Maat(マート)とは、ファイナルファンタジーXI(以下「FF11」)に登場するNPCである。
ジュノ大公国「ル・ルデの庭」の一角で、今日も格闘の構えを取りながら軽やかにステップを踏んでいる。
多くのプレイヤーたちにとっては尊敬するべき師であるとともに、(特に古参プレイヤーにとっては)憎むべき怨敵とも言える存在である。
FF11では、ゲーム開始時点での最高レベルが50に設定されている。しかし、特定のクエスト(サブイベント)をこなすことによって、レベルの上限を5ずつ上げていくことができる。
これはプレイヤーたちの間で「限界クエスト」と呼ばれている。
その限界クエストのほとんどは、このマートからの指令をこなすことがクリア条件になっている。
そのことから、「限界じいさん」「限界ジジイ」などとも呼ばれている。
限界クエスト第1弾。レベル上限を50から55にする。
マートが指定する3つのアイテムを持ってくるという内容。
これだけだと大したことはなさそうだが、そのアイテムの入手経路が「特定のモンスターを倒す」ことしかなく、しかも倒したとしても確実に落とすとは限らない。
多くのプレイヤーたちが決して数の多くないそのモンスターたちを取り合うという地獄絵図が展開された。
現在では対象のモンスターは放置気味なので、レベルの高いプレイヤーに手伝ってもらえば難なくクリアできるだろう。
ちなみに1人で攻略しようとしても、対象となるモンスターはいずれもレベル50のプレイヤーから見て格上なので、非常に困難である。
限界クエスト第2弾。レベル上限を55から60にする。
ある場所にいる3体のレアモンスターを倒すという内容。
このモンスターたち、レベル55では20人近くはいないと太刀打ちできないほどの強さで、少人数で挑んだプレイヤーたちは漏れなく返り討ちにあっていた。
こちらも現在なら、高レベルプレイヤーの手伝いが得られれば少人数でのクリアが可能である。
しかしこのクエストの問題はモンスターの強さではない。その詳細は後述する。
限界クエスト第3弾。レベル上限を60から65にする。
高レベル向けダンジョン3ヶ所の最奥地に赴き、そこにあるアイテムを取得してくるという内容。
敵に見つかりさえしなければ、一切の戦闘行為を必要としない。しかし敵に見つかれば、まず確実に戦闘不能に陥るという、両極端な内容になっている。
高レベルプレイヤーの護衛がいたとしても、少数では敵わない強さのレアモンスターがいたりするので、やはり敵に見つからないことが一番に求められる。
限界クエスト第4弾。レベル上限を65から70にする。
ヒントを元にその条件に当てはまるNPCを探し、そのNPCにあるアイテムを渡すという内容。
対象となる32人のNPCの内、クエスト受領時にランダムで4人が選ばれる。その4人にアイテムを渡す。
与えられるヒントは、そのNPCの見た目や性格や設定など。攻略サイトなどを見れば一発で正解となるNPCの名前や居場所などがわかるのだが、あえてそういったものに頼らずに自分がどれだけFF11のNPCを、引いては「ヴァナ・ディール」という世界を知っているのかを試してみることをお勧めする。
渡すべきアイテムについて、モンスターを倒すことで手に入れることができるのだが、「一定以上のレベルのモンスターであれば誰でも落とす」ため、第1弾のときのような熾烈な争奪戦は起こらなかった。
所要時間や危険度から見た難易度は、恐らく限界クエストの中でも最も低いだろう。
限界クエスト第5弾。レベル上限を70から75にする。
Maatとの戦いに勝利するという内容。
これまで散々、無理難題を押し付けてくれたMaatとの直接対決。ついに積年の恨みを晴らすときが来たわけである。
まず対決を開始するには、挑むジョブごとに異なるアイテムを渡す必要がある。そのアイテムは、基本的に同じジョブの特徴を持った高レベルの獣人(モンスターの大分類のひとつ)タイプのモンスターが落とす。
敵のレベルも高いだけあって、まずここから一苦労である。
そしていよいよ直接対決。Maatの戦闘スタイルは、プレイヤーのジョブと同じものになる。その特性上、ジョブごとに難易度が異なる。
MaatのHPをある程度削ると勝利となる。そのせいでMaatが膝を付く姿を見られないのは、少々残念なところ。
