類似の表現に「理論的には可能です」がある。
「やろうと思えば実現できないことは無いが、そもそも用意できるかわからないほどの膨大な労力・資源が必要」という事柄を指す。ITエンジニアがよく使う言葉としてSNS上で2010年代後半ごろから挙げられており、2021年3月ごろにスラングとして頻繁に使われた。
新しい施設を建てたい、新しい業務システムを作ってほしい、などなど「〇〇して欲しい」という依頼が来た時、その依頼が本当に実現不可能であれば「不可能です」という回答になる。しかし単に不可能と答えずに「技術的には」と限定して可能と回答した場合「実行することが現実的でない(相手の望む結果をもたらさない)理由が存在する」ということを暗に示し、相手に再考を促す意味が込められている。
「技術的には可能です」という語句がそのまま登場しているわけではないが、G.M.ワインバーグ『コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学』では、オレンジジュース・テストに言及する箇所で「それはむずかしい問題です。そのお手伝いならできます。で、その費用はこれだけです。」「それはできますよ。で、それにはこれだけかかります。」(木村泉の日本語訳版(1990, p.36-37, 共立出版)より)というフレーズが登場している。
「〜して欲しい」の部分を額面通りに受け取って、技術や理論の面だけで検討するなら確かに実現可能な場合でも、実際には以下のような理由によって、依頼者の言外に込められた期待には沿えない。
ジョークとして用いられる場合もなくはないが、大抵はビジネス上の言い回しということになる。
実現困難な理由を逐一説明するのが面倒くさいのでこういう言い方をすると「じゃあやってよ」となってしまい、結局補足説明が必要になることもある。相手によってははっきり最初に必要な時間や金額の桁を教えてあげたほうが親切かもしれない。
Twitterより
エンジニアでない人には以下のような例がわかりやすいのかもしれない。
「技術的には可能」なものを、損得度外視で実現する場合も勿論ある。
前提として、単に科学技術が追い付いていなければ本末転倒である(小型化・軽量化など)。
技術的に一応可能だったため試作・製造・稼働したが、いざ蓋を開けてみると故障多発、事故多発、煩雑過ぎて現場を疲弊させるなど、踏んだり蹴ったりの状態で消えていったものも多々ある(珍兵器など)。
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最終更新:2025/12/11(木) 09:00
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