深夜バス 単語


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シンヤバス

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深夜バスとは、深夜に運行される路線バスのことである。

  1. 概ね23時以降に割増運賃にて運行される一般路線バス
  2. 概ね24時以降に運行される、運行距離15~50㎞程度の路線バス⇒深夜急行バス(深夜距離バス)。
  3. 夕方~出発し、翌日~午前中到着する長距離路線バス夜行バス(夜行高速バス)。『高速バス』の記事も参照。移動中に乗客が仮眠を取ることを念頭に置いて運行される。テレビ番組水曜どうでしょう」でこの夜行バスを誤って「深夜バス」と呼び続けたが、番組が全的な人気となった結果、今となっては誤称(日本語の誤用)とは断じにくくなっている…。

1の概要

一般路線バスは、都市周辺地域でも終バス22時台であり、日付を跨いで24~25時台まで運行が続く鉄道との間にギャップが存在した。多摩ニュータウンなどの郊外団地は最寄から距離がある立地の場合が多く、団地住民からバス事業者や自治体へ対応をめる陳情等が多く寄せられていた。

1970年東京都町田市小田急電鉄鶴川駅団地行き【11】の終バス後の追加運行として、23時台に2便が設定されたのが深夜バスの起とされている。貸切扱いで通常運賃の3倍、定期券回数券使用不可というレギレーションではあるが、当時はタクシーも不足しており待たされる上料金も高いこと、丘陵の上の団地へは徒歩が現実的ではなかったことから受け入れられた。但し、このレギレーションを「ぼったくり」と考え反発、会員制バスの運行を行った住民有志もいたそうである。

その後、バス協会や自治体によりあらたにさだめられたのが、特定輸送扱いで通常運賃の2倍、定期券所持者は通常運賃徴収という現在まで続くレギレーションである。基本的には、深夜でも集客が期待できる住宅団地フィーダー路線が選ばれ、行の路線をそのままなぞるルート設定が多いが、集客のため独自の複数の住宅団地を経由するような独自ルートを設定する事例もある。運行エリア・事業者は首都圏のみならず近畿圏・中京圏福岡市などにも拡大し、地方都市によっては金曜日深夜のみ深夜便を設定する事例もみられる。

深夜時間帯に行動する人は、ライフスタイルの多様化から飲食・遊の人が増加する一方で、バブル崩壊や働き方改革により勤め人が減少しており、深夜バスでも郊外団地帰宅者向け路線などで限定的な縮小や統合が行われた。さらに2020年新型コロナウィルス感染拡大に伴う行動自粛が大きく、多くの深夜バスが休止となった。自粛ムードが緩んだ後も復活しない事例が多く、前述の【11】団地行きも現存していない。

の機会が増える年末や歓送迎会などの時期のみ、「最終バス出発後に運転」という純然たる臨時バス方式で運行する事業者もあった。この時、バス会社および会社である鉄道会社がグループタクシー会社も抱えている場合は、その会社が営む事業や所属するタクシー連合線配組織などに配慮し、深夜バスの運行に消極的な姿勢を取る例もあった。

2の概要

都心ターミナル駅や繁から、直接郊外地域へ向かう路線である。終電すらくなる24時以降に出発し、終点には遅くとも午前3時前後に到着するダイヤ設定である。的地までは高速道路を走行するが、ごく少数一般道路のみを走行する路線もある。事業者によっては愛称を付与(「ミッドナイトアロー国際興業・「はんな号」奈良交通 など)して呼ぶことがある。1の事例と異なるのは、「行の路線バスが存在しないこと」「起点以外の乗は行わないこと」「1ドアの長距離路線用バリアフリーに対応しないこと」などが挙げられる。曲がりなりにも高速道路を経由するため立席の車両を充当する必要があるためである。

これら深夜急行バスにおいては、タクシー料金よりは低いものの、類似区間を鉄道で行く場合の3倍~7倍、路線によってはタクシーよりはちょっと安くて済む程度といった、かなり高額な運賃が設定されている。また、交通系ICカード対応車両が配され、それにより運賃を決済することで割引がなされたり、はたまた運賃支払いは現金に限り、カード類での支払いを一切受け付けない(旧式の現金単運賃のみ取り付けられた車両が配される)など、対応はまちまちである。

前述の新型コロナ問題は、深夜急行系のバスには特に致命的であり、2020年にほぼすべての路線が休止された。その後の自粛ムード緩和を待たず事実上撤退した事業者が多い。

3について補足

地方民国鉄(JR)を「汽車」と呼ぶように、今や夜行バス(夜行高速バス)を「深夜バス」と呼ぶのが定着している。実際、ニコニコ動画タグで39件、キーワードでは214件がヒットしたが、ほとんどが夜行バス(加えてどう系旅動画)である…。

終夜運転バスの試行的導入とその後

2013年の年末から2014年11月1日未明までは、都営バス渋谷駅前~六本木駅前間を結ぶ【深夜01】の終運転が試行された。運転日は日で記すと休日を除いた火曜から土曜午前1時~午前5時までの便で、警備員も警乗していた。運賃は1乗につき通常運賃の倍額・400円。このような、利用客(受益者)から割増運賃を徴収することにより深夜交通手段を安全・低廉に提供するシステムは、他大都市においては、ある程度の居住者数・後背人口を抱える地域であれば恒常的に幅広く見られるバスサービス(同様に割増運賃を徴収して、地下鉄路面電車の終運転区間も設定がある都市・路線・地域・日がある。例:ニューヨーク地下鉄プラハ電など多数)である。

猪瀬直樹東京都知事(当時)が「ニューヨークと同じように、都バス24時間運行にしようと思っています」との肝煎りで始まった試行事業であったが、その後の舛添要一都政における方針転換により同日付けで中止となった。奇しくも最終運行日はハロウィーンにあたり、その日に最高輸送人員を記録して終了となったというのは、まさに皮というべきほかに言葉が見当たらない。

一方、空港アクセスにおいては片のみ・1時間に1本程度の間隔ではあるものの終運転されている路線もあり、一種の終運転バスと捉えることも出来る。

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