モーターランド・アラゴンとは、スペイン東部・アラゴン州テルエル県アルカニス近郊にあるサーキットである。
MotoGPのアラゴンGPが開催される。
略歴
数多くのF1サーキットを建設してきたヘルマン・ティルケによって設計され、2009年9月に開業した。
2010年からMotoGPのアラゴンGPが毎年開催されている。
また、2011年からスーパーバイク世界選手権も毎年開催されている。
サーキットCEOとアラゴン州政府
サンティアゴ・アバドという人物が2017年6月からサーキットCEOを務めている。
この人は、かつてMotoGPの各チームでデータ解析技術者として働いていた。2008年はチームスコットの250ccクラス部門でデータ解析をして、高橋裕紀と一緒に仕事をしていた。職歴紹介SNSを見ると、125ccクラス(Moto3クラス前身)や250ccクラス(Moto2クラス前身)でデータ解析技術者を9年間も務めていたことがわかる。
アラゴン州政府が本サーキットの経営を支援している。サーキット経営自体は赤字だが、周囲の地域経済に与える経済効果が大きいと見なされており、州政府からの支援が続いている(記事)。
立地
モーターランド・アラゴンは、アラゴン州テルエル県アルカニス近郊のこの場所にある。
アルカニス
サーキットから最も近い街であるアルカニスは、アラゴン州州都サラゴサから東南に90km、バルセルナから西へ195km、バレンシアから北へ180km離れたこの場所にある。
もともとは農業の街だったが、モーターランド・アラゴンを建設したおかげで、自動車の修理などの職が増えている。また、人口も増加している(記事)。モーターランド・アラゴン近くに工業団地があり、MotoGPのMoto2クラスのワンメイクエンジンを整備するExternProという企業がこの場所に本拠地を置いている。
アルカニスの人口は1万6千人。レース関係者は近くのホテルを探すが、なかなか上手くいかない。そこで、サーキットから遠く離れたところに宿を取る。2011年のブリヂストンの一行は、サーキットから55km離れたところで宿を取った。サーキットから離れていても、このあたりの地域は人口過疎地域なので交通渋滞の恐れがなく、自動車でさっさと移動できる。2011年のブリヂストン一行は、ホテルから制限速度の時速90km近い速度で車を飛ばし、わずか45分で到着することに成功した。途中で通った街は2つ程度で、信号らしい信号もなかったという(ライディングスポーツ2011年12月号70ページ)
レースを観る観客は、キャンプカーでやってきてその辺で野宿する人ばかりらしい。
サーキット周辺の風景
アルカニスから西へ7km離れたこの場所にモーターランド・アラゴンがある。
サーキット周辺は、MotoGP開催の9月には草が枯れて赤茶けた大地の割合が大きくなっている(画像)。こちらはMotoGP開催時の8~9コーナーからの映像で、映画のロケに使われそうな荒涼とした山が映っている。
この空撮画像は雨の多い時期に撮影されたらしく、サーキットの周りに緑が多い。
サーキットの南にはエスカンタ・デ・アルカニス貯水池があり、貯水池の周りが緑の森林になっている。真っ青な貯水池と、その周りの緑の森と、赤茶色の岩山の対比が綺麗で、空撮映像の定番になっている(画像1、画像2)。
サーキットの10コーナーの外と12コーナーの外とエスカンタ・デ・アルカニス貯水池のすぐ南の3ヶ所には、このような感じで均等に植樹されるオリーブ畑が広がっている。
サーキット近くには牧場があるらしく、2020年アラゴンGPのテレビ中継で家畜の大群が映っていた(動画)。
サーキットの周囲を地図で見てみると、日本には珍しい環状交差点(ラウンドアバウト)が8つ存在する。
サーキットの周辺にはそこかしこに送電塔がある。
気候
サーキット近くの街アルカニスの年間降水量は291mmである(資料)。
砂漠の国カタールの首都ドーハは年間降水量75mmであり、「アルカニスは砂漠の国ほど乾燥しているわけではない」と表現すべきだが、東京の年間降水量が1,500mmであることを考えると、「アルカニスはかなり乾燥している」ということができる。
