シャフリヤール 単語

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シャフリヤール

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曖昧さ回避

シャフリヤール(Shahriyar/Shahryar)とは、ペルシア語由来の男性名。ペルシア語で「王」「統治者」「君」といった意味を持つ。固有名詞として以下のことを表す。

  1. ムガル帝国第4代皇帝ジャハーンギールの5男(1596-1628)。シャー・ジャハーンとの後継者争いに敗れ処刑された。
  2. アラブ圏における説話集「千夜一夜物語(アラビアナイト)」に登場するサーサーン朝の架の王の名。
  3. ガンダムビルドダイバーズの登場人物の1人。
  4. 2018年生まれの日本競走馬本項で記述。

シャフリヤール(Shahryar)とは2018年生まれの日本競走馬黒鹿毛

町・ノーザンファーム生産、東・藤原英昭厩舎所属
馬主サンデーレーシング(バッテンでお染みの一口クラブノーザンファーム生産が多数所属)。

な勝ち
2021年東京優駿(日本ダービー)GⅠ毎日杯GⅢ
2022年ドバイシーマクラシックGⅠ

名前の意味はペルシア語で「偉大な王」。

出自

ディープインパクト*ドバイマジェスティEssence of Dubaiという血統。

ディープインパクトは現役時代三冠をはじめGⅠ7勝を挙げ、種牡馬入り後はリーディングサイアーをひた走る大種牡馬である。2018年生まれの本は11年産駒である。
の*ドバイマジェスティ2010年のBCフィリー&メアプリントの勝ちで、Essence of Dubai(エッセンスオブドバイ)はUAEダービー含め重賞4勝を挙げた。
米国由来の牝系に属し、6代まで遡ればGⅠ4勝を挙げた*ムタファーウエクなどと同じ一族である。

を見ればおっ? と思う人も多いだろう。
2017年皐月賞2019年大阪杯を制したアルアインの全である。

の活躍やその良血の背景もあり、高額一口クラブで知られるサンデーレーシングの中でも総額1億2000万円(1口300万円×40口[1])とその年の玉として募集がかかり、東の藤原英昭厩舎へと入厩する事となった。

偉大なる王

2歳~3歳春

デビュー10月菊花賞当日の京都1800mでデビュー上に福永祐一を迎え、1番人気となったレースでは中団から進め、最後の直線で先に抜け出した人気のヴィヴァンを差し切って勝利する(なお、このレースの16着(18番人気)にはのちに2022年浦和記念(JpnII)を制したクリドラゴンがいる)。

休養を挟んで年明け2月共同通信杯へ出走。ここでは2歳戦から重賞を勝っていたステラヴェローチェが1番人気となり、それに続く2番人気に支持される。上は福永継続して騎乗し、レースでは外から控えて後ろを追走。直線では外に持ち出して追い込むが、先に抜け出したエフフォーリアが後続を離し、シャフリヤールは2着ヴィクティファルスをアタマ差捉えられず3着と、収得賞金の加算に失敗する。

続いて3月末の毎日杯に出走。福永シーザリオ産駒のルペルカーリアに騎乗する為、川田将雅に乗り替わった。ここではクリストフ・ルメール上のグレートマジシャンが単勝2倍を切る1番人気で、続いて本が単勝3倍を切る2番人気となった。
9頭立てのこのレースは、ウエストバートがハナを切って逃げスタートがいまいちだったシャフリヤールは徐々にポジションを上げて4, 5番手につける。1000m通過が575とレースく流れ、直線入口では群が一段となる中、シャフリヤールは群の内から鋭く伸びて抜け出し、猛追するグレートマジシャンをクビ差従えてゴールタイムは1分439という日本レコードタイ。これが重賞初制覇となり、またアルアインとの毎日杯兄弟制覇となった。

アルアインとは異なり、皐月賞へは出走せず東京優駿(日本ダービー)焦点を定め調整が進められた。
その日本ダービーでは皐月賞を圧勝したエフフォーリアが断然の1番人気に推され、続いてオークスを蹴ってダービーにやって来たサトノレイナス、3番人気毎日杯2着のグレートマジシャンで本はそれと差のい4番人気であった。戦前は本グレートマジシャン毎日杯直行組の取捨選択が、馬券師達の頭の悩ませ所であった。上は福永祐一に戻った。
レース本番。大外バスラットレオン戦前言通りにハナを切って逃げ、続いてタイトルホルダーやグラティアスなどが続く。シャフリヤールは中中団から進め、11番からそのままインを走るエフフォーリアを横からマークする格好。3コーナー辺りからサトノレイナスが仕掛けてペースが加速。直線に入り群を捌き、シャフリヤールは残り250mで先に抜け出したエフフォーリアの2後ろに。福永が追い出すと抜群のキレ脚でエフフォーリアに並びかけ、内シャフリヤール、外エフフォーリアの態勢でゴール