ちなみに負けてしまうと、またアイテムを取得するところからやり直しとなる。
また、FF11にある20のジョブの内「青魔道士」「からくり士」「コルセア」「踊り子」「学者」の5ジョブは、それぞれ別のNPCがほぼ同様の内容のクエストを担当している。
さらにレベル上限を上げることも可能であるが、そのクエストにおいてMaatは起点となる(話しかけるとクエストが開始する)だけで、実際に内容には深く関わらない。
Maatの放った名(迷)台詞。氏を体現する一言といっても過言ではない。
この台詞を発するのは限界クエスト第2弾「すべての高い山に登れ」の受領時。
普通に考えれば、「いやなら"クエストを受けるのを"やめてもいいんじゃぞ」という意味であろう。しかし、当時のプレイヤーたちはスクウェア(現スクウェア・エニックス)の締め付けとも言えるゲーム設計に少なからず不満を持っており、「いやなら"FF11を"やめてもいいんじゃぞ」と受け取ってしまった者が多数いた。
月額課金のFF11において、「ゲームをやめていい」と運営側が言うのはもはや挑発である。これを受けて、実際に解約したプレイヤーもいたという噂もある。
結果として、この台詞を発したMaatは槍玉に上げられ、プレイヤーたちの恨みを一身に背負うこととなってしまった。
重ねて言うが、この台詞を考えたスクウェア側に挑発の意思はないものと思われる。あくまで運営とプレイヤーたちの認識の齟齬がもたらした、悲しい出来事のひとつである。
さまざまなドラマを産んできたであろう限界クエストも、緩和の波に押され、現在では実装当時とは比べ物にならないほど難易度が下がっている。
足切りとでも言わんばかりに、いきなり無理難題を押し付けてきた限界1・2クエスト、そして最後の直接対決である限界5クエストは以下のように緩和された。
クエスト1「限界への挑戦」
指定されたアイテムをモンスターを倒して入手する方法を取らなくても、モンスターの生息域周辺に配置された、いくつかのポイント調べるだけでもよい。
クエスト2「すべての高い山へ登れ」
以前はモンスターを倒さなければ調べることのできなかったポイントが、常時調べられるようになった。またモンスターも一定の範囲内をうろうろと動くようになり、感知範囲にさえ入らなければ何事もなく通過することができる。仮に感知されても、そのごく狭い活動範囲から離脱すれば、容易に逃げ切ることができる。
クエスト5「星の輝きを手に」
指定アイテム1つにつき3回まで挑戦できるようになったため、1戦毎に指定アイテムを取り直す必要がなくなった。
このように、1・2はモンスターに感知さえされなければ一切戦闘を取る必要性がなくなっており、倉庫や2キャラ目を育て始めたプレイヤーならば容易に突破できるようになった。
今日日いるのかどうかはおいておき、まったくの新規プレイヤーでも、多少つまづくことはあっても何とかソロでも突破できる難易度であろう。
が、それでも限界5の指定アイテムの取得は限界レベル帯ではまだまだ辛い戦闘になることが多い。
たった一人で乗り越えるのもゲームのひとつの楽しみ方かもしれないが、もしも「周りはずっと上のレベルの人だから・・・」と気が引けているプレイヤーがいれば、勇気を出してジュノやアドゥリンで/shoutや/yellをしてみよう。
高レベルプレイヤーたちが過去にそうであったように、喜んで限界クエストの手伝いをかってでてくれるはずだ。
前述の通りMaatに膝を付かせることはできないが、文字通り「脱帽」させることはできる。
それは限界クエスト第5弾「星の輝きを手に」をMaatが担当する15ジョブ全てでクリアすること。
15ジョブ目をクリアするとMaatは完敗を宣言し、その褒美としてMaatがいつも身に付けている帽子「マートキャップ」を手に入れることができる。
「ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー」の参戦候補にも上がったことがあったが、見送られた。
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最終更新:2024/09/18(水) 05:00
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