硫化水素 単語

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リュウカスイソ

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硫化水素りゅうかすいそ)とは、硫黄水素による化合物である。常温環境下では色の気体で、独特の刺臭がする。諸々の事件のせいで恐ろしい物として認知されてしまったが、割と身近に存在する物質でもある。

概要

  • 化学式H2S。分子量は34で、気体の状態では空気より重い
  • 常温では気体で、沸点-60.7℃、融点-85.5℃。
  • によく溶け、溶液は弱性を示す。
  • 可燃性。一応爆発の恐れあり。
  • 性があり、濃度によっては死亡することも。深海にはこれを栄養にする微生物が存在する。
  • 「腐ったの臭い」のする色の気体。温泉地だと湯気に混じっているためか、白色の気体と思われがち。
  • 工業的にも製造されており、硫黄化合物の原料として利用されている。

もくもく煙る火山で感じるあの臭い、それのもとがこの硫化水素である。「腐臭」という言葉は、この硫化水素のためだけに存在するようなものである。そうは言っても、現代においてを腐らせて臭いを嗅いだことのある人はそうそういないだろうが。ちなみに、そのの腐った時の臭いの成分も硫化水素であって、「硫化水素の臭いは硫化水素の臭いです」と言っているようなものである。

硫化水素は火山のみならず、硫黄を含む物質を燃焼させたり、微生物分解など、色々なところで発生する。以下はその一例たち。

中には、硫化物を含んだ石膏ボードが腐敗して、そこから硫化水素が発生したという事例もある。微生物による硫化水素の発生は嫌気呼吸(酸素を使わない呼吸)によるもので、陸上のものなら通しが良ければ発生しにくくなる。むしろ水中の、特にヘドロの溜まったところでは発生しやすく、悪臭の原因となる。

毒性

2007年頃から、硫黄を含む入浴剤を使って硫化水素ガスを発生させ、それによって自殺を図る事件が多発した。2008年時点で1000人をえるガス自殺が起き、一躍社会問題と化した。よくある「まぜるな危険」と書かれた剤を混ぜて発生させるもので、材料も入手しやすかったのが流行の一因ともなった。おかげで製造元は多大なとばっちりを被ることになる。混ぜるなって注意書きしたのに…

硫化水素は性があることは昔から知られており、観光火山などでは必ず注意書きが用意されている。今では撤去されてしまったものの、かつて大涌神奈川県箱根町)の注意書きには状況による対処が書かれていたが、致死量の場合「あきらめてください」と書いてあったのが印的。

ちなみに、「あきらめてください」の前は「中おこします」(ただし、この2つは何者かによる落書きだとする説もある)。濃い硫化水素にされると、まず皮膚の膜(、口、喉など)がしく痛み、さらに吸い込むことで気がやられて呼吸困難に陥る。状況にもよるが、の損傷状況では処置しても助からない。吸入した硫化水素はから吸収されて血液も冒し、血球を緑色に染めるため、死体緑色の変色部分を作りだす。検索してはいけない言葉の中に「グリーン姉さん」というものがあるが、これはその硫化水素で血液が変色した死体の画像と言われている(グロ画像なので見る場合は自己責任で)。

自殺方法として流行したのは、インターネットでのアングラ情報流通とマスコミ報道による知名度向上が原因の一端とも言われているが、おそらく「楽に死ねる」と思われたからこの方法が選ばれたのだろう。上記の中症状を鑑みるに、お世辞にも楽な死に方ができるとは思えないし、また死に様が非常にむごたらしく、を撒き散らすことで周囲に迷惑をかけることにもなる。死ぬなとは言わないが、この死にかただけは勘弁してほしい。

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