ラジオNIKKEI実況が「どっちだ!?」と叫んだように全くの横一線。結果は写真判定へと委ねられたが、ハナ差でシャフリヤールがエフフォーリアを差し切り、第88回ダービーに戴冠したのはシャフリヤール。2018年に生まれた7398頭の頂点に立った。
勝ち時計2:22:5。一昨年に記録されたロジャーバローズレコード更新この勝利により上の福永祐一武豊四位洋文に次ぐダービー連覇を達成した。

3歳秋

3歳のシーズン神戸新聞杯から始動。京都競馬場が改修のため中2200mで行われ、基本ダービーを含めた前走ダービー組が優勢のレースであり、最終的に単勝1.8倍の1番人気に推された。
しかし当日の中競馬が降り次第に馬場状態が悪化。メインレースの頃には不良馬場となり、レースでは大外10番から中中団を追走。直線では外に持ち出したものの不良馬場と相まって消耗戦となり、重馬場巧者ステラヴェローチェの4着となった。

この敗戦に営は菊花賞3000mはシャフリヤールに不適と判断、同レースを回避。皐月賞エフフォーリア菊花賞を避けて天皇賞(秋)へ向かったため、クラシック競走勝利が不在のレースとなった。

次走にはジャパンカップを選択。京都大賞典を勝ってきた8歳マカヒキ秋天を経てのラストランとなるコントレイル、更にはワグネリアンまで出走を表明と、史上初となるダービー4頭が出走するジャパンカップとなった。上の福永コントレイルに騎乗する為、毎日杯で騎乗した川田に乗り替わった。
当日は引退レースとなるコントレイルに次ぐ2番人気となり、戦前不良馬場で行われた神戸新聞杯の疲労が若干不安視されていた。レースでは内の24番からスタートしたが、1コーナーで外から寄られた事もあり内ラチに突。若干ポジションが下がってしまった。その後は中団でスローペースを折り合い、直線に入って一段前にいるオーソリティ標に脚を伸ばすが、外からコントレイルが上がってくるとそれに気を取られて物見をしてしまい減速。先に抜け出したオーソリティにも届かず最後は3着に入線。その後の有馬記念には向わず、ひとまず3歳シーズンを終えた。

4歳春~

当初の予定通り、4歳ローテはドバイシーマクラシックから始動。これまではどちらかというと華奢な体であった[2]このだが、この合間に急な体重増が見られており、一時期は+49キロという凄まじい報道が流れたことも。更に上はドバイ遠征にも向かった川田将雅…ではなく初コンビとなるクリスチャン・デムーロ
これらの要因に加えて、ダービー以降の惜しい戦績やこの以前のディープインパクト産駒ダービーのその後の傾向などもあって不安なも多々囁かれており、基本的に日本が高騰しやすい内オッズでも単勝5.9倍の4番人気とやや控えめな支持で迎えた本番。
割り当てられた8番ゲートから飛び出して狙ったのは、今までとは違って好位前方からの競馬。展開が進む中インで追走しつつ最終直線で勢い良く飛び出した。その勢いのまま集団から抜け出して先頭に立ち、後方から迫り来るYibirの追撃をクビ差でぎきって1着でゴールイン。勝ち時計2:26:88。
レース前の不安はどこへやら、終わってみれば2014年ジェンティルドンナ以来久しく果たせていなかった日本勢によるドバイシーマクラシック勝利を達成。加えて日本ダービー勝ちによる海外GⅠ勝利という史上初の記録までやってのけてしまった。
エフフォーリアを筆頭に同期の活躍が立つ中、ジンクスや評判に負けじとばかりに(名前の由来とも縁深い)中東の地で偉業を成し遂げたシャフリヤール。その姿は疑いようもなく「偉大なる王」そのものであった。

ドバイ遠征のあとはいったん帰し、滋賀県ノーザンファームしがらきで着地検疫を行っている間に凱旋門賞の1次登録を済ませていたため、海外遠征をすのか?との向きもあったが、4月21日6月15日に僚グレナディアガーズと共にアスコット競馬場ロイヤルアスコット開催へ参戦し、プリンスオブウェールズステークスすことが発表された。

そのプリンスオブウェールズステークスは5頭立てとなり、番3、ゲート番号も3。日本での馬券発売も行われ、そこでは2番人気に支持された。スタートすると目隠しを外すのに手こずって出遅れたロードノースに4頭一団になって出ていくが、逃げステートオブレストの後ろにつける2番手。残り2ハロンまではるが、上り坂がこたえたのか徐々に失速。ステートオブレスト逃げ切る中、2頭にかわされて4着に終わった(出遅れたロードノースが5着なので、実質的には最下位)。

