トニオ
「じゃあ、この艦隊に来たおれはラッキー?」
のふたりは、アニメ『銀河英雄伝説』の登場人物である。当記事では両名をあわせて扱う。
石黒監督版アニメのオリジナルキャラクターであり、「わが征くは星の大海」およびOVA第一期にのみ登場する[1]。
概要
銀河帝国軍の兵士。階級はクルトが伍長、トニオが二等兵である。
背が低く細身で茶髪、軍服の首元をはだけさせたクルトと、背が高く大柄で金髪、童顔のトニオという凸凹コンビ。階級が上のクルトは外見的にも年上で、若く新兵に近いトニオに対して階級の上下というよりもむしろ先輩後輩のような雰囲気で接している。
戦艦<ブリュンヒルト>の砲手であり、ふたり揃ってレグニツァ上空戦、第四次ティアマト会戦、アスターテ会戦を戦った。そののち転属し、カストロプ動乱においてキルヒアイス艦隊の旗艦<テューリンゲン>に搭乗している。ちなみに、カストロプ動乱戦闘前の時点でもいまだに初登場時の階級のまま昇進できていない。銀英伝は兵士に厳しい。
もともと原作にないオリジナルキャラクターであったためか、OVA第5話「カストロプ動乱」の後は登場がなくなった。
人物
どちらも兵士らしくベルゲングリューンより楽天的なところが強い。ただし若いトニオは戦闘前に不安がることも少なくないいっぽう、”人生経験の差”があるクルトは兵士として色々と割り切っているのかいつも泰然自若としている。
レグニツァ上空戦の時点で、クルトはラインハルト・フォン・ミューゼルのもとで何度か戦闘に参加している様子。クルトは過去に戦傷をうけ、左手を義手としている。トニオはこの時が初陣であり、戦闘終了後も震えていた。しかし第四次ティアマト会戦でのトニオは、前夜の夜遊びがたたったか前回の緊張も忘れてずっと砲手席で居眠りしており、こちらも本質的には案外図太いところがあるようである。
キルヒアイス艦隊への異動後は、<ブリュンヒルト>を降り、実績のないキルヒアイスの麾下となったことで不安を訴えるトニオに対し、クルトは「赤毛の少将閣下もなかなかやりそう」といつもどおり落ち着いていた。
ふたりの役割
クルトとトニオは、石黒監督版劇場アニメ「わが征くは星の大海」において、原作ではあまり描かれない下級兵士にも視点をおくために生み出されたキャラクターである。当時脚本を務めた首藤剛志氏は、ふたりについてのちにこう語っている。
この通り、「わが征くは星の大海」においては、新兵トニオに先達としてクルトが心構えを説いたり、「信じられる司令官ってやつは、戦いに勝てて、おれたちの命をすこしでも多く助けてくれるやつ、消耗品のつらさを知ってるやつだ」と語るなど、ラインハルトに指揮される前線の兵士たちの心情を表現するシーンが多かった。
OVAに入ると、クルトがトニオに諭すかたちで世界観や設定を説明するようなシーンでも登場するようになり、この次代における戦傷者への対処やタンク・ベッドの存在、ゼッフル粒子などについて解説している。
補遺
クルト役を担当した屋良有作は言わずもがな全篇のナレーション担当者であり、「わが征くは星の大海」でもナレーションを務めている。ただし同作でのナレーションは冒頭の語り程度しかないため、おそらくはクルト役としてのほうが長く喋っている。
関連動画
関連項目
- 銀河英雄伝説
- オリジナルキャラクター
- ラインハルト・フォン・ローエングラム
- ジークフリード・キルヒアイス
- ウイン・ファンデンベルク/ルイ・ヘルム - 「わが征くは~」における同種のオリジナルキャラクター。こちらは士官。
- エド/サイモン/ハズキ - OVA第一期で似た立場を担った同盟側のオリジナルキャラクター。
- クルト・ジングフーベル - 名前が同じだがたぶん無関係。
脚注
- 1
- 0pt