イギリスのスコットランド、オークニー諸島メインランド島にあるウイスキー蒸留所。
またそこで作られるウイスキーの銘柄。
”北の巨人”と謳われる美酒である。
概要
未だにフロアモルティングなど伝統ある製法にこだわる硬派な蒸留所。
ハイランドパーク蒸留所は1798年にデビッドロバートソンによって設立された古参。
紆余曲折を経てハイランドディスティラリーズが蒸留所を買収、
シングルモルトブームよりもずっと以前からシングルモルトを売り出してきた大御所である。
現在はマッカランなどで有名なエドリントン社がハイランドディスティラリーズを買収しその傘下にある。
香味の強いシェリー樽原酒を中核に、落ち着いたリフィル(再利用)樽原酒で調整するブレンドが主流。
ウイスキー評論家の方のマイケルジャクソン氏(歌の方ではない)が、一番安いスタンダード品である12年に90点を付けて大絶賛した事も。
ブレンデッドモルトをすら思わせるバランスの良さと複雑さを持ち、ウイスキーの美味しさと一緒に難解さも味わえる銘柄。
特徴は何といってもそのピート香。
スコッチウイスキーは原料の大麦麦芽をピート(泥炭)で燻して乾燥&香り付けをするのだが、
内陸では樹木などが由来の泥炭が多いため燻製の様なピート香がつき、
海辺では海藻が由来の泥炭が取れるため磯の香りやヨードの香り漂うピート香がつく。
オークニー諸島のメインランドでは厳しい環境から樹木は育たず、ヘザー(ヒース)という低木が自生しており、採取される泥炭もこのヘザー由来となる。
あまり炭化が進んでいない、まだ植物分が多い若い泥炭を使用するのも特徴。
このヘザーピートによってハイランドパーク特有の、煙のようなスモーキーさの中にフワリと花の蜜が香る独特の香りを生むようだ。
歴史の長い蒸留所ゆえか、原酒不足に喘ぐウイスキー業界の中では原酒貯蔵量は豊富な様子。
それゆえか限定品のリリースも頻繁で様々なバリエーションが発売されている。
オークニー諸島がヴァイキング文化の残る島ゆえに現在のボトルデザインや銘に取り入れられているのも特徴。ノルウェーにある世界遺産「ウルネスの木造教会」の壁面装飾をモチーフに取り入れた荘厳なボトルデザイン。
ラインナップ
一般販売
- 12年ヴァイキングオナー
最も買い求めやすいスタンダード品。
ヘザーハニーの甘い香りを包み込むような香ばしいスモーキーさが特徴。
味わいの要素が多く複雑。繊細そうに見えて加水にも強くどんな飲み方でも美味しい。
食後にゆったりとロックで飲みたいボトル。
- 15年ヴァイキングハート
最も新しいボトルで最近正規輸入されるようになった。
18年のような熟成感ある高解像度の味わいで、12年のようなキャッチーなキャラクターの強さ。
ワールドウイスキーアワード2022年ではスコッチシングルモルトのアイランズ部門で18年を超える評価をされた高クォリティーなボトル。
- 18年ヴァイキングプライド
12年からファーストフィル・シェリー樽原酒の割合を倍以上に増やした長熟ボトル。
それでいながら12年よりも圧倒的にまろやか。
非常に複雑かつ調和がとれたハイランドパークの神髄を味わえる。
尖った部分は無く、繊細でいながら芳醇な味わい。
- カスクストレングスNo.1~3
蒸留所こだわりのシェリー樽原酒を加水も無しのアルコール度数63.9%でブレンド。
No2のみ少量のバーボン樽原酒が加えられている。
各ボトルの個性を決める屋台骨を、もっともピュアな状態で味わえる一本。
ハイランドパークファンなら一度は味わいたい品。
バランスを重んじるこの蒸留所にしては珍しく個性全開。
しかし不思議とバランスは取れているあたりハイランドパークらしい。
- 10年ヴァイキングスカーズ :イオン系で独自輸入されるようになった。
- 14年ロイヤリティーオブザウルフ:欧州免税店向け。ネット通販などで購入可能。
- 25年 :目玉が飛び出るほど値段が高い。
- 30年 :心臓が飛び出るほど高い。
- 50年 :車が買える。
限定品
- ヴァルキリー :ヴァイキングレジェンドシリーズ第一弾。シェリー樽の特徴が芳醇。
- ヴァルクヌート :第二弾。バーボン樽メインで力強いスモーキーさとバニラの甘み。
- ヴァルファーザー:第三弾。ピーテッドモルトの比率が最も高いが、あくまで円やかなピート。
- フルボリューム :音楽にフューチャーした限定品。箱の外見は面白いが中身は硬派で正統派。
- トリスケリオン :且つて発売された限定品ライト・ダークの後継品。
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関連項目
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