その後21日に帰し、次走はジャパンカップを予定しているとのことだったが、天皇賞(秋)に参戦。2番人気になるが、パンサラッサ大逃げで1着のイクイノックスから1身差の2着に残し、ダノンベルーガがクビ差3着、そこから半身差にジャックドールがいて、さらにそこから2身後ろの5着となった。そして本番のジャパンカップドバイシーマクラシック勝ちである彼には褒賞金が出ることになっていた。最終的には1番人気に支持される。中は後方に位置し、一気に追い込んで残り100mで先頭に立つが内側からヴェラアズールが突っ込んできて4分の3身差の2着となった(日本調教の2着の褒賞金は40万ドル)。ヴェラアズールエイシンフラッシュで、エイシンフラッシュ藤原英照調厩舎。シャフリヤールと同じ厩舎なのであった。調教師コメント「エイシンフラッシュ(産駒)に負けたな。負けるならこの馬だけだと思っていた」exitというものであった。

5歳

明けて5歳。始動戦には前年同様にドバイシーマクラシックへの遠征を選択し連覇を狙うものの、レースでは出負けして後方からの競馬になり5着。勝ったのは恐怖ノーステッキ逃げ切り勝ちを果たし世界中に衝撃を与えたイクイノックス秋天に続いて天才がまたしても見せ場を根こそぎ持っていった結果に。

にはブリーダーズカップ・ターフへの遠征が計画され、ステップレースとして札幌記念へ出走。中は中団で進めたが、3コーナー付近でズルズルと後退しデビュー以来初の2桁着順となる11着と大敗。

レース後の検喉頭蓋エントラップメントを発症していることが判明。思えばエフフォーリアタイトルホルダーも、5歳は故障で調子を落として引退や長期離脱に追い込まれていたが、シャフリヤールもその流れに逆らえなかったようである。
しかし術後の結果は良好で、予定通り米国遠征に向かう事になった。本番のBCターフでは同じディープインパクト産駒愛チャンピオンステークスを勝ったオーギュストロダンらとの対決となった。
まずまずのスタートから中団でレースを進め、4コーナーで先に抜け出したオーギュストロダンを最終直線追いかけるも差は縮まらず3着まで。敗れこそしたが、先輩ダービーの意地は見せたと言えよう。

次は香港ヴァーズへの転戦が決まっていたが、現地催者の判断で不整脈の疑いにより出走不可に。このため、帰後に有馬記念への出走となった、引退前に一つでも多くの結果を残しておきたい所だったが、結果は5着であった。

6歳

は3年連続でドバイシーマクラシックへ行くが、Rebel's Romanceに2身離される2着。も前年同様札幌記念に向かうが、前年ほどの大敗はせず5着にまとめる。そしてブリーダーズカップ・ターフへ向かうが、再びRebel's Romance勝利ローシャムパークにも置いて行かれるがほかのはきっちり抜ききっての3着にまとめた。

有馬記念に照準を合わせて調整、上に一昨年のドバイコンビを組んだクリスチャン・デムーロ騎手に託されるも抽選で藤原調教師は大外816番を引いてしまう。前年同だったスターズオンアースが初の連対を達成したものの、未だに勝利い「魔の」怪による出走取り消しがあったドウデュース含め有力が軒並み内に収まった事でこれ最低の10番人気に留まる。抽選後藤原師は逃げ宣言をするも、レースは中団外を走る1000m62.9の遅いペース。最終直線で猛追、先行していたダノンデサイルベラジオオペラを振り切りレガレイラと壮絶なデットヒートゴールを駆け抜けた。写真判定の末、ハナ差2着で史上初の大外勝利は掴めなかったが、世界舞台に奮闘した脚は健在である事を魅せた。

一時は7歳での現役続行も検討されたが、引退と社台スタリオンステーションでの種牡馬入りが発表された。これをもって、2021年クラシック世代クラシック三冠を分けあった3頭は全てターフを去り、種牡馬となることになった。

血統

ディープインパクト
2002 鹿
*サンデーサイレンス
1986 青鹿
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
*ウインドインハーヘア
1991 鹿
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere
*ドバイマジェスティ
2005 黒鹿毛
FNo.2-s
Essence of Dubai
1999 黒鹿
Pulpit A.P. Indy
Preach
Epitome Summing
Honest and True
Great Majesty
1990 黒鹿毛
Great Above Minnesota Mac
Ta Wee
Mistic Majesty His Majesty
Necaras Miss

クロス:5代までアウトブリード

関連動画

関連項目

脚注

  1. *ちなみに一口には同じく全に出資経験のある元プロ野球選手山本昌も参加していた。
  2. *ダービーの時を例に取ると、出走の中で最軽量の444キロでの出走だった。
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