爆弾低気圧(ばくだんていきあつ)とは、台風などに匹敵する暴風雨(暴風雪)を発生させる低気圧である。
これ自体は温帯低気圧に分類され、熱帯低気圧である台風とは性質を異にする。
1980年にマサチューセッツ工科大学の気象学者フレデリック・サンダースらによって提唱された、比較的新しい気象の定義である。
現在の世界気象機関(WMO)が定義するところでは、計算式“24hPa×(sinφ/sin60°)”以上の中心気圧中心気圧の低下が見られた温帯低気圧(φは緯度)を指す。…なんのこっちゃってなるかもしれないし、日常生活でこの辺まできっちり覚えておく必要はないだろう。
とにかく、きわめて短時間の間に急速に発達する、台風とは違う低気圧は爆弾低気圧になるという認識を持っていればとりあえず大丈夫である。
爆弾低気圧は冷たく乾燥した大陸性気団と暖かく湿った海洋性気団が衝突する大陸辺縁部の、特に東岸で、冬季に多く見られる現象である。
とりわけ冬から春にかけての日本列島では世界的にも爆弾低気圧の発生が多い環境にあり、台風とは異なりながらもその実台風とほぼ同じくらいの荒天を引き起こしては我々の生活に大きな爪痕を残してきた。
台風と比べ、同じタイミングで広い範囲に影響を及ぼすことと、大雪を伴い場所によっては大量の積雪をもたらすことが爆弾低気圧の恐ろしいところである。冬の嵐から春一番にかけての時期、気候の急変が予報される際には爆弾低気圧の発生についても視野に入れ、災害対策に取り組むことが重要である。
英語では“bomb cyclone”。誰が言い出したかは不明瞭だが、手抜き直訳ながら爆弾がパワーワードであるために爆弾低気圧という名称が一頃を機に急速に広まった。
気象庁に曰く使用を控える用語ということで一般的な気象予報などではこの名称は用いず、急速に発達する(した)低気圧(気象庁)や、猛烈に発達する(した)低気圧(NHK)などと表現されることがある。
また一部のメディアでは猛烈低気圧と表記するなどし、読売新聞ではこれに言い換えて記載すると明言する記事を掲載したことがある。
ある意味ではゲリラ豪雨と似たような扱いの用語と言える[1]。ともに流行語になるほど現代すっかり普及しきった言葉であるが、歓迎されない背景がある事を考えるとこういった言い換えくらいはセットで覚えておいてもいいかもしれない。
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最終更新:2024/04/19(金) 17:00
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