モーターランド・アラゴンを含むアラゴン州テルエル県の全体で雨が少なく、乾燥している。このため、テルエル県の中の空港は、航空機を所有する企業が航空機を保管する場所として盛んに利用している(記事)。雨が少なくて乾燥していて、航空機の表面が錆びにくいからである。モーターランド・アラゴンから南西に113km離れたこの場所にあるテルエル空港の中のこの場所に、ターマックエアロセーブという飛行機リサイクル企業が敷地を持っているし、エールフランスやルフトハンザのような大手航空企業もここに飛行機を置いている。
つまり、モーターランド・アラゴンで雨に苦しむことは少ない。
一番寒い月の平均最高気温は12度で平均最低気温は3度であり、日本の鹿児島市と同じぐらいである(資料)。
本サーキットは冬にわずかながら雪が降り、積雪する(画像)。
内陸部のサーキットであり、朝晩が冷え込みやすい。2020年アラゴンGPは10月中旬に行われたが、朝の路面温度が非常に低く、路面温度7度という走行不可能なほどの低さにまで達した(記事)。このためスケジュールを遅らせ、練習走行を少し遅めの時間に始めるようにした(記事)
こちらやこちらやこちらが現地の天気予報。
風が吹きやすい
モーターランド・アラゴンは、わりと風が強く吹くサーキットである。同じような高さの丘がずっと並んでいるところにサーキットを作ったので、風を遮るものが無く、風が吹きやすい。地形図と航空写真を見比べると、サーキットの周りはわりと平らであることが分かる。
霧が出たことがある
丘を改造して作ったサーキットだからか、霧が出たことがある。
2014年と2017年は日曜朝に霧が立ちこめてドクターヘリが飛べなくなり、レース進行が遅延した(2014年画像、2017年画像1、2017年画像2)。日本時間17時45分(現地時間10時45分)になって最大排気量クラスのウォームアップを開始する、そんな状況になった。いつもなら日本時間18時00分にMoto3決勝が始まるので、大きな遅延である。
サーキットの施設など
最高峰の丘
6コーナー・7コーナー・8コーナー・9コーナーのイン側のこの場所に小高い丘があり、サーキットの最高峰になっている。この丘に上ればサーキットの全域を見渡すことができるので、ここまで登山する観客も多い(画像)。MotoGP開催時はこの丘の斜面にびっしり人が集まる(画像)。この丘の標高は海抜381mとなっている。
ちなみに、4コーナー・5コーナー・6コーナーの左側のこの場所にも小高い丘があるが、こちらは観客が入ることを禁止されているのか、観客が1人もいない(画像)。
トンネルが2ヶ所ある
メインストレートのこの場所に、トンネルがある。1コーナーや16コーナーで転倒してコース外側に投げ出されたライダーは、ここを通ってコース内側のピットへ戻る。
1コーナーと2コーナーの間のこの場所に、トンネルがある。こちらはピットへ物資を運ぶトラックが通るような大きな道である。トンネルの入口には「Welcome to Motorland Aragon」と書かれている(画像)。
コーナーの外に人工芝が敷かれている
12コーナーの外や15コーナーの外やバックストレートの外には、長い範囲にわたって、緑色の人工芝が敷かれている(航空写真)。
こちらの空撮映像を見るとMotoGPが開催される9月らしく植物が枯れ果てて赤茶色が広がっているが、12コーナーの外や15コーナーの外やバックストレートの外だけ不自然に緑色が存在している。人工芝なので当然ながら枯れることがない。
この人工芝は、滑りやすくて大変に危険なものである。2014年にアンドレア・イアンノーネがコースアウトし、マシンが人工芝の上を滑って激しくバウンドした(動画1、動画2)。
10コーナーはマルク・マルケスコーナー
10コーナーを「マルク・マルケスコーナー」と命名することが2018年7月に発表された(記事)。
2018年9月のアラゴンGP開催時に式典が行われ、高さ4.1mの石碑がお披露目となった(画像1、画像2)。マルク・マルケスお気に入りのゼッケン93と蟻が刻まれている。
垂直の線から22度傾斜している。おそらく、「バイクを傾斜させながら10コーナーを駆け抜けていく」ことを暗示しているのだろう。マルク・マルケスがしょっちゅう行っている「垂直の線から60度~65度傾斜(動画)」というのは、ちょっと再現が難しかったようである。
