京急空港線 単語


58件

ケイキュウクウコウセン

2.8千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

空港線(京急空港線)とは、京急蒲田駅羽田空港第1・第2ターミナル駅を結ぶ京急の路線である。

京急蒲田駅

概要

京浜穴守線時代

1902年、電気鉄道守線として開通。当初は沿線にある稲荷神社の参拝客やその周辺に整備された海水浴場の利用客向けの観光路線であった。稲荷神社の位置も現在羽田空港の一部にあり、戦前までは東京人気観光スポットして賑わっていた。

1931年現在羽田空港の前身となる東京飛行場(羽田飛行場)が開港。徐々に飛行場の利用客も増加していった。

1942年電気鉄道小田急電鉄と共に東京横浜に買収され、東京急行電鉄(所謂大東急)が成立。守線は東急品川線(現京急本線品川横浜間)の支線扱いとなった。

太平洋戦争後にアメリカ軍によって羽田飛行場は接収され、稲荷神社の敷地など周辺の土地を強制接収した上で現在羽田空港ベースとなる大規模な整備拡が行われた。
この際に守線もアメリカ軍の命により理矢理複線から単線にさせられ、線路が撤去された敷地に省線(後の国鉄現在JR蒲田駅から貨物線を建設している。さらに稲荷(現穴守稲荷駅)-守間も接収され、羽田空港内への乗り入れが中断された。

1952年にようやく羽田空港アメリカ軍から日本に返還。貨物線も撤去されて複線化し戦前の状態に回復した。
さらに1956年には稲荷羽田空港間が運転再開を果たした。ただし羽田空港駅戦前と違い空港外にが移転されている。

これに先立つ1948年には京浜急行電鉄大東急から独立して発足。本路線も京急守線として再び単独路線になった[1]

1990年代までの空港線

1963年に路線名が京急守線から現在の京急空港線に変更される。

空港線はその名称とは裏に、戦後長らくの間羽田空港へのアクセス路線としては運用されていなかった。過去いて、終点は「羽田空港駅」という名前こそ付いていたものの、実際には空港ビルからは遠く離れた場所に存在していた。

当初はバス便すらかった為、空港への足としては実質的に使えないマイナーな存在でしかなかった。このため、沿線にある稲荷神社の参拝客や沿線住民のみが利用するローカル支線という位置づけとなり、戦前守線時代よりも格下の路線として冷遇され続けていた。

羽田空港アクセス路線は、1964年開催の東京オリンピックの際に整備された東京モノレールがもっぱら担っていた。

空港アクセス路線としての台頭

役割が大きく変わったのは1998年空港ターミナルまで延伸し、その直下に新生の羽田空港駅開業を果たしてからである[2]

東京モノレールがそれまで羽田空港アクセス路線の座を守ってきたが、空港線の延伸によりその座を脅かす新たな空港アクセス鉄道の地位を得た。これ以降、京急空港線重視の経営方針を明確にしてゆく。

ダイヤ面では京急蒲田駅快特通過から停へと格上げ、品川駅方面と羽田空港駅を直通で速に結ぶ快特の大幅な増便やアクセス時間の短縮、過去にはかった横浜駅方面と空港間とを直通運転する列車の運行を開始した。また、地方での広報活動も熱心に展開、地方空港での京急線乗車券売機の設置やそれらの空港へのアクセス鉄道との提携による切符の販売等、様々な施策を採り、羽田空港発着の航空便利用客を着実に獲得してゆく。それらの活動が功を奏し、現在羽田空港駅が開業して以降、空港線の利用客数は毎年順調に伸び、京急の収益に貢献する重要路線となっている。

当然、競合路線の東京モノレールが黙って見過ごしているはずもなく、特に同社がJR東日本下に入ってからは、それまで考えられなかった様々な対抗策を次々と打ち出している。(詳細は東京モノレールの記事を参照されたい)
今後も、このしい競争の動向に注が集まっている。

ただ、京急空港線空港アクセス路線として重視した結果、快特といった途中全てを通過する速達列車重視のダイヤが組まれた事により、途中の利用客にとっては逆に使い勝手が悪くなるという結果を引き起こしている。これに関して沿線住民からは不満のも挙っている。
京急蒲田駅空港線マイナー路線時代からの構造をそのまま維持してきたため、羽田空港乗り入れ以降劇的に運行本数の増えた空港線ボトルネックとなってしまった。それを解消するために、京急蒲田駅付近の立体交差工事が11年かけて行われ、2012年10月21日にようやく完成した。

2010年10月21日、新しい国際線ターミナル営業開始に伴い、その直下に造られた「羽田空港国際線ターミナル駅」が開業。それまでの羽田空港駅は「羽田空港国内線ターミナル駅」へと改称された。

2020年3月国際線ターミナルビルが第3ターミナルに改称される。これに伴って羽田空港国際線ターミナル駅」は「羽田空港第3ターミナル駅」に、羽田空港国内線ターミナル駅」は「羽田空港第1・第2ターミナル駅」に改称された。

利用できるICカード系乗車券

路線図

例】 ●:停 |:通過駅 ■:乗り換え路線 ○:駅辺施設
 ※普通、✈︎急、特急は駅に停まる為、省略しております。駅東京都大田区内。

快特 ✈︎快特  名 乗り換え路線 ○周辺施設 (備考欄)
京急 逗子・葉山駅浦賀駅三崎口駅京成電鉄経由成田空港駅
北総鉄道京成成田スカイアクセス線経由成田空港駅芝山鉄道経由芝山千代田までそれぞれ直通運転
| KK11
京急蒲田駅

けいきゅうかまた
京急本線
大田区産業プラザPiO
| | KK12
糀谷駅

こうじ
| | KK13
大鳥居駅

おおとり
セガ本社ビルワタミ本社
| | KK14
穴守稲荷駅(ヤマトグループ 羽田クロノゲート前)

なもりいなり
稲荷
ヤマト運輸 羽田クロノゲート
| | KK15
天空橋駅

てんくうばし
東京モノレール 羽田空港線
KK16
羽田空港第3ターミナル駅

はねだくうこうだい3たーみなる
東京モノレール 羽田空港線
羽田空港第3ターミナルビル
KK17
羽田空港第1・第2ターミナル駅

はねだくうこうだい1・だい2たーみなる
東京モノレール 羽田空港線 (羽田空港第1ターミナル駅)
東京モノレール 羽田空港線 (羽田空港第2ターミナル駅)
羽田空港第1ターミナルビル
羽田空港第2ターミナルビル

関連動画

関連項目

脚注

  1. *なお京浜急行電鉄略称が「」から「京急」に公式に変更されたのは1987年のことだが、本記事では便宜上「京急」表記で統一する。
  2. *従来の羽田空港駅1993年止の上で羽田駅を新設、後に天空橋駅に改称した。
この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

  • なし

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
山口剛央[単語]

提供: Pyun Pyun

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/06/16(月) 09:00

ほめられた記事

最終更新:2025/06/16(月) 09:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP