胡錦濤

胡錦濤、(こきんとう、フージンタオ)とは、中国の政治家であり、国家主席である。胡錦涛とも

概要

前の中国の国家元首である。

その権限は国家主席のほか、共産党総書記、人民解放軍の最高司令官である中央軍事委員会主席を兼任することで政権を握っていた。

1942年、上海の小学校教師の家庭に生まれる。運動音痴ながらも成績優秀で、中国の工学系最高学府である清華大学へ進学する。

大学時代は演劇部の部長を務め、かかあ天下で知られる嫁と知り合うなどかなりリア充な生活を送っていたようだ。

しかし、この時は文革の真っ最中であり、教師や知識人は迫害を受けていた。そんな中、胡錦濤は時代の流れとしてはKYともいうべき進路である教員を目指すため大学院に進む。

大学院卒後、水力発電のエンジニアとして内陸部へ赴任する。

そこでの勤務成績が非常によかったため、後に胡錦濤派の支持基盤である中国共産主義青年団(共青団)の甘粛省の支部長(第一書記)に指名される。

文化大革命も収まったのち、胡耀邦(こようほう)総書記と出会うことで、彼の弟子入りをはたす。

が、胡耀邦が失脚すると、胡錦濤自身もチベットへの赴任を命ぜられた。事実上の左遷である。

しかし、これが皮肉な話、将来の最高指導者への道を決定づけるのであった。

チベット赴任の際には、戒厳令を布くことで暴動を鎮圧する。この決断力が買われ、再び出世への道が開かれる。

わずか49歳という異例の若さで中央委員会常務委員と国家副主席に就任する。事実上、江沢民の次の指導者に内定されるのであった。

その後、院政を行おうとした江沢民の妨害を切り抜けて、無事最高指導者に抜擢される。

党の政治的思想として「科学的発展観」を政策に盛り込むことで、それまで放置されてきた格差是正を優先的に取り組むことを公約に掲げる

これをうけて、経済成長、市場経済優先を掲げる江沢民派との主導権争いが増してしまう。

中国の人権問題が世界中で非難されているなかで、一大イベントである北京オリンピックと上海万博を無事に成功させる。

一方で、日本への外交姿勢は比較的穏健である。

その態度は反日教育を和らげるほか、中国の首脳として初めて日本のODAに感謝の意を述べたことで表されている。

また、尖閣諸島問題にたいしても、うやむやに領有権主張を促すのではなく、あくまでも相互理解のもとで解決していくべき姿勢をつらぬいている。

他にも毒入り餃子事件で悪化した日中関係の改善を図るため来日をはたす。国家主席としては異例の10日という長期滞在期間にくわえ、国連安保理の常任理事国に日本を加えることに賛成の意思をしめす。

このように中国の政治家にしては露骨に反日態度を表していないことがうかがえる。

2012年11月、10年間在任した中国共産党総書記を習近平にゆずる。

2013年3月、全人代(日本で国会に相当)が開かれ、国家主席の任期を無事終える。

政権を受けついだ習近平は、胡錦濤政権で取り組まれていた格差是正を引き継ぐことを公約する。

現政権では李克強首相が胡錦濤の一派に属するが、保守派の支持を受けている習近平とどう付き合っていくのかが、注目されている。

胡錦濤は反日なのか

「中国の政治家＝反日と見てしまう人が多いようだが、これは短絡的な見方にすぎない。

しまいには胡錦濤でググレば検索キーワードとして「胡錦濤　死ね」と出てきてしまうありさまだが、ちょっとまってほしい、。そもそも江沢民が反日政策を行う以前の日中関係はむしろ良好であったのにくわえ、このころの胡錦濤も親善として来日を果たしている。

そもそも、彼が尊敬する胡耀邦は親日政治家として有名であり、その影響を受けている可能性は十分にありえる。

しかし、派閥争いが激しい中共の組織内で露骨に親日をアピールすれば、それだけで売国奴のレッテルをはられる可能性があるため、建前上は反日であることが無難である。

現在の国家主席の習近平は抗日戦争の将軍を父にもつ人物であり、中国を反日に仕立て上げた張本人である江沢民に近い人間である。

一方で李克強首相は来日を経験しており、胡錦濤と親密な関係にあたる人物である。

このような、複雑な関係が絡み合っているなか、一概に反日と決めつけることは的確ではない。

動画

関連項目

• 中国共産党
• 人民解放軍