擲弾とは、歩兵兵器の一種である。英語ではGrenade(グレネード)。
極端に言えば小さな爆弾を発射するもの。
爆発によって敵を殺傷する榴弾や煙幕、催涙ガス等を発生させる大型の弾を投擲、または専用の発射機や小銃に装着して発射し、目標に到達させる兵器である。
その歴史は古く、歴史の教科書にも「てつはう」として紹介されているように、11世紀以降には既に実用兵器として戦場で使用されていたようである。
17世紀頃には、デフォルメされた爆弾のイメージとしてお馴染みの、丸い鉄の容器に導火線の付いた比較的持ち運びに優れた本格的な手榴弾が発明され、専門の兵科である「擲弾兵」も登場し、戦場の花形とも言える存在となっていった。
しかし、マスケットの量産が始まり、戦列歩兵の時代が到来すると、投擲という極めて攻撃可能な距離の短い武器故にその効果は薄れ、一度戦場から姿を消すこととなる。
…が、更に時は流れ第一次世界大戦、戦場は自動銃(機関銃)と塹壕、込み合った市街地の時代になると、「放り込める」事から膠着した状況を打破する為の引き金の一つとして再び脚光を浴びることとなり、待ち伏せへの対処やグレネードランチャーを使用しての簡易な火力支援等様々な用法が生み出され、歩兵の必需品となった。
様々な形態として使用されており、銃以外の何かを飛ばして使用する歩兵兵器は大概擲弾として分類する事もできる。
投擲して使用する物。最も原始的な火薬を用いた武器でもある。(発射装置を必要としない)
映画やゲームでよく見る通り、手榴弾も"グレネード"と称しても間違いではないのだが
厳密には"Hand grenade"と区別される。フラグ(Fragmentation = 破片)グレネードとも。
弾薬のパワーで擲弾をより遠くまで到達させ、簡易な火力支援を行う目的で開発されたもので、初期には手榴弾の尻に銃身に挿入する為の棒を刺したり、擲弾を入れるカップを銃口に装着したりしていたが、第二次世界大戦以降は銃口(フラッシュハイダー)に被せるように装着するものが主流となった。
また、かつては空砲を使用してそのガス圧で発射していたが、現在では実弾を使用し、弾丸を受け止めてその勢いで発射する構造となっている。
どちらにしても発射の為には小銃先端(銃口)に取り付けなければならず、取り付けっぱなしだと小銃が塞がるしかさばる、銃身への負担になるというデメリットの為、多くの軍隊で既に後述のグレネードランチャーに置き換えられているが、照準器はともかく発射自体は各兵士の持つ小銃さえあれば可能な為、コストパフォーマンスが良く、分隊内での役割の融通が利きやすく、敵に擲弾手がいると判断されづらいというメリットもあり、自衛隊等で現在も運用されている。
また、弾頭はむき出しで銃口に装填(差し込む)する為、大型の特殊用途用の擲弾を使用するということも可能であり、ドア破壊用の擲弾等も開発されている。(口径に縛られないため開発や内容量の自由度が広がる)
擲弾発射機とは違い、擲弾を撃ち尽くしても発射装置自体が無用な荷物にならないメリットもあるが、弾薬が大きくなりがちで携行弾数や飛距離は劣る。
専用の弾薬と発射機(ランチャー)を用いる物。その構造はほぼ通常の銃と変わらない。
火薬の力により遠距離まで擲弾を到達させる事が可能な点は小銃擲弾と同じだが、通常の銃器に近い取り扱い感覚で使用できるため、その使い勝手は格段に高い。以下のように多くの形態で利用されている。
銃口から発射するため大きさ(口径)は限られるが、小型軽量のため小銃擲弾より弾数を多く携行しやすく、飛距離があり命中精度が高いといったメリットがある。半面、擲弾を撃ち尽くせば発射機自体が大きなかさばる荷物になってしまうデメリットもある。
また、上述の通りほぼ「超大口径の銃」であるため、暴徒鎮圧用の催涙弾や、馬鹿でかいスポンジを撃ち出す非殺傷弾の運用も可能であり、警察で採用されている物もある。
なお余談だが、物にも因るがアメリカあたりだと州の許可が下りれば銃としての登録が可能で、民間人も持つことができる。(口径が異なる37mmのため、軍用の弾薬(40mm)は使用不可能。あくまで大きなスポンジや物品を飛ばすといった玩具要素)
Ручной Противотанковый Гранатомёт(携帯対戦車擲弾)や、Rocket Propelled Grenade(ロケット推進式擲弾)といった語があり、陸上自衛隊ではパンツァーファウスト3の射手を擲弾手と呼んでいる等、携行無反動砲やロケットランチャーも擲弾と呼ばれる事が多い。
また、旧日本軍では十年式擲弾筒、八九式重擲弾筒と呼ばれる実質軽迫撃砲に当たる兵器も擲弾と呼称していた。
掲示板
19 ななしのよっしん
2023/02/07(火) 01:04:31 ID: LF5HcpcR76
>>13
一応、ノリンコにLG5/QLU-11って高初速グレネードランチャーはあるんだが。
重量13kg、初速はライフル銃に及ばずピストル並み、貫徹力は80mm、有効射程は1km。
グレネードランチャーとしては凄く見えるが、同じくらいの重量の対物ライフルや肩撃ち火器と比較するとかなり微妙。
20 ななしのよっしん
2023/06/04(日) 08:28:54 ID: xawELRk9X8
ゲームでXM25が収録されてると、エアバースト信管とスコープが連動してて任意の場所で起爆する機能が再現されてる事が多い(XM25自体は採用取りやめになったけど)
しかし普通のアンダーバレル系グレポンで、エアバーストまたは弾着地点の表示をやってくれる奴はほとんど見ない。実銃のF2000がこれをやろうとしてたけど、FCSスコープとやらが影も形もない
21 ななしのよっしん
2024/05/27(月) 19:05:36 ID: ojB1FC2ZfV
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最終更新:2024/09/18(水) 14:00
最終更新:2024/09/18(水) 13:00
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