なあに、すぐに幸せになれるさ。
なんにも自分で考えなくてよくなるからな。
さあ、すぐにとりかかろう!
野球ガ デキテ タノシイナ♪とは、パワプロクンポケット7(パワポケ7)のバッドエンディングの一つである。
実況パワフルプロ野球のサクセスモードやそのスピンアウト作品はどれもこれも毒のあるシナリオが有名であるが、特に携帯機向けスピンアウト作品パワポケ7のノーマルバッドエンドは最強のトラウマエンドとしても知られている。
このアルバムの出し方は花丸高校の助っ人として現われたヒーローズのリーダー・レッドが悪の秘密結社「ワルクロ団」と結託していたことを主人公が知った後、ヒーロー達を追い出すために仕掛けた7月4週の対ヒーローとの野球勝負で負けること。
負けを認められない主人公達はマスコミにヒーローズとワルクロ団の癒着をバラそうとするが結託の事実を知られないために団員ごと洗脳させられ、野球以外「何も考えなくていい」存在にさせられてしまう。
EDは一枚絵で、弔鐘の音と共に明らかに幼児退行か精神崩壊をきたしたような一枚絵が表示される。そして極めつけに、どう見ても心身荒廃を思わせるグネグネと歪んだ「し あ わ せ」の字が表示される。このエンディングまでの「ヒーロー」の所業を知っている者からすれば決して笑えるものではなく、むしろトラウマになる内容である。
これ以外にもパワポケ7では「ヒーロー達がプロ野球入りして主人公を初めとした普通の人間をプロから追い出す」「主人公をおうど色マスクとしてヒーロー入りさせる」など毒のあるBADENDが多い。トゥルーENDに入るには野球勝負とミニゲームでヒーローズを二度撃破し、レッドを「乗り越える」必要がある。だが両勝負とも難易度は高い。
余談だが、7を最後にパワプロクンポケットシリーズはジャンルを「スポーツ・育成」から「野球バラエティ」に変更した。
2021年2月25日、パワプロアプリに「花丸高校編」が実装され、このバッドエンドも再現された(育成自体は強制終了となるが選手登録自体は可能である)。
そもそもレッドや芹沢真央(隠し彼女でブラックの正体)を初めとしていたヒーロー達を生み出していたのは、7主人公が幼いころに書いた落書きと願いによるモノ(後のシリーズでは「具現化」と呼ばれている)。
つまりこのエンディングは主人公達が自らの妄想の産物に負けてしまったという事であり、妄想が現実に定義されてしまったという事を意味する見方も出来る。
だが同時に本来は甲子園へ行く実力もなかった弱小野球部の花丸高校が、それでも甲子園で立ち向かえる実力を身に付けられたのはレッド達に対する反抗心のおかげであり、レッド達を乗り越えようとしたから甲子園へ向かえるようになった。
その事実に対して悩んだ主人公は協力してくれた(自称)悪の科学者の黒野博士に疑問をぶつけるが、その際に黒野博士から「悪の反対は善、善の反対は悪じゃ。『正義』の反対は、別の『正義』あるいは『慈悲・寛容』なんじゃよ」という名言を説かれる(ちなみに野原ひろしの名言ではなく黒野博士の発言が元ネタである)。
パワポケにおける正史では主人公達はレッドを乗り越えて甲子園で優勝した事になっており、「乗り越える壁」として立ちはだかってくれたレッドに対し主人公は「ありがとう」とも言っている。
このようにトラウマ級のバッドエンドだが正史では別になんともないという現象はパワポケダッシュのツンデレお嬢様・南雲るりかの縦読みBADENDに通じるものもある。
彼女もよくトラウマと呼ばれているが正史ではむしろ主人公に救われて結ばれた可能性が高い。むしろGOODENDが存在しない人物の方がダメージは大きい。なんとかまゆりさんとか。
以後のシリーズでは「悪と戦うのではなく、身近な人々を救うボランティアも活動の一つ」というアメコミヒーローに影響を受けた芹沢真央によってヒーロー達は率いられる事になる。
結局ジャジメントだかツナミだかと戦い続けるハメになるけどな!
7当時は客観的には「誤った正義」を振りかざしていたレッド達だが、ヒーロー達はDSシリーズにもサブキャラあるいは主人公(らしき人物)や攻略可能ヒロインとして再登場する。
パワポケ9では「さすらいの風来人が商店街を救うべくスーパーとの野球勝負の助っ人に参加する」というシナリオ。
ここでも元居たメンバーと助っ人による対立が起きてしまい、9の主人公は7におけるレッドの立ち位置を彷彿させる。
しかし9においては7では果たされなかった「元居たメンバーと助っ人組の和解」が成立。9の主人公も勝ったからといって、7時代のレッドと違って負けた相手をし あ わ せにする等の暴利は振るっていない。
特にサイボーグ娘の広川武美とのエンディングにある「幸せな日々」の部分は7時代でレッドが7主人公達を陥れようとした「し あ わ せ」のそれとは真逆の性質と言えよう。
なおパワポケ9の主人公は復活したレッドではないかという説がある。14でレッドが再登場した際に商店街に対する思い入れが強いことからそれを強く匂わせる。だが公式ではノーコメント。ロマンだねぇ、けらけらけら。
他にも7時代に「嫌なヒーロー」の一人だったピンクだが、パワポケ12ではヘタレ化しつつも12主人公との交流や大江和那との対決を経てヒーローとして成長していった。
初登場時は「間違った正義を振るう存在」として描かれていたヒーロー達だが、後のシリーズでは彼らの成長も一つの見所となっていった事は付け加えておきたい。
まぁ、でも7の鬼畜野球と鬼畜ミニゲームはなかなか擁護出来ないけどな!
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最終更新:2024/04/25(木) 15:00
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