簑田浩二とは (ミノダコウジとは) [単語記事]

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簑田浩二（1952年 3月11日～）とは、阪急ブレーブス、読売ジャイアンツに所属していた元プロ野球選手である。

現役時代は打撃・走塁・守備・バントなどの小技等すべての分野で高い技術を持つ万能外野手として活躍し、福本豊や加藤秀司と共に黄金期の阪急ブレーブスを牽引した。

概要

OB
簑田浩二
基本情報
出身地	広島県
生年月日	1952年 3月11日
身長体重	174 cm 68kg
選手情報
投球･打撃	右投右打
守備位置	外野手
プロ入り	1975年
引退	1990年
経歴
選手歴広島県立大竹高等学校三菱重工三原阪急ブレーブス(1976年-1987年) 読売ジャイアンツ(1988年-1990年) コーチ歴読売ジャイアンツ(1991年-1995年)
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1972年に南海ホークスからドラフト4位で指名されるが、当時の簑田はプロ野球に対して興味も自身もなかったためこれを拒否。その後2年連続で社会人野球の都市対抗に出場し活躍すると、75年には阪急ブレーブスからドラフト 2位で指名され、プロ入り最後のチャンスという思いから入団を決める。

1年目は一軍定着には至らず、翌77年も86試合に出場したがレギュラー定着はならなかった。しかし77年の巨人との日本シリーズにて、第4戦の1点ビハインド、9回2アウト1塁という場面で代走で出場した簑田はすかさず盗塁を決め、阪急の代打の切り札・高井保弘のレフト前安打で一気に本塁まで駆けぬける。
左翼は張本勲に代わって二宮至が入っており、二宮の好返球でアウトになるかと思われたが、中継に入った三塁の高田繁の送球が逸れたことで捕手の吉田孝司のタッチをかいくぐってセーフとなる。
一歩間違えれば本塁アウトで試合終了もあり得た場面での思い切った走塁は高く評価され、この試合を逆転勝利でおさめて勢いに乗った阪急は翌日に日本一を決めている。（ただし上田利治監督からは「スタートが遅い！」と怒られたという）

78年はそれまでのレギュラーだった大熊忠義の怪我もあり、二番・左翼のレギュラーを掴むと、安定した打撃と積極的に次の塁を狙う意識から盗塁も数を住み重ね、この年はリーグ7位の打率.307、17本塁打65打点61盗塁とすべての数字で文句なしの成績を残す。しかし盗塁は同じ阪急で1番を打つ福本豊の70盗塁には届かず、タイトルは獲得できなかった。とはいえ、一番打者の福本と二番打者の簑田では求められる役割も違うので致し方のない事ではあるが。初のベストナインとダイヤモンドグラブ賞に選出される。

79年は前年に比べてすべての数字を落としてしまうが、80年は開幕から打撃が好調で、本塁打・盗塁を順調に重ねていき、この年は31本塁打79打点、39盗塁を記録。しかし打率は4月こそ.373を記録したがその後は伸び悩んで最後は.267まで下降し、トリプルスリーは逃している。そのかわりこの年は31犠打で本塁打・盗塁・犠打での変則トリプルスリーを達成し、この記録は日本では簑田のみ。

1981年より、前年限りで退団した強肩巧守の外野手バーニー・ウィリアムスに代わり、ライトにコンバートされる（背番号1も受け継ぐ）。翌1982年は、打線のテコ入れのために8月11日の近鉄バファローズ戦から3番を打つようになった。

加藤秀司、島谷金二、ボビー・マルカーノらがチームを去り、顔ぶれが大きく入れ替わった1983年は開幕から3番打者として躍動した。打率は1978年以来となる3割を記録し、打率.312、32本塁打92打点、35盗塁で中西太以来実に30年振りとなるトリプルスリーを達成した。またこの年は守備でも両リーグ最多の17補殺を記録している。

翌1984年も開幕から絶好調で、同僚ブーマー・ウェルズとの激しいタイトル争いを繰り広げていた。しかし、6月14日の西武ライオンズ戦から左手甲痛を訴えて一時離脱すると、そのまま急失速してしまった。

1985年は4月17日の日ハム戦で頭部死球を受けてしまい、一月以上の長期離脱を強いられてしまう。ただ、頭部死球の後遺症はさほど残らず、成績そのものは昨年とほぼ変わらないものを残した。

致命的なものとなったのは、翌1986年 4月30日のロッテ戦での自打球である。自打球を左足すねの部分に当てた簑田は、ケンケンをしながら打席を外して屈伸運動をした。その時、「ボキッ」という鈍い音をグラウンドの収音マイクが拾った。その場にヒザをついて動けない簑田。すぐさま市内の病院に運ばれた。診断は最悪の「左足脛骨の亀裂骨折」全治1カ月。しかし結局8月まで復帰出来ず、.313という高打率は残したものの打席数は半減した。

1987年は1年間レギュラーを守ったものの、打率はレギュラー定着後最低の.241に低迷する。そして、シーズン終了後に読売ジャイアンツへのトレード（金銭）が発表された。

89年にはわずか37試合の出場に終わるものの、近鉄バファローズとの日本シリーズでは3連敗で後がなくなった第4戦目に不調だった緒方耕一に代わって一番・右翼に抜擢され、初回に二塁打を放ち、犠打で三進し、岡崎郁の犠牲フライで生還する。この先制点から巨人は勢いを取り戻し、見事4連勝で大逆転日本一を決めた。

翌90年のシーズン途中にて現役を引退し、コーチに就任。91年から95年まで打撃コーチや守備コーチを歴任した。

現在はプロゴルファーとして活動している。