お宮横丁の富士宮焼きそば
富士宮やきそばとは、静岡県富士宮市を中心に食べられている焼きそばである。
水分が少なくコシがある麺と、肉かす(油かす)・魚の削り粉が入っていることが最も特徴的である。富士宮市内に焼きそばを取り扱っている店が140店ほど点在しており、特に富士宮駅から浅間大社の範囲に多い。ほかにも白糸の滝の周辺にもあるので、観光ついでに食べることができる。
「やきそば」を店の名に冠したお店はあまり多くなく、実際にはお好み焼き屋が焼きそばを提供していることが多い。富士宮やきそばを入れたお好み焼きを「しぐれ焼き」と呼んで提供している店も見られる。
通販や直売店などで麺が取り扱われているため、自宅で作ることも可能。
商標登録されているため、「富士宮やきそば」の名前を冠した商品を無断で販売することはできない。
富士宮やきそば学会によると、富士宮やきそばの麺を作っているのは、「さのめん」「マルモ食品
」「叶屋
」「曽我めん
」の4社。
有名になったのは2000年代に始まったB-1グランプリ(B級グルメのグランプリ)の初回、2回目を制覇したことがきっかけ。市民へのセミナーや広報などの粘り強い活動により、知名度を上げていった。
ただ、富士宮市は以前から焼きそばを提供する店が多い地域だった。
もともと、大正~昭和時代には、駄菓子屋の一画でお好み焼きのような料理を「洋食」として売っていた「洋食屋」と呼ばれる店があった。富士宮ではまだ珍しかったソース味のお好み焼きは、特に市内に工場があった製糸業の女工や、子供に人気があった。
富士宮やきそばの麺を作っているマルモ食品工業によると、創業者の望月晟敏が「戦地に赴いたときにインドネシアの人からもらったビーフンの麺」を再現しようとした結果、やきそばの麺が生まれたとされている。本来のビーフンは米が原料だが、原料が分からず、小麦粉で作ってしまったらしい。
戦後以降、やきそばが洋食屋で提供されるようになったとされる。また、炒めた麺類は中国などのアジアで食べられていた。そのため、アジアの戦地から復員してきた元兵士たちの間でも、馴染みのある料理に近いやきそばが食べられるようになった。さらに、野菜と麺・ソースを炒めるだけで作れるため、家庭でも人気となり、身延線などの鉄道で買い出しに来る人も買うようになった。
あまり冷蔵庫の普及していない時代であったため、次第に洋食屋での保管や持ち帰りに適した、日持ちのする固いやきそばの麺が中心に作られるようになっていった。その後、大手企業が柔らかい焼きそばを販売するようになっても、すでに富士宮では固い麺が好まれており、あまり浸透しなかった。
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最終更新:2025/03/26(水) 20:00
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