美しく残酷にこの大地から往ね!とは、東方緋想天において八雲紫が比那名居天子に放った怒りの台詞である。
このセリフが出た東方緋想天は、天候や地震の異変が起きてから解決するまでの数日間を舞台にしている。
主人公の博麗霊夢により比那名居天子が倒され、天気についての異変が解決してめでたしめでたし……というのは、実は全体の90%程度の状況でしかない。
使用キャラクターの一人である八雲紫のストーリーモードは、天子が異変を起こした本当の目的が発覚する最終章的な立ち位置であり、紫編で一番最後に彼女が発するセリフである。
(なお、比那名居天子のストーリーモードはいわゆる後日談なので、さらにこれよりも後の展開になる)
緋想の剣の能力により天候と気質を乱し、さらにピンポイントの大地震を起こして博麗神社を倒壊させた比那名居天子。
自己中心的な思想の彼女は、博麗霊夢のストーリーにてボコボコにされ、仕方無しに神社の再建に着手することになった。
しかし、この展開こそが天子が異変を起こした本当の目的だったのだ。
再建のどさくさに紛れて天子は、比那名居一族のみが扱うことのできる要石を神社の真下に埋め込んだ。
比那名居の要石は地震エネルギーを抑えつける能力があり、抜き差しするだけで簡単に大地震を発生させることができるという大変危険な物。
博麗神社、およびその巫女の博麗霊夢は幻想郷を守る「博麗大結界」を管理している立場であり、そこに大地震を起こす原因を埋め込んだというのは、言うなれば幻想郷の首元にナイフを突きつけたようなものである。
しかも、永江衣玖のストーリーモードをプレイすればわかるが、彼女は要石を埋めた深い理由は「無いよ」と言い切り、つまり遊び半分でこのような危険な状態を作り出したのだった。
一方、ひと通りの異変が解決したと思われた後、何かに気が付き活動を開始した八雲紫。
(途中、今回の異変中に仕事をサボったことで、彼岸に行く前の幽霊が消滅するという二次被害を出した小野塚小町に対しても制裁を加える)
再建が停滞しているにも関わらず姿を消した天子に違和感を感じ、その真意を暴くために彼女を探し始め、ついに新しい博麗神社の落成式当日に彼女を追い詰める。
やはり天子は神社の下に地震を操作できる要石を埋め込んでおり、幻想郷でも比那名居の領地を手に入れようと考えていたのであった。
愛する幻想郷にきまぐれの遊びで異変を起こされ、ボコボコにされても尚まったく懲りていない天子に紫もご立腹。その腹積りに反感の意を示す。
なのに当の天子は
「ええそうよ、良いじゃないそのくらい。だから何?」
と完全に開き直り、さらに
「ふふ、地面を這い蹲っている土くさい妖怪が愉しい事言ってくれるじゃないの」
「貧しくも恨み無きは難し。地上に居るからって僻まない事ね!」
なんて言って煽る煽る。
きまぐれで異変を起こした上に、天より下がどうなろうと知ったこっちゃないとばかりに言い切る彼女に対して
ついに紫はキレた
紫も同じく孔子の言葉を用いて返す。
「富て奢る無きは易し。鼻につくわ、その天人特有の上から目線」
そして決め台詞の
「美しく残酷にこの大地から往ね!」
幻想郷を揺るがす者に対しては激情を露にすることが明らかになった貴重なシーンと言える。
いつも口調は丁寧語で、二人称は「あなた」で語尾は「~だわ」なのに、この時ばかりは天子を「お前」と呼ぶ他に脅すような命令口調だったことから、その怒りがどれほどなのかよくわかる。
そして、この言葉通り天子はフルボッコにされ、再建された神社は紫に破壊されてしまう。今度は伊吹萃香によって再建されることになった。
今作の対戦モードでの2人の勝利セリフを見てみると、次のようなことがわかる。
紫VS天子で、紫が勝利時に「投我以桃、報之以李。私に桃を持ってくれば、李を持って許しましょう」と言う。
これは中国の「詩経」という詩編の一説であり、紫の状況と合わせて意訳すれば「誠心誠意を持って謝れば、まぁ許してやらんこともない」という意味になる。
一時的に幻想郷を危機にさらしたとはいえ、それでも相手を許す姿勢があるという紫の寛大な心がよくわかる。
じゃあ天子が勝ったときはどんなことを言うのかって?
そうだな、こう言うんだ。
「清流の清濁はその源にある。幻想郷の妖怪達がチャランポランなのは貴方の所為ね」
意訳:下界がダメダメなのはお前がいるからだよアホ妖怪! バーカ!
ちなみに、続編である東方非想天則の対戦時は、紫は勝利時に「天界に昇った猿は、与えられた役職に怒って反逆し、結果、山に閉じ込められるのです」と、天界で自由に暴れ回った末にお釈迦様に成敗された西遊記の孫悟空になぞらえて彼女を皮肉っている。
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最終更新:2025/12/08(月) 13:00
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