松阪牛とは (マツザカジャナイヨとは) [単語記事]

松阪牛とは、三重県の定められた区域で飼育された和牛である。

概要

「神戸牛」「近江牛」「米沢牛」と並ぶ日本三大和牛の1つに入る高級ブランド牛と言われている^[1]。松阪牛とは以下のように定義されている。

黒毛和種で出産を経験していない雌牛

個体識別管理システムに登録されていること

松阪牛生産区域^[2]での肥育期間が最長・最終であること

生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域内に限ること。

きめ細かなさしが入り、それでいてまろやかでくどくなく蕩けるような食感が特徴である（初版作者は食ったことないので、この表現が精一杯です）。

江戸時代ごろからこの地域では牛が農耕用として使われていた。紀州に持ち込まれた但馬牛が2才ごろになると松阪に持ち込まれていた。つまり今の兵庫県北部→和歌山県（または三重県南部）→松阪というルートで入っていた。

明治時代に入ると牛肉食が日本で広まり、玉城町の獣医師・家畜商だった山路徳三郎が農民に肉牛飼育を勧め、毎月 150頭ほどの牛の隊列を組ませて東京まで送り込む「東海道牛追い道中」を始める。

また、同時期に松田金兵衛が松阪で精肉店「和田金」を創業し、周辺で取り寄せた良質な牛肉をすき焼きにして提供し始めた。こうした環境により牛農家たちが牛肉の質の向上に励み、1935年の全国肉用畜産博覧会で名誉賞を獲得したことで、全国的な知名度が高まった。

2002年以降に指定基準が緩くなったこともあり、松阪牛の牛肉やそれを使った料理、食品は以前よりもお手頃な価格で食べられるようになりつつある。

現在でも但馬牛をはじめとして全国各地から買い入れた仔牛が松阪で育成されている。松阪は牛のトレセンなのかもしれない。

大まかな地図では下記のようになる。

上記は平成の大合併前の自治体である。松阪牛の生産地域は合併前の境界で決められている。

現在の津市・伊勢市に関しては、松阪牛の生産地域でなかった市町村とも合併しているため、現在でも松阪牛生産地域ではない範囲を含んでいる。

松阪牛協議会や松阪牛を取り扱っている精肉店等によれば、ちゃんと「まつさか」と読んでいれば「まつさかうし」「まつさかぎゅう」どちらも正しいとのこと。言うなれば、「まつざか」や「松坂」でなければOK。

松阪の地名は武将の蒲生氏郷によって、以前からあった周辺地名の「松ヶ島」と、仕えている豊臣秀吉の町である「大阪」からつけられたとされるため、「大阪（おおさか）と同じ」と覚えておくといいかもしれない。