田中様とは (タナカサマとは) [単語記事]

田中様とは、『新必殺仕事人』～『必殺仕事人V「風雲竜虎編」』に登場する人物である。演じるのは山内としお（『新仕事人』では「山内敏男」名義）。

概要

フルネームは田中熊五郎であり、EDでは筆頭同心田中とクレジットされている。しかし、ファンを始めとして(オカマの)田中様と言われる方が多い。

初登場は新・必殺仕事人からであり、以降中村主水の直属の上司役として長らく登場する。上司と言っても歳は親と子ぐらいに離れており、当初はエリートの設定であった。とはいえ、その実力は「…」なものであり、とり立てて仕事面における特徴はない。田中様以前にも何人か上司は登場したが、彼ほど長く登場している人物はいない。筆頭同心とあるように役職的にはそこそこ上である。こち亀で例えれば大原部長と両さんの関係みたいなものと思われる。

最大の特徴はオカマの田中様と言うあだ名の通り、おネエなしゃべりである。このおネエしゃべりは演者の山内氏がそもそも舞台でオカマっぽくしてみた所からはじまった。しぐさもナヨッとしており、凛としていたこの手の人物のイメージとしては非常に異質かつインパクトのあるものであった。趣味も乙女チックであり、部屋もかなりピンキーらしい。但し、お見合いをしたと言う事もあり衆道ではない。また初期はおネエキャラではなく割合に普通のキャラであった。中村の事を「あんた！」と呼ぶように初期は必ずしも丁寧な感じではなかった。

事あるごとにねちねち嫌味を言うので中村にとっては口うるさい、目の上のタンコブの様な存在であり、たびたび陰口をたたいている。そうは言っても、年齢を経過すると情が出てきたのか単純に邪険に扱う事が少なくなった。また、八丈島に飛ばされそうになったが仕事人の活躍によって、手柄がたなぼたとなり、取りやめになった。ちなみにその際に中村は…

♪鳥も通わぬ八丈へ～、流～れ～流れて行くわいな～、哀れ田中の行く末は～、フカの餌食か鳥のエサ～♪

と歌っていた。田中様が(#^ω^)ﾋﾞｷﾋﾞｷしながら後ろに立っていた事は言うまでもない。

彼の登場、そしてオカマキャラの確立によって、これ以降の必殺シリーズはよりソフトな作風とコミカルな路線に走ったことにより、それまでの必殺シリーズのハードボイルドでメリハリのある作風を好む古参のファン層からは必殺シリーズはオワコン的な言われ方をされたが、割かしモブな扱いである主水の周辺人物の印象付けや幅広い年齢層に必殺シリーズの人気を広げる存在になった事は疑いの余地はない。

余談（必殺シリーズ終了後）

藤田まことと山内としおはフジテレビ系時代劇「剣客商売」（原作・池波正太郎）で再び共演を果たす。その際藤田は凄腕の剣客・秋山小兵衛を演じ、山内は（小兵衛の弟子が務める岡っ引きの）下っ引き・徳次郎を演じている。つまり、筆頭同心から下っ引きへの大左遷にあい、両者の立場は完全に逆転してしまっている。