アウトブレイク(映画)とは、1995年に公開されたアメリカのパニック映画である。ウォルフガング・ペーターゼン監督、ダスティン・ホフマン主演。
概要
非常に強力な感染力と病原性を持つ、致死率 100%の架空のウイルス(モターバ・ウイルス)がアメリカの小さな町"シーダー・クリーク"を舞台に引き起こすパニックを描く。モーガン・フリーマンら実力派俳優の演技も見どころ。
防護服を着た主人公達の姿や感染の恐怖を描く衝撃的なシーンの印象が強いが、よくある娯楽映画同様に科学的に正確な考察の上に基づくものではなく、内容は医療題材の映画というよりもゾンビ映画に近い。
ソルト少佐が一時間でやってくれました
主人公の下で働く陸軍少佐で超人。物語の序盤はチームに迷惑をかける経験の浅い役であったが、途中からポップ(ダイの大冒険)に勝るとも劣らない成長を遂げる。ノーベル賞受賞は確実であろう。
(以下ネタばれ含むため反転)
- 新種のモターバ・ウイルスの発見
- 久しぶりと言いながら、アクロバティックな操縦まで完璧にこなすヘリの操縦技術
- 僅か数時間で抗血清を製造(神) しかも一日以内に大量生産体制に移行し人類を救う
- しかも抗血清製造中に軍の無線を傍受
実際は?
まぁ、フィクションなんだし楽しめれば良いと思うのは当然の意見かと。しかし映画の影響が大きかった為にモデルとされるエボラ出血熱の流行等でこの映画のイメージを想起する方も多いのでは?と思われる。
(以下ネタばれ含むため反転)
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- 日本語字幕では「菌」にほとんど間違えられてしまっている。実際、菌とウイルスは家電量販店でパソコンとUSBメモリを間違えるくらい違う。
- 一般に致死率が高すぎるエボラ出血熱などの感染症は、致死率が高すぎるが為に逆に感染が広がりにくいと言われている。また劇中のように極度に潜伏期間が短い場合、余計に感染は拡大しにくいと考えられる。
- 劇中で抗血清が特効薬として扱われているが、抗血清は通常大型の動物(ウマやヤギなど)に弱毒化した病原体を接種して抗体を産生させた上で血液を取りだし加工するため、そもそも作り方が違うし数時間で行えるようなものでもない。
なお2014年現在は、様々な物質を含み副作用の可能性の高い従来の抗血清製剤とは異なり、特定の分子を標的としたモノクローナル抗体製剤へと開発が進められている。 - 自然宿主は感染源であるため、疾病の予防や撲滅には動物種の同定は大きな意味を持つ。しかし、自然宿主を捉えたからといって、そこからいきなり特効薬を作られるわけではない。
- 致死率100%なら町の封鎖・外出禁止令だけで十分で、町ごと爆破する意味はなかったと思われる。
実際に大規模な感染を生じた際に大切なのは、感染経路(接触感染、飛沫感染、空気感染等)と予防方法に関する正しい知識である。残念ながら新型インフルエンザ等の疾患と人類の戦いはまだまだ続くし、今後も多くの方が感染症で亡くなる現実はすぐに変わるものではない。
もちろん感染に対する警戒心と備えは必要であるが、間違った(ゾンビ映画のような)イメージで患者や関わった医療者、国や地域そのものを過度に恐れ差別したり、まるごと爆破することは正しくないであろう。
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