新必殺仕事人とは、朝日放送(現・ABC)の制作で1981年5月4日~1982年6月25日までテレビ朝日系列で放送された時代劇『必殺シリーズ』第17弾である。全55話。
オープニングナレーション
世の中は、行くな戻るな居座るな
寝るな起きるな立つな座るな
生麦生米生卵
どじょうニョロニョロ三ニョロニョロ
合わせてニョロニョロ六ニョロニョロ
尻尾押さえりゃ頭が逃げる
頭押さえりゃ尻尾がはねる
とかくこの世は悪党ぞろい
悪人ヒョコヒョコ三ヒョコヒョコ
四ヒョコ五ヒョコ六ヒョコ七ヒョコ八ヒョコ九ヒョコ十ヒョコ
ええい面倒くせい、殺っちまえ!
ナレーター:古今亭志ん朝(三代目)
概要
前々作『必殺仕事人』の続編(3年後という設定)で、主水シリーズ第8弾。
前々作からの続投組となる中村主水、飾り職人の秀、加代に加えて、三味線屋の勇次、おりく親子が新メンバーとして加わっている他、第13話から主水の上司として、初登場から『必殺仕事人V「風雲竜虎編」』まで(スペシャルは除く)の長きにわたって主水との楽しいコントを披露してくれた、シリーズ後期の名物キャラクターの一人に数えられている筆頭同心・田中(田中様)が登場している(ただし、登場当初はオカマ口調はなりを潜めている)。
秀と勇次は普段は仲がいいとは言えないが(どちらかと言えば悪い)、殺しの際には息のあったようなコンビネーションを見せることもあってか、元からのビジュアルも含めて勇次にも人気が集まっていった。
本作から登場したものとしては他に、出陣のテーマ「仕事人出陣」と殺しのテーマ「中村主水のテーマ」という、今では超有名なテーマ曲がある。特に殺しの際には、一部の例外を除いて若手が主題歌アレンジ曲を使用し、主水(とおりく)がスローバラードの曲(本作では「中村主水のテーマ」)で殺しを行うというパターンを確立させたと言っても過言ではないだろう(前々作もそれに近いが、前々作初期は3人(主水、秀、畷左門)とも同じテーマ曲(主題歌アレンジ曲)を使用しており、後期は主水はスローバラード、秀と左門は『新必殺仕置人』の出陣曲で殺しを行っているため微妙に違う)。
また、加代も前々作から本作までの間に金をだまし取られ、本作第8話で「何でも屋」を開業したこともあってか、前々作でのキャラクターから一転して非常にバイタリティあふれる女性へと変貌している。
なお、2015年10月26日夜9時よりニコニコ生放送にて2話連続放送(※ただし毎回2話目の途中からはプレミアム会員のみ視聴可能)が行われた。
また12月26日には「仕事納めだ!「新・必殺仕事人」48時間一挙放送」と題して全話一挙ぶっとおしで生放送(※ただしこちらも一部はプレミアム会員のみ視聴可能)される。
登場人物(仕事人)
順番はエンディングでのキャスト紹介順。
- 中村主水演:藤田まこと
- 南町奉行所同心。
裏稼業からは足を洗っており、再会した加代から裏稼業復帰を持ちかけられても全く乗り気ではなかったが、とある女性の死や三味線屋親子との出会いをきっかけに裏稼業に復帰することになる。
ただ、本作では裏・表ともあまりやる気になっておらず、特に裏稼業は単なる稼業と割り切っている。殺しの際には相変わらずの腕前を見せる一方、セコ突きを多用するようになっていく。
本作ではせんとりつが勇次から三味線を教えてもらっており、二人から何かと勇次と比較されているため、勇次に対してはあまりいい印象を持っていない。
- 秀演:三田村邦彦
- いつの間にか江戸に戻ってきていた飾り職人(飾り職としての腕は相変わらずで人気が高い)。
裏稼業からは足を洗っており、加代から裏稼業復帰を持ちかけられても主水同様に断っていたが、加代が三味線屋親子と関わり、秀が勇次と対峙したことがきっかけで裏稼業へ復帰する事になる。
殺しの際には、前々作第33話より使用している持ち手に房がついた先が鋭利なかんざしを悪人の首筋等に刺して絶命させるおなじみの技を披露する(時折、勇次とのコンビネーションを見せることも)。
熱くて暴走しまくりだった前々作に比べると落ち着いている(それでも熱い部分はある)。
- 勇次演:中条きよし
- おりくと共に三味線の「はりかえどころ」を営んでいる二枚目の青年。
実は闇の仕事人であり、仕置技は三味線の糸を悪人の首に巻き、吊して絞め殺すという風体に反した力技である。当初は予め糸で輪っかを作ってからそれを悪人の首に引っかけるという方法だったが、のちに糸を投げて悪人の首に巻き付けるという方法に変わっている(どちらの方法も、最後には糸を指で弾いて絶命させている)。
性格はクールで非情。仲間ともあまり関わり合おうとしない。しかし表では色男を装い、中村家の人間を含めて女性を虜にしているため、特に主水から反感を買われている。
おりくとは実の親子ではないが、その理由を知らされてもなお、おりくを実の母親だと思っている。
- 加代演:鮎川いずみ
- 第8話より「何でも屋(なんでもや)」を開業することになるかつての仲間。
旅先で金をだまし取られて乞食同然の姿で江戸に戻っていたところを主水と再会。主水と、江戸に戻っていた秀に裏稼業復帰を持ちかけるも断られるが、持っていた三味線を直すために立ち寄った「はりかえどころ」で、クレーマーとのやりとりをしていたおりくに何かを感じたことで興味を持つも、勇次に勘づかれて殺されかけ秀に救われる。
主水が別口で裏稼業復帰を決意したことで自身も再び裏稼業へ復帰した。
- おりく演:山田五十鈴
- 勇次と共に三味線の「はりかえどころ」を営んでいる、温厚で気品ある女性
実は凄腕の闇の仕事人であり、三味線の撥で悪人ののど元を切り裂くという、かつての山田五十鈴キャラ(花乃屋仇吉、泣き節お艶、出雲のお艶、おとわ)と同じ技を使うが、これらとは別人である(同一人物は泣き節お艶と出雲のお艶のみ)。殺しを行う前には三味線を弾くこともある。
勇次が子供の頃、おりくと勇次の父親は仕事人仲間だったが、勇次の父親が裏切り行為をしたためにそれを粛正し、おりくは勇次を引き取ったという経緯を持つ。勇次はそれを知らなかったが、第1話でおりくは勇次に告白。それでもなお自分を実の母だと思っている勇次とは「親子」関係を続行している(ちなみに、親子関係の事件が起こった際には、かつての自分たちと照らし合わせ悩む場面も見られる)。
演じた山田のスケジュールの都合から巡礼の旅に出ているという設定が多く、本作最後の登場は第49話。
なお、出演時のエンディングでは、やはりかつての山田キャラ同様に起こしのテロップである。
主題歌
- 想い出の糸車
- 作詞・作曲:山本六介 編曲:竜崎孝路 歌:三田村邦彦
エンディング主題歌。
主に秀と勇次の殺しの際には、本作をアレンジした「闇夜に仕掛ける(暗闇に仕掛ける)」が流れる(この殺しの曲は、『必殺剣劇人』最終回や『必殺仕事人2009』でも使用されている)。
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