SCP-5865とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
| SCP-5865 | |
| 基本情報 | |
|---|---|
| OC | Thaumiel |
| 収容場所 | N/A |
| 著者 | ObserverSeptember |
| 作成日 | 2021年5月20日 |
| タグ | thaumiel 倫理委員会 地球外 惑星 異次元 知性 精神影響 自我 記憶影響 非実体 |
| リンク | SCP-5865
|
| SCPテンプレート | |
SCP-5865は宇宙D-4594Aの指定名称である。1943年に発見され、1945年に「Dクラスの供給源」として使用されることがO5評議会指令で決まった。……つまり、普段財団が実験のために使用している実験台モルモット役の人間は皆、異世界人だったというわけだ。
普段我々は、Dクラスと聞いた際は死刑囚などが財団と「1ヶ月後に解放する」という約束のもとに雇われた人材である、と認識していたはずである。だが、実際はSCP-5865が主要な供給源であったわけである。どうやら、過去には実際にそうだったようだが、度重なるセキュリティ違反と、産業社会で秘密裏に受刑者を雇用するのは非現実的と判断されたこと、そしてSCP-5865に接触したのちに多元宇宙部門から提言があったことで現在の方針に切り替わっている。並行宇宙と産業社会で前者のほうがモルモット用の人間の調達が楽である、というのもなんだか不思議な話だが。
SCP-5865内の平行地球も、1934年にSCP-5865-Aに指定される非物理的な実体によって征服されるまでは、今の世界と同じような歴史を辿ってきたらしい。この年は現実世界で言うならベーブ・ルースが来日したり、谷崎潤一郎が『文章読本』を発刊したり、ヒトラーが総統になったりスターリンの大粛清が始まった頃である。
この、物理的な形を持たない一種の神か幽霊みたいな実体は、人間の人格や記憶を書き換えることができ、70年以上にわたりSCP-5865の人類を、基底世界の財団のオーダー通りに書き換えてこちら側に『輸出』している。当実体は次元間を移動できないらしく (あくまで当実体の自己申告だが)、故に財団の存在する基底世界にたどり着いた時点でそのDクラス用の人間は制御下から解放される。この認知の変更は財団の記憶処理ではもとに戻すことができない。 要は、財団がありとあらゆるDクラスをあっさり調達できるのは、老若男女、人種、容貌、趣味嗜好、性格、信教、その他ありとあらゆる属性・個性をオーダーメイドできるからだ、というわけである。
財団はSCP-5865とミーティング・ポイント協定を締結。この協定について内容は殆ど言及されていないが、Dクラス取得以外の理由でSCP-5865に立ち入りたい場合、多元宇宙部門の外交要員のみそうすることができ、SCP-5865の組織構造に影響を及ぼそうとしないこと、SCP-5865-A側も財団職員に憑依してはいけないことが定められているようだ。
SCP-5865内の地球に到着したSCP-5865-Aは、12時間にも満たない時間で地球を侵略し、行政区画を3つに分けた。まずアメリカ大陸とアイスランド、グリーンランドを実験区域にし、完全な家母長制家族のみの社会を作ったり、ふつう人間が食べないような食べ物ばかり食べさせ生理的反応を確認したりと、様々な実験を行っている。このような非人道的実験が行われているにも関わらず、後述の2区域よりも住民は質の高い生活を送っているとのこと。
ヨーロッパとアフリカ大陸で構成される労働区域では、人々は最低限の住居だけを与えられ、休息もほぼ与えられず天然資源開発を行っているらしい。
そしてその他の地域は収穫区域らしい……のだが、この区域のみ報告書の読者には明かされず、O5と現在のSCP-5865主任のみがその内容を知っている。
財団の倫理委員会は、ミーティング・ポイント協定に関して2度ほど審査を行っている。これは、いくら異世界とは言え人間を不可逆的に意識を書き換えてDクラスとして使うのはよくなくない?という疑義のようだ。確かに、人々がアノマリーの被害に遭っているのを助けないばかりかむしろ有効利用するというのも非人道的にも思える。
