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概要
『インシテミル』とは、米澤穂信による推理小説である。
いわゆる館モノであり、作者の代表作である『さよなら妖精』や『〈古典部〉シリーズ』とは趣を異にする。
「このミステリーがすごい!」2008年版第10位、「本格ミステリ・ベスト10」2008年版第4位。
2010年に『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』として映画化。
ハードカバー版は2007年8月発売。
価格を抑えるために、表紙の三色刷りや紙厚を抑えるなどの工夫がなされており、原稿用紙1000枚超にしてその価格1600円(税別)はマジックとも。
あらすじ
「実験の被験者」になるだけで破格の時給がもらえる求人に応募した十二人の男女。
とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕した。それは「多くの報酬を得るために参加者同士が殺し合う犯人当てゲーム」だった。
七日間黙っていても時給は発生するので、殺し合いをする道理はないと参加者たちは結論付けるが、一人目の犠牲者が出てしまう……。
モニター募集
- 年齢性別不問。一週間の短期バイト
- ある人文科学的実験の被験者
- 一日あたりの拘束時間は24時間
- 人権に配慮した上で二十四時間の観察を行う。期間は七日間。
- 食事は三食提供。個室の用意あり。
- ただし、実験の純粋性を保つため外部からは隔離する。
- 拘束時間には全て時給を払う。
- 時給、一一二〇百円
映画版
2010年10月16日公開。ホリプロ50周年記念作品。監督は『リング』の中田秀夫。主演は藤原竜也、綾瀬はるか。
「究極の心理戦」をキャッチコピーに、豪華キャストで大々的に宣伝された。しかし……。
- 登場人物を12人から10人に削減。人物設定も様々な変更が加えられる。
- ルール設定を変更。しかし肝心のルール説明が非常に雑。
- 原作の巧妙な伏線や駆け引きを排除。終始殺人ゲームが淡々と進む。
- 映画版で追加されたいくつかの伏線は、回収されないまま物語が終わる。
- 状況証拠やトリックなどは一切無視し、論理性に欠けた思いつきだけの推理が展開される。
- 「インシテミル」のタイトルに込められた真意(ミステリのお約束に淫してみる)を完全に無視。
というように、ミステリ要素や心理戦要素がどこにも見当たらないパニック・ホラー映画となってしまった。
原作ファンはもちろん、映画ファンからの評判もあまり良くなく、各映画レビューサイトでは評価が軒並み低い。そのため、映画版は「駄作」「地雷」扱いされている。原作者のブログでも映画版の話題は一切触れられていない。
『バトル・ロワイアル』や『カイジ』で有名な、藤原竜也のオーバーアクションは本作でも遺憾なく発揮されているので、それを見たい方はどうぞ。ただし、貴重な107分を無駄にするかもしれないが…。
暗鬼館への招待状
単行本の発売に合わせて配られたフリーペーパー。
12店舗で配布され、全部で4種類の書き下ろし掌編小説が1つずつ掲載されている。
掌編のタイトルはそれぞれ、
・殴殺
・撃殺
・刺殺
・斬殺
となっていて、実験に使用するための凶器を選ぶ様子が描かれている。
関連商品
原作
映画
関連項目
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- ページ番号: 4995924
- リビジョン番号: 2204594
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