石碑を作ったのはホセ・ミグエル・アブリルという彫刻家である。6トンの石を削って作ったことや、22度の傾斜があるから作るのが大変だったことを語っている(記事)。
石碑の素材はフロレスタ砂岩で、サーキットから北東に100km離れたこの場所にあるサエズという企業が切り出した(記事)。こんな感じの石の塊を削った。
この石碑は、10コーナーのコース内側に存在する。この動画の1分07秒~1分09秒あたりで、画面左側にちらっと映る。
石垣
12コーナーから13コーナーには石垣が積み上げられており(画像1、画像2)、中世の古城といった趣になっている。この石垣をバックにしたライダーたちの姿は良い絵になる(画像)。
これだけの巨大な石垣をサーキット建造時にわざわざ積み上げるとは思えない。おそらく本サーキットは中世の古城の跡に建設されたものと思われる。
この石垣に使われている石は、サーキットから北西に110km離れたこの場所にあるカラトラオから運ばれてきた(記事)。カラトラオは採石の街であり、ここで採れるカラトラオの石は、スペイン各地の石造建築物に使われている。
本サーキットのMotoGPは2014年から2018年までスペインの携帯電話企業Movistarが看板スポンサーを務め続けていた。また、同社は2014年から2018年までヤマハワークスのメインスポンサーだった。
アラゴンGPでは、2015年から2018年までヤマハワークス所属のホルヘ・ロレンソと著名デザイナーのマルク・ガルシアが共同で作ったトロフィーが表彰台ライダーに贈呈されていた(記事1、記事2)。そのデザインが石垣を模したものである(画像)。
余談ながらマルク・ガルシアは、銀でできたMotoGPのチャンピオントロフィーを作っている。それについてのインタビュー記事もある(記事1、記事2)。
コース紹介(MotoGP)
概要
コース全長は5078mで、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から7番目である。
コーナー数は17ヶ所で、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から4番目である。
コース全長とコーナー数から、やや大きめのサーキットと表現できる。
小高い丘を切り開いて作ったサーキットなのでアップダウンが激しく、高低差は50m(ビル16階建て分)である(資料)。コース前半区間は上り勾配が続き、コース後半区間は下り勾配が続く。
最大排気量クラスでホンダが強いサーキットとして有名である。ホンダのマシンはスライドコントロールしやすいマシンになっていて、リアタイヤをスライドさせて曲がるコーナーが多いほど速く走れる。このサーキットには「リアタイヤを滑らせて曲がるコーナー」があり、ホンダ向けのコースと言える。
MotoGP公式サイトの使用ギア明示動画が2つある。こちらだと一番低いギアは2速で、1速を使わない。こちらだと1速を1回だけ使う。
主なパッシングポイントはメインストレートエンドの1コーナー、4コーナー、5コーナー、7コーナー、8~9コーナー、12コーナー、15コーナー、バックストレートエンドの16コーナーあたりとなっている。
風が強いサーキット
モーターランド・アラゴンは、わりと風が強く吹くサーキットである。
2011年の最大排気量クラス決勝では、フロントカウルに穴をあけて風の対策をするライダーが3名ほど現れた。
風がライディングに与える影響については、風(MotoGP)の記事を参照のこと。
フの字形コーナー
モーターランド・アラゴンはヘルマン・ティルケが設計した。
ティルケサーキットらしく、『フの字形コーナー』がいくつも入っている。4~5コーナー、6~7コーナー、11~12コーナーが典型例。
この『フの字形コーナー』は、進入する部分は緩やかな角度でコーナーリングスピードが高いのだが、脱出する部分はきつい角度になっておりコーナーリングを落とさざるを得ない。
進入部分は度胸を決めて勢い良くスピードを保ってコーナーに進入する、脱出部分に向けて徐々にブレーキングして上手くマシンをコントロールする、この相反する技術を求められる。そういうトリッキーで難しい『フの字形コーナー』に挑まなければならない。
メインストレート~1コーナー
