20式5.56mm小銃とは (ニイマルシキゴテンゴロクミリショウジュウとは) [単語記事]

20式5.56mm小銃とは、日本の陸上自衛隊が採用している自動小銃(突撃銃)である。

表記および呼称は5.56mmの部分を抜いて「20式小銃」とも。また、陸上自衛隊では「ニーマル」、海上自衛隊では「フタマル」、航空自衛隊では「ニーゼロ」と、組織ごとで呼び方が全然違う。

概要

従来の89式5.56mm小銃の後継として2020年度に採用された新型小銃。製造は豊和工業。

新小銃の存在については防衛省が2020年 5月18日に東京・市谷においてメディアに公開。Twitter上でも陸上自衛隊(広報アカウント)が同じ日に投稿し公開した。自衛隊としては約30年ぶりになる制式小銃の更新ということもあって、一時期ネットではトレンドのワードとして上がっていた。

2020年度は約3300丁を調達し、離島防衛や奪還を行う水陸機動団などへの配備を優先していくという。

なお、遊戯銃メーカーの東京マルイからは「市街地戦闘訓練用教材」としてフロンガスガン仕様の模擬銃が調達されている。

開発の参考にされたと明言されたわけではないが、外観と各部機能面ではFN社のSCARやマグプル社のMASA DAなど、21世紀以降に開発された先進小銃の影響が強く見て取れる。

アッパーレシーバー上部にはハンドガードまで伸びたマウントレイル「ピカティニー・レイル」が標準搭載され、アメリカ軍が使用するM4カービンやHK416と同じように、規格に対応する各種オプションパーツやアクセサリーをレイル部分に装着することが可能となった。

さらにハンドガードの側面と下部には、アメリカのマグプル社が2014年に開発したモジュラーレイルシステム「M-LOK」が採用されている。長方形のスロットに追加のピカティニー規格レイルを取り付けたり、M-LOK規格に対応するパーツをそのまま取り付けたりできる。

オプションパーツの一例としては、イタリア・ベレッタ社の擲弾発射機「GLX-160^[1]」と思われるものが公開映像に出ている。89式小銃では銃本体(銃身部)に直付けしていた固定射撃用二脚(バイポッド)も、20式小銃においてはレイルを介して装着するようになり、実際の運用ではフォアグリップにバイポッドを内蔵した「グリップポッド」型が確認されている。これによって脚部分の短縮化＝軽量化が図られている。

銃床(ストック)は射手の体格に合わせて長さを変えられる伸縮式を採用。頬当て部分(チークパッド)も上下位置が調節可能であり、利便性と射撃安定性が向上した。銃床部分と本体の付け根には負い紐(スリング)用のリングがつけられている。

コッキングレバーは銃身左側面に突き出ている(SCARやMASA DAと構造が類似している点からすると右側にも組み替えられそうだが、詳細は不明)。弾倉を取り外すマガジンリリースボタン、後退した遊底(ボルト)を前進させるボルトリリースボタン、発射方式決定レバー兼安全装置レバー(セレクター)の操作系は左右どちらからでも操作可能なアンビデクストラス構造になっている。なお、89式小銃で実装されていた3点バースト機能は廃止され、20式小銃のセレクターは　ア「安全」　タ「単発」　レ「連発」になっている。