優しく、戦術眼にも長けるため部下からの信頼は厚かった。ジオン側主人公ケン・ビーダーシュタット少尉と遭遇した際には、敵の新型機ゲルググを確保する絶好のチャンスでもあったのだが、部下を人質にされた事と「生きるために戦う」という彼らの矜持を信頼した為、あえて見逃す選択肢を取っている(当然、軍規違反のため営巣入りとなった)。
敵兵には積極的に投降を呼びかけている(アッザムを撃墜した際など、常に不殺を徹底しているわけではない)が、その甘さゆえに部下のラリー少尉を死に追いやってしまう結果となる。前述の「撃つな、ラリー」という台詞は悪い意味で有名となっており、半壊したザクへの攻撃をマットが引き止めて降伏させるよう促した為に反撃され、ラリーが死亡する事態になってしまった。
以降、ラリーの仇を取るためジオン兵を皆殺しにしようとするアニッシュと、憎しみは何も生まないとして不殺を貫くマットとで意見が対立。険悪な関係になる。
オデッサ作戦の勝利により地球の大局は連邦軍に傾こうとしていた。マット率いる第三小隊もまたジオンの敗残兵狩りに従事していた。戦争はもう長くないと考えるマットは抵抗を続けるジオン兵に投降を呼びかけ続け、かなりの人数を捕虜とした。終戦直前、とある廃墟でジオン軍特別遊撃部隊を率いるケン・ビーダーシュタット少尉のゲルググと対峙。降伏に応じないケンと激闘を演じる。
決着がつく寸前に終戦を伝える報告が入り、二人は戦闘を中止。ついにケンは抵抗をやめ、投降に応じた。
また、続編にあたる『GUNDAM LEGACY』では軍を辞して民間人になっているが、エゥーゴに協力してジオン残党のテロ作戦妨害にあたっており、奇しくもケンの部下であるメイ・カーウィンと共にサイド3への気化爆弾攻撃を阻止した。
一方、設定が大きく異なる小説版では漫画版のように不殺にこだわる事は無かったが、戦争犯罪を繰り返すジオンの特殊部隊「グール隊」に嫌悪感を抱き、ケン率いる外人部隊と協力して討伐にあたっている。
PS3で発売された「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」では漫画版・小説版の混成ストーリーとなり、漫画版のストーリーをベースにグール隊との戦いを描く形になっている。本作でも「撃つな、ラリー」のシーンはあるものの展開が変更され、マットは敵機の無力化を命じラリーもそれに従うが、攻撃に晒されたラリーは狙いを外し敵機を撃墜してしまう。ラリーは生還するものの、その後は「ラリーに無謀な命令を下してしまったマットと、マットの命令を守れなかったラリーが互いに罪悪感を抱く」という形となり、それを察したアニッシュは両者をそれとなく支える役割に回っている。
なお、「ガンダム戦記」にはギャルゲー的なシステムがあり、漫画版でもノエル・アンダーソンから憧れを抱かれる描写があるが、どのメディアにおいてもヒロインと結ばれた事は無い。
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最終更新:2024/12/22(日) 15:00
最終更新:2024/12/22(日) 14:00
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