しかし1回目の審査では委員会は、「財団がSCP-5865内の地球に進出し、人類を解放するだけの力も技術もないこと、SCP-5865-Aがほんとうにこちら側にこれないという保証はないこと、そもそもDクラスとしての生活のほうがSCP-5865内の住民の生活よりはるかにマシであること、必要数のDクラスを現行の方針以上に倫理的に取得する現実的手段がないことを理由に、これは許容範囲とした。
2度めの審査はSCP-5865からのDクラスの輸入量が増えた結果、生き残ったDクラスを毎月終了しないといけなくなってしまったために行われたが、同じ結論にいたり、今に至るまで70年間Dクラスは並行宇宙からの輸入に頼っている状況である。
このオブジェクトには気になる点がいくつかある。
まず、ミーティング・ポイント協定については直接明かされていない。だが、Dクラス取得以外の理由で財団がSCP-5865に立ち入ることに制限がかかっていることや、Dクラス取得以外のことができないこと、そして3つ目の疑問でもあるDクラスの輸入量が財団の制御下にないであろうことから、ミーティング・ポイント協定とはDクラスをほしい財団がSCP-5865に頼っているというよりは、SCP-5865-Aがこちら側の地球にDクラスを投げ込んで実験区域同様に実験をすることを依頼してきていると考えるほうが自然であろう。そしてDクラスを使った実験をお断りすれば、SCP-5865-Aがもしかしたらこちら側を侵略しに来るかもしれない (再三指摘するがあくまでSCP-5865-Aが次元間移動を行えないというのは本人の自己申告にすぎない)、そう考えた財団は、SCP-5865-Aの要請を受け入れる代わりに、Dクラスのオーダーメイドを受け入れてもらうという落とし所を作ったのだろう。
そして、実験区域と労働区域では明らかに人類がバタバタ死ぬことが予想できることから、収穫区域とはとにかく産めや増やせやの望まないセックス無限地獄のことなのだろうと思われる。ここで人を収穫し、実験区域と労働区域で消費するのがSCP-5865-Aのやっていることなのだと思われる。
SCP-5865-Aの言う通りに、自分たちと見た目が変わらない異世界人をモルモットにしなきゃいけない。断れば次は自分たちがモルモットにされるかもしれない。そして消費しきれないほどモルモットは送り込まれてくる。SCP-5865とは、まさにそういう意味において、有用だが危険、Thaumielにふさわしいオブジェクトと言えよう。
本オブジェクトに限らず、SCP Foundationという創作では公式設定は存在せず、ヘッドカノンというものが重視されている。SCP-5865以外のDクラス取得方法が正しく、SCP-5865は自分のヘッドカノン上存在しないと考えてもいい。これは、記憶処理剤の入手方法に海底の蛇神に人質を与えたり、はたまた死刑囚の楽しかった記憶を抜き出して蒸留したり、そうかと思えば植物に猥談を聞かせて興奮させたりといろんな取得方法があるのと同様である。どれが正解でどれが不正解かは、読者諸兄が勝手に決めていいのがSCP Foundationなのだ。
掲示板
1 ななしのよっしん
2022/07/28(木) 21:09:49 ID: SpZ6BfYkwt
「そもそもDクラス多すぎじゃね?」への答えという点ではSCP-2959みたいなものなのか
2 ななしのよっしん
2023/09/16(土) 21:21:50 ID: 0RRsZvFppe
スターリンの大粛清が始まったのはモスクワ裁判を皮切りにニコライ・エジェフが台頭した1936年が通説
1934年の粛清はナチス政権の方が有名で長いナイフの夜としてよく知られている
3 ななしのよっしん
2024/08/30(金) 11:36:16 ID: nP3o0rykCe
SCP-6601っていう5865と同様に他人の記憶を改竄できる非実体存在がいるんだけどもしかして同族だったりするのかな?
まああっちはめっちゃ善良な奴だったけど
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/18(木) 22:00
最終更新:2025/12/18(木) 22:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。