チコタンとは、主に関西圏や昭和後期の児童にトラウマを与えた児童合唱曲(組曲)。
蓬莱泰三作詞、南安雄作曲。交通安全の啓発曲として名高い。
歌詞が関西弁であるためか、東京での知名度はいまいち低い。しかし関西圏(近畿圏)では児童合唱として、比較的有名である。
1~4番は小学生男児の目線から、初恋を描いた可愛らしい内容。しかし5番だけは高度経済成長時代の交通戦争を示唆した怒涛の内容である。初恋を抱いていたヒロインが突如交通事故に遭い死ぬ。これは当時の子供にトラウマを植え付けた。
1969年にNHK和歌山放送児童合唱団(現在の和歌山児童合唱団)が作品依頼した。西六郷少年少女合唱団の収録を得て、コロンビアレコードから発売された。また同年度の芸術祭優秀賞(文化庁主催)を受賞している。
1960~70年代にかけての高度経済成長期に合わせ到来したモータリゼーションの影響で交通事故が増加。そのため反交通事故を意図して依頼・制作された曲と考えられる。
また同じ作詞者・作曲者による合唱曲に「日曜日~ひとりぼっちの祈り~」がある。こちらも交通事故を内容としており、交通事故で両親を亡くした遺児(チコタンとは逆に加害者側視点)の目線から歌唱される。こちらは1番から交通事故に触れており、さらに3番で父親が飲酒運転が原因で事故起こし、第3者へも怪我を負わせている(歩行障碍者になる可能性もある)旨が明かされる。自らも苦痛に足して、世間から同情されない様などを交通事故遺児・交通事故加害者の息子の目線から歌われている。
5つの曲から成立する、合唱組曲である。全長は約10分だが、5番だけで5分もある。
1~4番は各曲、ほぼ同じ曲調である。しかし5番だけ起伏が激しい。特に「わらうな チコタン」からは激高しており、「だれや」から最後「アホー」までは、音符の玉がバツである。これは「音程はあまり気にせず、叫びまくれ」を表現している。そして最後「アホー」には、フォルテッシモ(フォルテ3個)から、さらにクレッシェンドが付属している。ここで出しきって当楽曲は終了する。
当作が一番有名である。カワイ出版社が1970年8月に初版した。青緑色の背景に、赤い靴とベレー帽を被った、チコタンらしき子供の影が表紙に描かれている。顔面は描かれていない。1974年に改訂された。
2007年7月に女声合唱版(大人向けの同声版)として制作された。出版社は同じくカワイ出版。元祖チコタンにはない、ピアノ演奏のみの前奏「Petit Predule」が付属している。
作曲者の南安雄氏は2012年に逝去されており、もう本人による新版発表はないだろう。
1971年に学研映画が制作した。教育目的と推定され、非合唱者にもトラウマを植え付けた。当作品が世に広く認知されたのは、アニメーション化の影響もあるだろう。
1995年初版。出版社は合唱と同じカワイ出版である。表紙には、チコタンの顔面と上半身が描かれている。
短編アニメーションバージョン。西六郷少年少女合唱団の収録音源を使用している。
(※茶化すコメントが多々見られる。真面目な視聴希望者はコメント非表示を推奨する。)
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/02(木) 08:00
最終更新:2024/05/02(木) 08:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。