メインストレートから1コーナーにかけて上下勾配も無く左右の傾斜もないフラットな路面になっている。
それゆえ1コーナーはグリップを薄く感じる。転倒も多い場所であるが、エスケープゾーンも広い(画像)。アスファルトが広く敷かれていて、オーバーランしてもコースに復帰しやすい。
2コーナー~7コーナー
2コーナーから7コーナーに至るまで、非常に長い上り坂になっている。上り坂区間はコーナーに次ぐコーナーで、ライダーは休む間がない。
2コーナーは久々の右コーナーで、冷えたタイヤ右側を使うため転倒が多い。2コーナーから強烈な上り勾配が始まるため、地球の重力に負けてはならないとばかりに速い速度でコーナーに進入する。フロントタイヤが耐えられずに滑ってしまうスリップダウンとなりやすい(動画1、動画2)。
2コーナーを抜けるとちょっとだけ直線があるのでマシンを垂直に戻す。
3~4コーナーの間は少しだけの直線で、この右側は駐車場で(画像)、トラックがずらりと駐車している(画像)。
4コーナーを左に曲がる頃になると、左に山が見えてくる。
5コーナーを曲がったあとは、左と右の両方に山がある状態になり(画像)、山と山の間を走り抜けていく。先述の通り、左の山には観客が全くおらず(画像)、右の山には観客がびっしり座っている(画像)。
4~5コーナーはフの字形コーナー第一弾で、進入が緩い角度で脱出がきつい角度の左コーナー。
6~7コーナーはフの字形コーナー第二弾で、進入が緩い角度で脱出がきつい角度の右コーナー。
8コーナー~12コーナー
7コーナーの立ち上がりから8コーナーまでは短い直線で、ライダーにつかの間の休息が訪れる。
8~9コーナーから10コーナーへ至るあたりは、難易度マックスの難しいコーナーで、急激に下りながら右・左へ切り返す。ラグナセカのコークスクリューによく似たコーナーなので、英語で「コークスクリュー(corkscrew)」と呼ばれたり、スペイン語で「サカコルチョス(sacacorchos)」と呼ばれたりする。コークスクリューとかサカコルチョスはコルク栓を引き抜く道具を意味する言葉で(記事)、その道具を連想させるようなものを呼ぶことにも使われる言葉である。
10コーナーは「マルク・マルケスコーナー」という別名がついている。いわゆる回り込んだコーナーで下り勾配になっている。最大排気量クラスではリアタイヤをスライドさせながらアクセルを開けていく。
11~12コーナーはフの字形コーナー第三弾で、進入が緩い角度で脱出がきつい角度の左コーナー。
11コーナーはかなり緩い角度のコーナーでコーナーリング速度が速い。上下の勾配は少なく平坦である。
12コーナーのブレーキングポイント付近はグイッと上り勾配になり、ブラインドコーナーになる。ブレーキングをしてクリッピングポイントに近づくにつれて勾配が変化して、急な下り勾配になる。そしてなおかつ12コーナーはキツい角度になっている。
12コーナーは難易度が高く、転倒多発地帯となっている。2013年にマルク・マルケスが12コーナーで止まりきれず先行するダニ・ペドロサに接触し(画像)、電子制御のケーブルを切断して電子制御を機能停止させ、ダニをハイサイド転倒に追いやってしまった(画像)。
12コーナーは難易度が高く、超一流ライダーもキチッとマシンを止めるのに手こずる場所である。そのためアスファルトを広めに敷いてあり、オーバーランしても復帰できるようにしてある(画像)。
石垣のあるクランク(バスストップシケイン)
12コーナーから15コーナーまではコの字状の巨大なシケインとなっている。バスの停留所みたいなので「バスストップシケイン」と呼ばれている。
12コーナーから13コーナーには石垣が積み上げられている(画像)。このあたりのコーナーをスペイン語でラス・ピエドラス(las piedras)と呼ぶ。これを英語に訳すと「the stones」となり、日本語訳すると「複数の石がある」となる。
13コーナーは緩い角度で下り勾配も緩いのだが、14~15コーナーはきつい角度で下り勾配が急激になっている。最初は速めの速度で突っ込んでいくが進むにつれてブレーキを掛けて丁寧にマシン操作せねばならず、『フの字形コーナー』に類似した構成となっている。
13~14コーナーの前には大きな観客席がある。2017年はここの一角がマルク・マルケス応援席になっていた(画像)。
13コーナーから14コーナー~15コーナーの方面に目を向けるとアルカニスの街並みを遠くに見渡せる。ライダーの目線だとエスカンタ・デ・アルカニス貯水池も視界に入る(画像)。
14コーナーの先にはアスファルトが伸びていて(航空写真)、コースアウトした車が復帰できるようになっている。しかし、転倒したライダーやマシンがこのアスファルトの上をしばらく滑ることもあって(動画)、危険である。
2016年の最大排気量クラスFP3において、青いマシンに乗るニッキー・ヘイデンが14コーナーで転倒した。その直後に、オレンジ色のマシンに乗るマルク・マルケスと、黒いマシンに乗るポル・エスパルガロが14コーナーで絡み合って転倒し、マシンが2台とも滑っていった。ニッキーとコースマーシャル達のところに2台のマシンが突っ込んでいき、かなり危険な光景になった(動画)。
15コーナーのアウト側には、道を塞ぐ形で巨大なLED広告看板が立てかけられている(動画)。
15コーナーはパッシングポイントの1つになる。2016年はマルク・マルケスが15コーナーにおいて1レース中5回もパッシングを披露した。そのうち4回のシーンがYoutubeに上がっている(動画1、動画2、動画3、動画4)。
バックストレート
バックストレートは968mの長い直線で、ライダーたちはコーナリングで疲れきった体を休ませる。
セパン・インターナショナルサーキットの直線は、先行ライダーが左右に振るシーンがたまに見られる。後続ライダーに背後へ付かれてスリップストリームを使われるのを避けようとしているのである。
ところがアラゴンのバックストレートはかなりの角度の下り勾配なので(画像1、画像2)、左右に振ることが難しい。先行のライダーは、後続のライダーに背後へ付かれて付かれてスリップストリームを使われる事態を回避しにくく、あっさり抜かれてしまう事も多い。
2017年のMoto3クラスで最終ラップの1コーナーで先頭に立ち、そのまま15コーナーを立ち上がったジョアン・ミル。
バックストレートでスリップストリームを使われるのを嫌ってマシンを振るが、下り坂なので上手くいかない(動画)。
直後のファビオ・ディ・ジャナントニオとエネア・バスティアニーニが口を揃えて「危険だ」と批判した。レース運営もミルの非を認め、次戦の日本GPでスタート順位6つ降格のペナルティをミルに課した。
ジョアン・ミル(2017年は18戦10勝。20年ぶりに「キャリア2年目でのチャンピオン獲得」を達成。2020年に最大排気量クラスチャンピオンになった)が操作しやすいMoto3マシンに乗った場合でさえも、モーターランド・アラゴンのバックストレートは下り勾配がキツすぎてマシンを左右に振るのがとても難しいのである。
16コーナー~最終17コーナー
16コーナーは大きなUの字コーナーで、このあたりが本サーキットの最底辺になっている。
旋回性が高いマシンのライダーは大回りのラインを通るが、旋回性が低いマシンのライダーはインべったりの小回りラインを通る。この16コーナーでは、各マシンの旋回性の良し悪しがはっきり現れるコーナーになっている。
バックストレートとメインストレートを完全なUの字で結んでいるのではなく、四輪のコースレイアウトと合流する部分が「へ」の字形で(航空写真)、ここを17コーナーと呼んでいる。これもすこしトリッキーな仕掛けになっている。Uの字の16コーナーと「へ」の字の17コーナーで複合コーナーとなり走行ラインがちょっと複雑である。
17コーナーの立ち上がりはぐいっと急な上り勾配になっていて(動画)、ブラインドコーナーになっている。先も見えず、アクセルを開けるポイントを見つけづらく、難しい。メインストレートからみるとマシンがヌッと出現するように見える(動画)。こちらのカメラアングルだと、最終17コーナーの下が全く見えない。
コース学習用動画
関連リンク
- モーターランド・アラゴン公式ウェブサイト
- モーターランド・アラゴン公式Twitter
- モーターランド・アラゴン公式Instagram
- モーターランド・アラゴン公式Facebook
- モーターランド・アラゴン公式Youtube
関連項目
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